母乳フリーザーパックを使用するメリット
母乳フリーザーパックを使用する最大のメリットは、「いつでもママの母乳を与えられる」ことです。家事や仕事で忙しいとき、多くのママは保育園や親族を頼ることになりますが、それだと母乳を与えることはとても難しくなります。授乳のたびに赤ちゃんに会いに行くのは現実的ではありません。安全性と手軽さを考えると、最終的には粉ミルクを使うことも検討しなければなりません。
しかし、母乳を冷凍保存しておけば長時間の保存が可能になります。保育園に預けるときも、フリーザーパックを一緒に渡しておけば、母乳を与えることができます。
また、正しい解凍の方法さえ分かっていれば、パパでも赤ちゃんに母乳があげられます。忙しかったり、疲れたりしているママの代わりにパパが母乳をあげることで、ママの負担を軽減できるでしょう。
他にも、母乳の出が悪い場合には、ストックを消費することで足りない母乳を補うこともでき、粉ミルクと同じように母乳が使えるというメリットもあります。
母乳フリーザーパックの選び方
単純に「母乳を入れて凍らせる」だけならどれも一緒と思うかもしれませんが、使いやすさや安全性(衛生面)など、商品によってそれぞれ特徴は違います。
容量
容量は、赤ちゃんの成長に合わせて選んでください。成長して飲むようになっても、同じサイズのままでは赤ちゃんがお腹を空かせてしまいます。だからと言って大きいサイズだと、今度は飲み切れず母乳を余らせてしまいもったいないです。
「大は小を兼ねる」とも言いますが、折角の母乳を無駄にしないためにも、赤ちゃんの成長に合わせて、適切なサイズを選ぶようにしてください。
枚数
枚数ができるだけ多い商品を選びましょう。ほぼ毎日使うものですので、枚数が少ないとすぐに無くなってしまいます。家事や赤ちゃんの世話で満足に買いものに行けないことも多いため、ある程度ストックを用意しておくと良いでしょう。
ただ、ママが直接授乳したり粉ミルクも併用したりなど、フリーザーパックを頻繁に使用しないのなら、枚数は少なくても問題はありません。母乳期間は短く、大量に買い込んでも無駄になってしまいます。必要に応じて購入したほうが経済的でもありますので、使う頻度に合わせて選びましょう。
衛生面
衛生面は最も重要な項目になります。滅菌加工されているのはもちろん、袋の内部に触らずとも母乳を入れられるタイプ、搾乳機を取り付けて直接入れられるタイプなど、雑菌が混入しにくい安全性を重視した商品を選んでください。
ただ、多くのメーカーが安全性を重視しており、ほとんどの商品で同様の安全処理がされています。有名で人気のあるブランドや商品なら、あまり神経質にならなくても問題はありません。
機能性
他に、商品ごとの特徴についても注目してください。中身がこぼれる心配が無いダブルジッパー式、パックを立てて母乳を入れやすくするマチ付き、入れる分量を調整できる目盛り付きなど、それぞれの商品に使いやすさや安全性を追求した機能が備わっています。いろいろ試してみて、使いやすいものを選んでください。
使い方の注意点
長く母乳を保存できるフリーザーパックですが、使い方を間違えると、雑菌が繁殖して使いものにならなくなってしまいます。折角搾乳した母乳が無駄にならないよう、正しく使うための注意点も説明します。
手をよく洗ってから使う
搾乳の前に手をしっかり洗ってください。洗わずそのまま搾乳をしてしまうと、母乳と一緒に手の雑菌も入ってしまいます。石鹸を使った手洗いで十分ではありますが、手首、手の甲、爪の間、指の間など洗い忘れや洗いにくい場所は、念入りにきれいにしましょう。
また、搾乳機も滅菌します。洗剤で洗うだけでも十分ではありますが、より安全性を求めるなら熱湯消毒がおすすめです。他にも、フリーザーパックの口や中を触らないようにしてください。うっかり触ると手に付いた雑菌も一緒に冷凍してしまい、母乳が不衛生なものになってしまいます。
潔癖にし過ぎない方が免疫力も育つと言われていますが、食中毒や下痢など何かあってからでは遅いです。余計なリスクを回避するためにも、徹底した衛生管理を心がけましょう。
保冷剤と一緒に持ち運ぶ
フリーザーパックを携帯する場合には、保冷剤と一緒に持ち運びましょう。自然解凍すると雑菌が繁殖してしまい母乳が使いものにならなくなってしまいます。
保冷剤で挟んだりタオルを巻いたりなど、すぐに使わない時は溶けないよう対策を取ってください。また、夏場だと対策をしていても、暑さですぐに溶けてしまいます。場合によってはクーラーボックスの利用も検討しましょう。
解凍は冷蔵か流水で行う
フリーザーパックの解凍は、冷蔵室に入れる、流水にさらすなどして、温度を上げすぎずゆっくり溶かしてください。電子レンジで急激に溶かしてしまうと、母乳の成分が壊れてしまい栄養や味が変わってしまいます。
また、常温による自然解凍もやめてください。常温のまま放置すると雑菌が繁殖してしまうため大変危険です。忙しいからと言って雑な解凍はせず、正しく解凍して使ってください。
母乳フリーザーパックの使用期限
母乳は冷凍することで長く保存ができますが、いつまでも冷凍しておけるわけではありません。では、いつまでなら保存しておけるのでしょうか。
保存期間は約3カ月
母乳は冷凍保存することで、最長6カ月まで保存することが可能です。とはいえ、赤ちゃんに与えるものを賞味期限ギリギリまで保存するのは、やはり不安があります。
保存方法によっては賞味期限が短くなる場合もあるため、冷凍してから約1カ月。遅くても約3カ月を目安に使い切りましょう。
また、いつ冷凍したか分かるように、フリーザーパックには必ず搾乳日を記入してください。そして、日付がよく見えるように冷凍庫に収納し、古い日付から使うようにします。
解凍後の賞味期限
母乳を解凍したら、約4時間以内を目安に赤ちゃんに与えてください。解凍したままの状態が続くと、急激に雑菌が繁殖し母乳が傷んでしまいます。また、約4時間はあくまでも常温(約25℃)での温度です。夏場だと痛むのも早くなりますので注意してください。
冷蔵庫(4℃以下)なら24時間は保存可能です。基本的には冷蔵庫でゆっくり解凍し、使う直前に温めると良いでしょう。
おすすめの母乳フリーザーパック4選
通販サイトでも購入できる、おすすめの母乳フリーザーパックを4つ紹介します。
母乳バッグ 50ml×50枚入 ・ カネソン
使いやすさを重視したフリーザーパックです。口の部分を触ることなくスムーズに開けられるよう「つまみ」が付いているほか、厚みのあるヘッダーによってきれいに口が開き、こぼすことなく母乳を入れられます。
また、解凍後の注ぎ口は斜めにカットされ、哺乳瓶にも注ぎやすくなっています。四隅が無く漏斗状にもなっており、一滴残らず注げる入れられるでしょう。容量も50ml~250mlまであり、赤ちゃんの成長に合わせて選べます。
ママの口コミ
「片手で袋の注ぎ口に触れることなく母乳を注げて、衛生的である。袋も密閉できて安心だった」(30代・埼玉県・子ども3人)
ピジョン 母乳フリーザーパック 80ml 20枚・ピジョン
口が大きく移し替えやすいフリーザーパックです。大きな口は搾乳した瓶からも注ぎやすく、あせってこぼす心配もありません。手で触れた部分を2重にカットすることもでき、口を開いたあと切り取れば、より清潔な状態で母乳をそそげるでしょう。
また、折り返し不要の構造をしたダブルチャックや、日時や搾乳量を記入できるラベル付きなど、メーカーのこだわりを追求したデザインになっています。容量は40ml、80ml、160mlがあります。
ママの口コミ
「ピジョンは有名なメーカーだから安心感があって選んだ」(30代・東京都・子ども1人)
母乳保存バッグ 180ml×25枚入 ・ メデラ
マチがついた自立式のフリーザーパックです。テーブルに自立させれば安定感が増し、始めて使う人でもこぼさず注げるでしょう。
サイズは180mlしかありませんが、代わりに目盛りが付いています。分量を確認しながら注げば、さまざまな月齢や体格の赤ちゃんに対応できます。
ママの口コミ
母乳ボトル 150ml×3本 ・メデラ Lansinoh
使いまわし可能なフリーザーボトルです。パックとは違い、洗うことで何度も使えます。電子レンジ使用もできるので、高温殺菌も簡単です。もちろん、そのまま冷凍庫に入れても問題ありません。
また、同メーカーの搾乳機を取り付ければ、直接母乳をボトルに入れられます。移し替える手間が無くなり、ママの負担も減らせるでしょう。
ママの口コミ
ママの負担を減らしながら母乳育児ができる
母乳フリーザーパックの登場によって、ママの負担を減らしながら母乳子育てができるようになりました。「自分の母乳で育てられる」ことから、母乳フリーザーパックを利用するママはたくさんいます。保育園や家族に赤ちゃんを預ける時など、利用してみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部