新型コロナウィルスの感染拡大防止策のための小学校などの一斉休校で、学校給食向けに供給するはずだった牛乳の行方が懸念され、酪農家・乳業会社への影響も心配されています。
コンビニや企業が牛乳を使った商品キャンペーン実施するなど、生産者を応援する取り組みが広がっていますが、ご家庭でもこれを機会に牛乳を使った料理で、毎日のレシピを広げてみませんか。
「乳和食」とは、牛乳を使っていることがわからない、画期的な調理法
ご紹介するのは、料理家で管理栄養士の小山浩子さんが提唱する「乳和食(にゅうわしょく)」。
牛乳を新しい使い方で和食に取り入れます。
和食に牛乳?!とビックリされるかもしれませんが、「乳和食」は、できあがりの見た目が白くならず、牛乳が入っていることがわからないのが特徴。また、牛乳のにおいも味もしません。
そう、見た目も味も、ふつうの「料理」と変わらない。牛乳を使っているのに、牛乳の存在が消える画期的な料理法なのです。
牛乳を使う事で、味も栄養価もランクアップ!しかも、カンタン
ですから、毎日の食生活で継続して牛乳を利用でき、牛乳ギライのお子さんにもおいしく食べてもらえます。
そして、ご存じの通り、カルシウムを始め、牛乳には、子どもにも大人にも、脳にも体にもいい優れた栄養がたくさん含まれています。しかも、牛乳を使うことによって料理にコクがでます。なので、いつもの「料理」が、牛乳を使うことによって、味も栄養価もランクアップするのです。
さらに、牛乳を使うことで少ない調味料でも味がしっかり感じられるため、塩分を控えたい方にもおすすめです。塩分の取り過ぎに注意が必要なのは中高年だけではありません。近年、子ども達の「塩分過剰摂取」が問題になっています。
子どもも大好きな「乳和食」レシピをご紹介します
気をつけるのは、牛乳は「成分無調整」のものを使うことのみ!作り方も実にカンタンですので、是非お試しください。
おいしさの決め手は「ミルクみそ」。減塩効果もバッチリ
ミルクみそのみそ汁
◆材料(2人分)
<ミルクみその基本配合> みそ 大さじ1&牛乳 大さじ1
水 300㎖
かつお削り節(お茶のパックに入れておく) 5g
豆腐 100g
ねぎ(小口切り) 10㎝
なめこ 50g
◆作り方
1 みそと牛乳をしっかり混ぜ合わせて「ミルクみそ」を作っておく。
2 豆腐は5㎝角に切り、水気を切っておく。
3 鍋に分量の水を沸かし、かつお節を入れてフツフツとしてきたら、豆腐、ねぎ、なめこを加えてひと煮する。
4 削り節をしっかり絞って取り出したら、1を加えて火を止める。
乳和食にすると…
みそが少なめでも牛乳のコクと旨味の相乗効果で味わい深いみそ汁になり、塩分は通常のみそ汁の約半分になります。色も牛乳入りとは気がつきません。
だしは不要!乳たんぱくが美味しい鶏そぼろに仕上げます
かぼちゃのミルクそぼろ煮
◆材料(2人分)
かぼちゃ(タネとワタを除き、2㎝角に切ったもの) 200g
鶏ももひき肉 75g
牛乳 200㎖
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
クッキングシート 落としぶたとして使います。鍋の大きさに応じてカット
◆作り方
1 鍋にかぼちゃひき肉の順に入れ、ひき肉の上から牛乳を注ぎ、ひき肉を箸の先でほぐしておく。
2 めんつゆを全体に回しかけるように加える。クッキングシートを鍋の表面にしっかりとはりつくようにしてから、火をつける。火加減は強火。
3 焦げないように鍋底を混ぜながらフツフツと煮立つまで加熱。
4 煮汁が透明になったら、中火にして10分ほど加熱。
5 かぼちゃが八分ほどやわらかくなったら、クッキングシートを外して、再び強火にし、水分を飛ばして少し煮汁が残るくらいで火を止める。
乳和食にすると…
一般的なかぼちゃの煮物と比べてカルシウムは約2倍、塩分は半分になります。牛乳とかぼちゃは、免疫力を高めるビタミンAの吸収を高める最強コンビ! Jミルク「乳和食レシピ」→作り方動画が見られます
育脳栄養素・DHAがたっぷり!牛乳が青魚特有の臭みを消すので子どももパクパク
さばのミルクみそ煮
◆材料(2人分)
さば 2切れ
牛乳 100㎖
<A>
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1
みそ 大さじ1
赤唐辛子(半分にしてタネを除く) 1本
クッキングシート 落としぶたとして使います。鍋の大きさにカットしておきます。
◆作り方
1 鍋にAとさばを入れ、牛乳を注ぐ。
2 クッキングシートでとしぶたをして強火にかけ、フツフツとしてきたら中火よりやや弱火で約10分煮て、そのまま冷ます。
乳和食にすると…
さばは、脳の神経細胞を柔らかくする栄養素・DHAがたっぷり含まれていますので、成長期のお子さんには是非食べてもらいたい食材です。気になる臭みは、牛乳で煮ることで消え、しかも、旨味はアップして、身はふっくらと仕上がります。
「乳和食」を提案、推奨している一般社団法人「Jミルク」のサイトでは、他にも乳和食のレシピを多数紹介しています。
乳和食について
みそやしょうゆなどの伝統的調味料に、「コク味」や「旨味」がある牛乳(成分無調整牛乳)を組み合わせることで、減塩効果を得ながらも食材の風味を損なわなずに、おいしく和食が食べられる調理法。開発をしたのは、料理家で管理栄養士の小山浩子さん。
構成/HugKum編集部