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野生のカブトムシの食べ物、栄養源は?
カブトムシの餌を考えるとき、まずはカブトムシが野生でどんなものを食べて生きているのかを知ることが大切です。
カブトムシの好物は、甘い樹液。カブトムシは、クヌギの木などから出る糖分の高い樹液をなめて生きています。この樹液には糖質やタンパク質が含まれていて、カブトムシの栄養源となっているのです。
カブトムシの餌のおすすめと代用品
ではカブトムシを自宅で飼育するとき、どんな餌を用意すればいいでしょうか?
昆虫ゼリー
カブトムシの飼育でもっとも定番の餌が、餌をゼリー状にした「昆虫ゼリー」です。市販されている昆虫ゼリーは、カブトムシの栄養バランスを考えてカブトムシの好きな風味で作られたもの。
昆虫ゼリーには、高タンパクタイプや、黒糖タイプなどがありますが、どちらでも構わないでしょう。産卵前のメスなら、高タンパクゼリーをあげてもいいかもしれませんね。
野菜のおすすめ
野菜ではトマトやキュウリなども好んで食べますが、水分量が多すぎるため、カブトムシの餌としてはあまり適していません。水分が多すぎるとおしっこの量が増えて、飼育カゴの中が不衛生になりがちです。
トウモロコシなどは、野生のカブトムシの食いつきがいいようです。
バナナが最強⁉ 果物のおすすめ
果物では、バナナまたはリンゴがおすすめ。手軽に入手しやすく、餌としても利用しやすいのが特徴です。とくにバナナは栄養がたっぷりで、水分量もちょうどよく、汁が飛ぶこともないので飼育カゴの中も汚れにくいのでおすすめです。
スイカやメロンは水分が多すぎてしまうので不向きです。
餌になる代用品は?
昆虫ゼリーや野菜・果物以外で、カブトムシの餌として利用できるのは、手作りの樹液。
水1カップと黒砂糖100gを鍋に入れて火にかけ、どろどろになるまで加熱します。ここに焼酎1/2カップと蜂蜜大さじ2を加えたら完成。これを脱脂綿などに湿らせて与えてもOKです。
カブトムシの幼虫の餌
カブトムシのオスとメスを飼育すると、交尾して卵を産みます。孵化したカブトムシの幼虫を育てるときには、どんな餌を用意すればいいでしょうか?
自然の中では、カブトムシは土の中で育ちます。カブトムシが好む樹液が出るクヌギ、コナラなどは、冬になると葉が枯れて落ち、その堆積した落ち葉が虫や微生物の働きで分解され、栄養豊富な「腐葉土」となります。カブトムシの幼虫はこの腐葉土を食べ物として成長していきます。
家庭でカブトムシの幼虫を飼育する際は、腐葉土の代わりになる「飼育マット」と呼ばれる土のようなものを準備すれば、これが餌となります。
カブトムシの餌に向かないもの
カブトムシの餌として不向きなものを与えてしまうと、カブトムシが健康に育たなかったり、カゴの中が不衛生になってしまうため注意が必要です。
水分が多い野菜や果物はNG
カブトムシは樹液が好物で水分が多いものを好みます。でも、水分量が多すぎるものを餌として与えるのは不向き。水分量が多いものばかり食べていると、カブトムシのおしっこの量が多くなり、飼育カゴの中を清潔に保つのが難しくなってきます。
例えば、キュウリやメロンなどのウリ科の野菜は、カブトムシの餌としては水分量が多すぎます。一時的に与えるだけなら問題ありませんが、長期間あげ続けるのは避けたほうがいいでしょう。
蜂蜜(はちみつ)も与えないほうがいい
カブトムシが好む甘い樹液に似たものとして、蜂蜜がカブトムシにいいのでは? と考える方も多いもの。確かにカブトムシにとって、匂いも甘味も好物に思えるかもしれませんが、糖分が高すぎることが問題です。
また、粘度が高くねっとりとした状態なため、カブトムシの口に蜂蜜がべったりついて固まってしまうことも考えられます。どうしても蜂蜜をあげたい場合は、蜂蜜を水で薄めて脱脂綿などに染み込ませて与えるのがベストです。
カブトムシの餌の作り方・あげ方
基本的には市販の昆虫ゼリーが栄養面でも手軽さの面でもおすすめですが、カブトムシの餌を手作りで準備することもできます。
餌の作り方
簡単なのは、タンパク質が豊富なヨーグルトとバナナを使ったもの。
バナナ1本に、プレーンヨーグルトを適量加え、軽くミキサーにかけたら完成です。ヨーグルトは加糖タイプだと糖分が高くなりすぎるため、プレーンヨーグルトを使用しましょう。
餌の準備ができたら、餌を交換する頻度や餌台を使うメリットなど、餌のあげ方についてもチェックしてみましょう。
餌の交換の頻度
餌を交換するタイミングですが、昆虫ゼリーなら中身がなくなったら新しいものに交換してください。果物や野菜を餌としてあげるときは、果物や野菜が傷みだしたら腐ってしまうため、新しいものに交換しましょう。
また、一般的なカブトムシの寿命は、成虫になってから1~3カ月程度といわれています。夏の終わりになると、カブトムシは餌をあまり食べなくなってきますので、ゼリーが残っていても、汚れていたら交換してあげましょう。
餌皿・餌入れの他に、餌台も必要?
昆虫マットの上に直接昆虫ゼリーを置くと、カブトムシがゼリーをひっくり返してこぼしてしまい、コバエなどが発生する原因となることもあります。それを防止するためにも、飼育カゴの中に十分なスペースがあるなら、餌皿や餌台の使用がおすすめ。昆虫ゼリーがこぼれにくく、飼育カゴの中を衛生的に保てます。
もし餌台を置くスペースがない場合は、昆虫ゼリーを水平に置くように注意しましょう。
餌皿の代用品は?
100円ショップなどで安価な小皿なども販売されているので、それらを利用してみてもいいですね。
カブトムシが餌を食べない…どうしたらいい?
飼っているカブトムシが餌を食べなかったら、心配になりますよね。そんなときはどう対処したらいいでしょうか。
原因
カブトムシが餌を食べない原因として、餌がカブトムシの好みに合わないことが考えられます。昆虫ゼリーでも、カブトムシが好むものとそうではないものがあるという声もあるようです。
また、カブトムシは夜行性なので、昼間は土の中に隠れていても、夜になると活発に動き出すものです。昼間は餌を食べる時間帯ではないため、餌に目を向けないこともあり得ます。
さらにカブトムシの寿命は、成虫になってから1~3ヶ月ほど。体力が落ちて寿命が近づいてくると、餌を食べなくなってきます。
対処法1:餌を変えてみる
餌がカブトムシの好みに合わなかった場合、別の餌に変えてみたら食べるようになるかもしれません。昆虫ゼリーでもさまざまな種類のものがあるので、他のメーカーのものなどもぜひ試してみましょう。
対処法2:1日を通して観察する
昼間には餌を食べている様子が見られなくても、朝になって餌が減っているなら、カブトムシが夜の間に餌を食べたということです。カブトムシの夜行性を理解して、ぜひ1日を通して観察してみましょう。
カブトムシ飼育の体験談
HugKumでは、12歳までのお子さんをもつママパパに、家庭でお子さんとカブトムシを飼育したことがあるかアンケート調査してみました。アンケートに寄せられた体験談をご紹介します。
カブトムシの餌やりアイテムのおすすめ
カブトムシの飼育におすすめの、餌や餌皿などをご紹介します。
餌「マルカン 昆虫ゼリー サムライ BIG48」
カブトムシが好む黒糖風味のベースゼリーに、天然糖質であるトレハロースを配合。カブトムシのほか、クワガタ、オオクワガタ、外国産昆虫にも利用できます。
餌皿・餌入れ「えさ皿16g用2穴」
生木を乾燥させて作った餌皿のため、長い期間利用できます。昆虫ゼリーをカップごと2個入れられます。
餌台「サンコー 昆虫のエサ台」
止まり木、のぼり木にもなる天然木の餌台。カブトムシをより自然界に近い状態で飼育できます。
幼虫用育成マット
記事前半でもご紹介した幼中用の育成マットです。良質のクヌギ・コナラ・ブナを原料にした朽ち木粉砕マットと朽ち木チップは、そのまま幼虫の餌になります。初心者にも使いやすい仕様です。
カブトムシはデリケートな昆虫
カブトムシを健康に育てていくためには、餌などの飼育環境がとても大切になります。餌ひとつとっても、カブトムシによって好みがあるもの。そのようなことも理解して、愛情をもって飼育を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部