はじめての育児は、赤ちゃんのお世話は分からないことや不安・悩み・迷いが多いもの。妊娠・出産は人生の大きなライフイベントです。そして、育児もはじめてのことだらけ。小さなことに聞こえるかもしれませんが、「赤ちゃんのげっぷ」もお悩みの一つでしょう。
先輩ママパパも、みんなたくさんの”はじめて”を経験してきました。ここでは、Hugkum先輩ママパパの体験談も参考にしながら、赤ちゃんのげっぷについて、その目的や出し方などを紹介します。
目次
赤ちゃんのげっぷ【先輩ママパパの体験談】
まずは、赤ちゃんのげっぷについて、先輩ママパパの体験談をご紹介します。
『げっぷをうまく出せなくて泣き続けてしまった』
授乳のたびに「げっぷ」と格闘…。げっぷの体験談はあまたあります。時には、げっぷが出なくて、一晩中赤ちゃんが泣き続けてしまった!というエピソードまでありました。
『吐き戻してしまい大変だった』
「げっぷが上手く出せなくて、吐き戻しが大変だった」という声もたくさんあります。皆さん、げっぷと吐き戻しについて、試行錯誤しているのが伝わります。
『効果的な方法が分からなかった』
「げっぷを出してあげなきゃ!」とわかっていながらも、なかなかげっぷをうまく出せなくて困ったという経験談のある先輩ママパパもいました。
げっぷをさせるのはなぜ? でないとどうなる?
赤ちゃんにげっぷをさせる理由は、赤ちゃんの「おなかの空気だけを出してあげる」ため。
ミルクを吐き戻さないため
赤ちゃんの胃は未熟で大人のようにカーブしておらず、入り口もしっかりと閉じられていません。そのため、母乳やミルクが食道に逆流しやすい構造になっています。
また、授乳時に赤ちゃんはたくさんの空気を飲み込んでいます。空気でおなかいっぱいになると、空気と一緒に消化していない母乳やミルクを吐き戻してしまうのです。
げっぷが出せなくても問題はない
「赤ちゃんのげっぷ」は、出せなくても焦る必要はありません。げっぷの出やすさには個人差がありますし、おなかの空気はおならとして排出されることもあります。空気と一緒に多少のミルクや母乳を吐いてしまうのは赤ちゃんの生理現象と捉えて、おおらかに向き合いましょう。
ただし、吐いたものが喉や気管に詰まらないように、げっぷをしなかったときは顔と体を横向きにして寝かせてあげるなど工夫をするといいです。
赤ちゃんにげっぷをさせるタイミングはいつ?
赤ちゃんにげっぷをさせるタイミングは、「授乳の途中」「授乳後」とあります。
多くは「授乳後」5分を目安にげっぷをさせますが、吐き戻しの多い赤ちゃんは、空気を飲み込みやすい母乳やミルクの飲み方をしているかもしれません。その場合は、空気の飲み込みが少ないうちにげっぷをさせてあげれば、赤ちゃんも楽にげっぷができ吐き戻しも少なくなるでしょう。
赤ちゃんのげっぷの出し方・上手にだすコツ
このように、先輩ママパパの体験談や悩み事の多い「赤ちゃんのげっぷ」。げっぷの出し方と上手に出させるためのコツをご紹介します。
縦抱きにしてトントン
赤ちゃんを縦抱きにして、胸からおなかのあたりがママの肩に当たるくらいかつぎあげるようにして、背中をトントンします。
ママの肩でおなかが押されるため、ゲップが一番出やすい姿勢です。
ひざに座らせてントン
ママの片手で赤ちゃんの胸を支え、太ももの上に座らせます。赤ちゃんの上半身をやや前に傾け、背中を軽くトントンしてあげましょう。
ママと向かい合ってさする
赤ちゃんがママと向かい合うように、上体を起こした姿勢でママの太ももに座らせます。ママの片手で赤ちゃんの首から後頭部をしっかり支えて、もう一方の手で背中をやさしくさすります。
げっぷがでない…こんなときどうしたらいい?
赤ちゃんのげっぷは、出ないこともあります。ちょっと不安になりそうなこんな時、どうしたらいいでしょう?
赤ちゃんが苦しそうにしている
大きめの1回でゲップを出し切る赤ちゃんもいますが、赤ちゃんによっては1回出しても苦しそうにしているときもあります。そんなときは、背中を擦ったり優しくたたいたりして2回目のゲップを出させてあげましょう。
げっぷさせる前に寝てしまった
もしゲップをさせる前に寝てしまっても、起こしてまでゲップをさせる必要はありません。もし苦しそうなそぶりを見せたら、頭の下の枕を少し高めにしてあげましょう。そうすると空気が出やすくなります。
1日中ぐずって泣く、お腹が張っている
飲み込んだ空気は、げっぷとして排出されないと腸管に移動して拡張しお腹が張ってきます。内臓を圧迫したり、固定が悪いと胃が捻転して、さらにげっぷが出にくくなります。これを、「胃軸捻転症」と言います。
おなかが張りやすい赤ちゃんは、授乳を少量で回数を増やしたり、授乳直後にしばらく腹ばいにしたりするのも効果的です。
体重が増えていれば問題ありませんが、吐き戻す頻度が多かったり、一度に大量に吐いたりしてなかなか体重が増えないときは、小児科を受診しましょう。
赤ちゃんのげっぷはいつまでさせる必要がある?
個人差はありますが、生後3~4カ月頃になると、げっぷをさせようとしても何も出てこないことが増えてきます。
生後5〜6ヶ月、寝返りする頃を目安に
生後5~6カ月頃になって首がすわったり寝返りができるようになると、おなかの空気も自然と排出されるようになり、げっぷをさせなくてもよくなることが多いです。
赤ちゃんのげっぷを気にするのは、ほんのすこしの期間だけですね。
なかなか難しいげっぷ。今だけと思って向き合おう
小さなことのようで、奥の深い「赤ちゃんのげっぷ」。先輩ママパパの体験談や出し方のコツは、いかがでしたか?
まだ内臓が固定されておらず、げっぷが下手という赤ちゃん特有の状態に、親がしてあげられることはたくさんありそうです。何より、赤ちゃんのげっぷは、その時だけの可愛いものと思って向き合いたいですね。
記事監修
杉田 亮
兵庫県三田市「すぎたファミリークリニック」院長。小児科専門医。1979年生まれ、久留米大附設高出身。2006年、大阪大学医学部医学科卒。大学在学中に休学してニュージーランドへラグビー留学した異色の経歴を持つ。先天性心疾患や小児不整脈、小児心臓移植といった小児心臓血管外科医としてキャリアをスタート。周辺地域の小児夜間診療体制が十分とは言えず、クリニックとしては異例の夜間診療も行っている。
すぎたファミリークリニック
文・構成/HugKum編集部