子どもを連れての外出は、突発的なトラブルが起こりやすく、不安がつきものです。そこで、子どもと楽しくお出かけできるよう、移動や持ち物、プランニングなど、読者のリアルな声もあわせてお出かけの極意をご紹介します!
子どもは楽しく、親は気分転換に
外の世界は子どもにとって刺激がいっぱい。いつもの散歩道であっても、楽しみながら新しい発見をしたり、周囲の変化を五感で感じたりしながら、その積み重ねによって子どもは成長していきます。
また、外出はおうちの方にとっても、よい気分転換になります。この子はこんな反応をするんだ、こんな表情もできるようになったんだと、家にいるだけでは見えてこない子どもの姿に出会え、子育ての励みになるでしょう。
お出かけで生活リズムも整う
外でいろんな刺激をたくさん受けながらたっぷり体を動かすと、夜ぐっすり眠れて早起きにもつながります。お出かけでメリハリがつき、生活リズムも整うのです。
冬の間は寒く、風邪やインフルエンザも心配で、なかなか思うようにお出かけできない日が続きますが、だんだんと暖かくなってくると、お出かけが楽しい季節が始まります。あまり構えすぎず、気軽なお出かけから親子で楽しんでいきましょう。
お出かけ先を選ぶときの3つのポイント
1、2、3歳児とお出かけする場合は、どのように行き先を決めるといいのでしょうか。次の3つのポイントを念頭に置きながら、考えてみるといいでしょう。
今、興味があることを大切に
お子さんは今、何に興味がありますか? 子どもが好きなものをキャッチして、それを楽しめる場所にお出かけするといいでしょう。子どもの興味・関心は成長とともに移り変わるので、「今、好きなもの」を親子で存分に楽しめるといいですね。
「親も楽しめる」も大切に
子どもの興味・関心を重視するあまり、おうちの方がまったく興味をもてないところだと、親子で思いを共有できるという、お出かけのよさが半減してしまいます。おうちの方自身が、ある程度「楽しそう」「行きたい」と思える場所、苦にならない場所を選ぶといいでしょう。
心も時間も「ゆとり」をもって
計画をたてても子どもはそのとおりには行動してくれないものです。予定を詰めすぎると計画どおりにいかないことに対してイライラしてしまい、せっかくのお出かけがだいなしです。向かう途中の道草も楽しめるくらい、気持ちと時間に余裕をもてるようにしましょう。
お出かけ準備に役立つ!チェックポイント&体験談
子どもとのお出かけの不安を解消すべく、プランニング、トイレ、食事、持ちもの、移動手段など、必要な情報をまとめました。
2歳児を育てるベビーブック読者たちからの体験談も要チェック!
プランニングのポイントは?
まずは無理せず近所から
1、2歳ごろは遠出しようとがんばるよりも、無理のないお出かけから始めましょう。日ごろのお出かけは、近所の公園やお散歩で十分楽しめます。何かあってもすぐに家に帰ることができる安心感が、おうちの方の気持ちの余裕にもつながります。
体を動かして遊ぶ場所は親も身軽な格好で
1、2、3歳の子どもと公園で遊ぶ場合は、遊具に登ったり砂場で遊んだりするなど、基本的におうちの方も一緒に遊ぶ必要があります。子どもだけでなく、大人も動きやすく汚れてもいい格好で出かけましょう。
人が多い場所に行くときは迷子対策も
この年齢の子どもは迷子になっても、自分で名前を言えません。人が多い場所に行くときは、いざというときのために迷子用リストバンドをつけるなど、迷子対策もお忘れなく。
黄色や黄緑などはっきりとした色のTシャツを着せておくと、遠くからでも目立つので迷子予防になります。
来年度から幼稚園に入るので、平日はなるべく幼稚園の生活リズムを意識して、午前中は子育て支援センター、午後はのんびりして夕方に公園やお散歩、というルーティンで過ごすようにしています。
(Tさん/2歳9か月男の子)
トイレ・食事はどうする?
お出かけ先のトイレをできるだけ調べておく
お出かけ先におむつ交換台や子どもが使えるトイレがあるか確認しておくといいでしょう。特に、トイレトレーニングを始めている場合は子どもが急に「おしっこ!」と言うこともあるので、事前の把握が大切です。
ベビーカーも一緒に入れるトイレは少ないです。私一人で子どもと出かけていると、普通の個室には入れなくて、気軽にトイレに行けないことがよくあります。
(Mさん/2歳1か月男の子)
車移動が多く、おむつは車の中で替えるので、おむつセットは車に置いて、持ち歩いていませんでした。でも、大きくなると、遊んでいる途中に駐車場まで戻るのを嫌がるように。ママ友に分けてもらってなんとか乗り切ったことがあり、それ以来、持ち歩くようにしています。
(Kさん/2歳9か月女の子)
食事の時間を考慮してお出かけを
出かける際は必ず食事の時間を考慮すること。子どもは「お腹空いた!」をがまんできません。お出かけ先に子どもが食べられるものを置いているお店があるかどうか確認しておき、もしない場合は簡単に食べられるパンやおにぎりなどを持参しましょう。
衛生面にも注意して
食べものを持ち歩く際は、おにぎりはラップにくるんで握る、冷めてから容器のフタを閉じるなど、衛生面にも気をつけましょう。水っぽい離乳食は特に腐りやすいので、市販のベビーフードも活用するといいでしょう。
お弁当を持っていくときは、おにぎり必須。できるだけ、子どもが喜びそうな形に作ります。
(Kさん/2歳9か月女の子)
市販のベビーフードを食べてくれない子だったので、離乳食の間は食事の時間にかぶらないよう出発・帰宅時間を考えて、出かけていました。
(Tさん/2歳9か月男の子)
持ち物・バッグはどうする?
近所でも着替えは必須。枚数も多いと安心
持ち物の中で意外と大切なのは着替えです。飲み物や食べ物を大胆にこぼしたり、泥だらけになったり、おしっこやうんちが漏れたり。何が起きるかわからないので、多めに持ち歩くと安心です。
近所の公園だからと着替えを持たずに出かけたら、公園の水飲み場で水浸しになったり泥がついたりで大変なことになりました。
(Tさん/2歳9か月男の子)
ビニール袋は使う場面が多いので、常に何枚かカバンに入れています。濡れたものの持ち運びやゴミ入れとして使ったり、子どもが拾った石や木の実を入れたりしています。チャックつきのものが便利です。
(Iさん/2歳5か月女の子)
バッグは状況に応じて使いやすいものを
たくさん荷物があるときやベビーカーにフックがあるならトート、子どもが歩くようになって両手を使って遊びたいときはリュックなど、状況に応じて使うといいでしょう。2way、3wayタイプもおすすめです。
財布やスマホなど貴重品はショルダーバッグに入れて、子ども関係はミニトートで手持ちにしています。ミニトートはラミネート加工された硬めの自立するタイプ。量がたくさん入る上、ハンドタオルなどをのせれば中は見えないし、雨の日も外側を拭くだけで済むので便利です。
(Tさん/2歳9か月男の子)
子どもの好きなキャラクターの指人形を持ち歩いています。知らない場所で食事が進まないとき、さっと指にはめて応援すると、効果大です! サイズも小さいのでかさばらないのも助かっています。
(Mさん/2歳1か月男の子)
紙パックのジュースを飲むとき、いつもギュッと握ってこぼしてしまうので、ママ友に勧められた紙パックジュース用ホルダーを使ってみたら本当に便利。長めの外出をするときは必ず持っていきます。
(Tさん/2歳9か月男の子)
私がサンダルを履いてお出かけするときは、必ず靴下を持っていきます。当初の予定にはなくても、突然屋内のプレイスペースで遊びたがることがよくあり、その際に裸足で入るのは抵抗があるので……。
(Iさん/2歳5か月女の子)
ストローマグは卒業しましたが、まだペットボトルでは飲めないので、水筒を必ず持っていきます。
(Kさん/2歳9か月女の子)
移動手段はどうする?
ベビーカーを使うときは抱っこひもも持っていく
外出先でベビーカーを畳まなければならないことがよくあるので、抱っこひもも持っていきましょう。また、抱っこひもで出かけてお出かけ先の施設でベビーカーを借りるという方法もあります。
ベビーカーでお出かけしたとき、駅のエレベーターが点検中で途方に暮れました! 駅員さんに外から回る行き方を教えてもらったのですが、ずいぶん遠回りになって待ち合わせの時間に遅刻してしまいました。
(Mさん/2歳1か月男の子)
自転車はルールをしっかり守ること
自転車は便利ですが危険もあります。必ずヘルメットを着用させ、シートベルトを適切に装着しましょう。また、短時間でも、子どもを乗せたままで自転車から離れないこと。何かの拍子に自転車が倒れてしまうと、大ケガにつながります。
なるべくラッシュを避ける
公共交通機関を使う際は、なるべく混む時間帯を避けること。
抱っこしたときに子どもの靴が周囲の人にぶつかりそうなら、脱がせましょう。
バスは事前準備をしっかりと
ベビーカーでバスにスムーズに乗るためには、ICカードをすぐ取り出せるようにしておくなど事前準備をして、慌てずに落ち着いて乗り込みましょう。
ベビーカーは持ち上げられる軽量のものがおすすめです。前方扉から乗るバスでも、後方扉から乗車できることもあるので、運転手に聞いてみましょう。
移動中は子どもが退屈してしまうので、サッと食べられるおやつや静かに遊べるおもちゃが必需品です。100円ショップで買ったお絵かきボードが特に重宝しています。
(Mさん/2歳1か月男の子)
ベビーカーでバスに乗る時、発着が遅れないようにと焦ってしまうので、小銭入れを首から掛けています。
(Iさん/2歳5か月女の子)
記事監修
古屋 江美子
旅行やグルメを中心にWebや雑誌などさまざまな媒体で活躍。出産後は育児ジャンルにも活動の場を広げ、子連れ旅行やお出かけの情報を発信している。
『ベビーブック』2020年3月号 イラスト/ニシハマカオリ デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/童夢