カマキリってどんな虫? 特徴を知ろう!
カマキリは三角形の頭と鋭い鎌を持つ昆虫で、草むらや花壇で見つけることができます。カマキリの体の色は草木に同化して、獲物を待ち伏せするのに適しているのです。
ところで、カマキリが普段どんなものを食べているのか知っていますか? あの前足の2本の鎌は、どんな役割を持っているのでしょうか。
カマキリの特徴を見ていきましょう。
鎌のような形をした前足
カマキリの前足は、鎌のような形をしていて普段は折りたたまれています。
実は、カマキリはライオンや虎のように自分から積極的に狩りをすることはありません。カマキリの基本戦略は「待ち伏せ」なのです。獲物が鎌の届く距離まできたところで、なんと1/10秒という早業であっというまに捕まえてしまいます。
食べ終わったあとは、口の回りや鎌など汚れた体をきれいに掃除する習性を持っています。カマキリの持つきれい好きという一面は、意外に感じる人も多いかもしれませんね。
あらゆる昆虫やトカゲを食べる肉食系
カマキリは肉食です。それも、生きている昆虫しか食べないというこだわりを持っています。生きている昆虫は栄養満点で新鮮なので、カマキリにとっては安全な食べ物なのです。
獲物は、カマキリの種類やサイズによって変わってきます。
日本にいるカマキリは小さめのサイズなので、ハエやガなどのほか、昆虫やトカゲのような小さなは虫類を食します。一方、大きなカマキリになると、鳥や大型の昆虫を食べることもあるそうです。
カマキリの種類と見分け方
カマキリは世界で約2000種類もいるといわれています。
花に変装する「ハナカマキリ」や、枯れ葉のふりをして獲物を待ち伏せする「ヒシムネカレハカマキリ」など、日本には見られないカマキリもたくさんいます。
ここでは、主に日本にいるカマキリの種類と見分け方について、紹介していきましょう。
日本にいるカマキリの種類
日本にいるカマキリの種類はこちら。
- オオカマキリ
- ウスバカマキリ
- コカマキリ
- ヒナカマキリ
- チョウセンカマキリ
- ハラビロカマキリ
- ヒメカマキリ
中でも、よく見かけるのは「オオカマキリ」と「ハラビロカマキリ」です。
カマキリは、種類によって住んでいる場所が異なります。「オオカマキリ」は沖縄にはいませんし、「チョウセンカマキリ」や「ヒナカマキリ」は北海道にはいません。これは暑さや寒さ、湿気などの気候も関係しています。
「オオカマキリ」と「ハラビロカマキリ」の見分け方
カマキリの中でも見つけやすい「オオカマキリ」と「ハラビロカマキリ」の違いについて見ていきましょう。
まず、この2種は大きさが違います。「オオカマキリ」の体長はおよそ70~95mmで、成虫になると90mmを超えます。一方、「ハラビロカマキリ」は45~70mmと、オオカマキリと比べてサイズは小さめです。
また、「オオカマキリ」はスリムですが、「ハラビロカマキリ」はお腹が横に広いのが特徴です。腹が広いからハラビロカマキリという名前が付いています。
ほかにも、羽で見分けることも可能です。「ハラビロカマキリ」には羽に白い紋様がありますが、「オオカマキリ」にはありません。「オオカマキリ」の胸は、目立たない淡い黄色という特徴もあります。
これらの違いを参考に、どちらのカマキリなのかを見分けてみましょう。
知ってる? カマキリには秘密がいっぱい
カマキリにはたくさんの秘密があります。餌の発見や子孫を残すために、カマキリが持っている秘密とはどのようなものなのでしょうか。
泡の中には約200個の卵
カマキリの卵は「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれ、薄茶色で丸いスポンジのような見た目をしています。
カマキリのメスは、秋になるとこの卵鞘を木の枝などに2~5個ほど産みます。この中には、小さな卵が200個ほども入っているのです。
卵鞘のスポンジのような弾力性は、外敵から身を守るだけでなく、中の温度を保ち、冬の寒さからも卵を守る役割を果たします。そして温かくなると、卵の中から小さな幼虫が出てくるのです。
餌を探すための目
カマキリは、三角形の頭の左右に大きな目が付いています。実はこの目は、たくさんの小さな目が集まった「複眼(ふくがん)」です。
この複眼によって、カマキリは360度を見渡せるため、より細かい変化を見逃さずに獲物を捕らえることができます。
また、カマキリの目は夜になると黒くなります。黒は光を吸収する色です。目が黒くなることで光を吸収し、夜でも餌を探すことができるようになっています。
メスがオスを食べる?
カマキリは交尾をしたあとにメスがオスを食べるといわれています。
その理由は、卵を産むための栄養にするためという説が有力です。実際に、オスを食べたメスは、食べなかった個体と比べて2倍近くの量の卵を産むことが分かっています。
ただし、すべてのオスが食べられるわけではありません。実際にメスがオスを食べる確率は3割程度だそうです。生き残ったオスは、またほかのメスを探す旅に出ます。
水に飛び込ませる寄生虫「ハリガネムシ」
カマキリの体内には、「ハリガネムシ」と呼ばれる恐ろしい寄生虫がいることがあります。
ハリガネムシは細長い紐のような形をしていて、乾燥すると固い針金のようになることからその名前が付けられました。実際に、カマキリのお尻を水につけると、ハリガネムシが出てくることがあります。
時に、ハリガネムシは宿主であるカマキリを操ることもあります。中には、寄生した虫を入水自殺させてしまうことがあるほどです。これは、ハリガネムシ自身が水中で交尾を行うためといわれています。
人間には寄生しないといわれているので心配はありません。
自宅でカマキリを育ててみよう
カマキリを自宅で育てる方法を解説します。できるだけ長生きさせるためにも、捕まえ方や育てるコツについて学びましょう。
捕まえる方法
カマキリは、草むらや花壇の近くにいます。
見つけたら、首の細いところと鎌を一緒に優しく掴んで捕まえましょう。カマキリは動くものを攻撃する習性があるので、ケガをしないように、軍手などを装備して捕獲すると安心です。
もちろん、触るのが怖い場合は、網で捕まえても問題ありません。
餌のあげ方
カマキリの主食は「生きた昆虫」です。コオロギや蝶、バッタを餌にしています。毎日捕まえてくるのは大変なので、餌用のコオロギをあげてもよいでしょう。
餌は、2日に1回ぐらいの割合で問題ありません。目の前に餌があると、無限に食べ続ける習性があるため、餌を与えすぎには注意が必要です。
「ソーセージ」や「無糖ヨーグルト」を餌にすることもできます。
育てるポイント
カマキリを飼う際は、「飼育箱」と「止まり木」を用意しましょう。
止まり木は、木の枝を瓶などに挿しておきます。瓶の中に落ちないように、脱脂綿などを利用してふたをしておきましょう。木の枝は、カマキリを捕まえた場所の近くで選ぶようにします。
また、餌は2日に1回ほどで十分ですが、水は切らさないよう注意が必要です。濡らしたガーゼを置いてあげたり、飼育箱の中に霧吹きで水をかけてあげたりするだけでも水を補給してくれます。
カマキリを幼虫から飼う場合は、ネックになるのは脱皮です。成虫になるまで6回以上は脱皮を繰り返します。
脱皮の時期は、室内の温度と湿度を適切に保つように工夫しましょう。温度は20~25度ぐらいがよいといわれています。
カマキリ飼育の体験談
HugKumでは、12歳までのお子さんがいるママやパパにアンケート調査。ご家庭での、カマキリ飼育の体験談をご紹介します。
カマキリの魅力を見つけよう
カマキリは、大きな鎌や三角形の頭など、かっこいいフォルムをしていることから子ども達からの人気が高い昆虫です。簡単に捕獲できるので、「自分で育ててみたい」と思うこともあるでしょう。
自分で育てる場合は、餌やりや水を切らさないようにして、責任を持って育てましょう。とても繊細な昆虫なので、こまめにお世話をすることが大切です。
構成・文/HugKum編集部