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いざというときに助かる!液体ミルクとは
液体ミルクの特徴は、すでに水に溶かされた状態で販売されているため、哺乳瓶に移し替えればそのまま⾚ちゃんに与えることができる点。さらに、常温での保存が可能で、温めずに飲ませてOKなので、外出時の持ち運び用や災害時の備えとしても重宝されています。
2019年、ついに国内販売開始! 今まで日本になかったのはなぜ?
1970年代にフィンランドにて初めて販売された液体ミルクは、以来、海外では広く普及し活用されてきました。しかし、日本国内での初めての販売は2019年3月。国内での販売が遅れてしまった理由は、「調整液状乳」という液体ミルクの規格が日本には存在していなかったこと。2018年8⽉に⾷品衛⽣法において乳児用液体ミルクに関する基準が定められ、晴れて国内にもようやく導入されました。
液体ミルクはどれくらい使われている?
ようやく国内でも入手できるようになった液体ミルクですが、実際にはどれくらいのご家庭が液体ミルクを使っているのでしょうか? 育児中のママパパにお聞きしました。
グラフで一目瞭然であるように、「そもそも知らない」というご回答がわずかなのにもかかわらず、「使ったことがある」ご家庭も少数。多くのご家庭からは「使ったことがない」との回答をいただきました。知名度はあっても、液体ミルクならではの用途や、活用に便利なタイミングなどはあまり知られていないのかもしれません。
液体ミルクの使い方・飲ませ方
そもそも液体ミルクってどうやって飲ませるの? と疑問に思うママパパもいるはず。ここで、液体ミルクのとってもかんたんな正しい使い方をご紹介します。
【1】液体ミルクと哺乳瓶を用意
まず用意するものは、液体ミルクと哺乳瓶。哺乳瓶や乳首は、通常の粉ミルクをつくるときと同様に消毒しておきましょう。
液体ミルクが缶入りの製品の場合は、缶の縁や口の部分が汚れていたり破損していたりしないか確認し、汚れは赤ちゃん用の清浄綿などで拭いて清潔にしましょう。
【2】液体ミルクを移し替える
- (缶の製品なら)よく振ってからフタを開け、哺乳瓶にミルクを移し替えましょう。
- (紙パックの製品なら)ストローを挿し込み、ストローから哺乳瓶にミルクを移し替えましょう。
【3】あとは赤ちゃんに飲ませてあげるだけ!
乳首をつければ、あとは赤ちゃんに飲ませてあげるだけ。
また、液体ミルクは常温で飲むことを想定した商品ですが、温めて飲むことも可能です。温める場合は、哺乳瓶に移し替えた状態で湯煎をしてください。
非常時や外出時にも◎液体ミルクのメリット
では、液体ミルクにはどのようなメリットがあるのでしょうか? 液体ミルクならではのうれしいポイントや、便利な活用のタイミングなどをアンケートに寄せられた回答からまとめてみました。
液体ミルクの賞味期限は6ヶ月~1年!
現状では液体ミルクには、主に紙パックと缶の2種類の製品があります。それぞれの賞味期限は、紙パックの製品が6ヶ月間、缶の製品が1年と設定されています。どちらも常温での保存が可能です。
手軽に飲ませられて時短になる
すでに調理された状態のミルクなので、お湯を沸かして粉ミルクを溶かして…といったふだんの手間が不要。忙しいときでも、手軽に飲ませることができるので時短にもなります。
「作るのに時間がかからない!お湯沸かしてーとか」(40代・大阪府・子ども3人)
非常時、災害時に便利
調理済みであることや、常温での長期保存が可能なこと、さらに、常温で飲ませてもOKであることなどからも、液体ミルクは非常時・災害時用に便利。災害時用備蓄に液体ミルクを導入しはじめた自治体も多いようです。
「常温保存ができて、すぐ飲ませられること。 災害用などとして備蓄できるところ」(30代・千葉県・子ども2人)
外出時に便利
哺乳瓶に入れるだけですぐに飲ませてあげられる液体ミルクは、ちょっとしたおでかけ時にも大活躍。最近では紙パックに直接装着できる乳首や、乳首と缶とを繋げるアタッチメントなども開発されており、今後はさらに気軽にミルクを持ち運べるようになりそうです。
「外出先で、お湯を持ち運ぶ必要がない」(30代・埼玉県・子ども2人)
ちょっと高め? 液体ミルクのデメリット
とっても便利な液体ミルクですが、実際に使ってみると、ところどころ使いづらいと感じる面もあるようです。どのようなデメリットがあるのか、アンケートに寄せられたママパパたちの回答をまとめてみました。
温めないと飲まない子もいる
液体ミルクが「常温で飲ませてもOK」な一方で、赤ちゃんの中には、温かいミルクじゃないと飲まないという子も。液体ミルクは温めることも可能ですが、湯煎ができない外出先だと困ったことになってしまいます。
コストがかかる
製品の種類や一回の消費量によっても異なりますが、液体ミルクは粉ミルクに比べて約4倍程度コストがかかってしまうという声も。そのため、通常は粉ミルク、おでかけ用や備蓄用は液体ミルク、とシーンによって使い分けているご家庭が多いようです。
「少し値段が高いと思う」(30代・兵庫県・子ども2人)
飲み切りで量の調整ができない
液体ミルクは一回分飲みきりの商品なので、量の調節や残した分の再利用ができません。また、商品のバリエーションがまだ限られていることも相まって、赤ちゃんによっては少なすぎたり多すぎたり、使い勝手に不便を感じることも。
「量の調整が難しいこと。120mlと240mlのものが売られているがどちらの量も一気に使うには中途半端な量だが、保存がきかないので使い勝手が悪い」(30代・神奈川県・子ども1人)
保管場所をとる
保管がかさばる点も液体ミルクのデメリットとして挙げられています。おでかけ用に持ち運ぶ際も、哺乳瓶や乳首のセットとともに一回分ずつ小分けにされている紙パックや缶をいくつもカバンにいれるとなると、そこそこのスペースが必要に。
「場所を取り、持ち運びに重い」(30代・山口県・子ども2人)
ママパパが実際に使ってみた液体ミルク2選! その感想は?
では、液体ミルクには具体的にどのような商品があるのでしょうか。実際に液体ミルクを使っているママやパパから寄せられた口コミを、商品別にご紹介します。
明治 ほほえみ らくらくミルク
90年以上にわたって、粉ミルクの研究開発に取り組む「明治ほほえみ」の液体ミルク版「明治 ほほえみ らくらくミルク」。衝撃に強くつぶれにくいスチール缶を容器として採用しているので、持ち運びや長期の保管にも安心の商品です。
常温でも問題なく飲んでくれた
温めて飲むことも可能な商品ですが、常温でも問題なく飲んでくれたという声が寄せられました。赤ちゃんによって好みはありますが、温める手間が省ければどこでも素早く飲ませてあげられますね。
「外出先にお湯がなくても、哺乳瓶に移してすぐ飲ませてあげれるので便利」(20代・広島県・子ども2人)
「量が多い」という意見も
「明治 ほほえみ らくらくミルク」の容量はたっぷり入って240ml。1回分の使い切りなので、赤ちゃんの月齢によっては量が多くて飲みきれず、無駄にしてしまうこともあるようです。
グリコ アイクレオ 赤ちゃんミルク
日本ではじめて製品化された液体ミルクの「アイクレオ 赤ちゃんミルク」。母乳を目指して、成分ひとつひとつと原料にこだわったミルクです。容器には軽くて捨てやすい紙パックを採用しているので、ちょっとしたお出かけ時の持ち運び用にぴったり。
コンパクトな紙パックなので使いやすい!
ママやパパからも紙パックの捨てやすさが大好評。飲み終わったあとに捨てる場所に困っても、小さくたたむことができるので荷物になりません。
少量で使いやすいが量が足りなくなるとの声も
「アイクレオ 赤ちゃんミルク」の容量は1本125ml。生まれたばかりの赤ちゃんには十分な量ですが、大きくなるうちに1本では足りなくなるという声も。
公式サイトはこちら>> https://www.icreo.jp/products/akachan-milk/
液体ミルクは母乳や粉ミルクと上手に組み合わせて
ここまで、液体ミルクについてご紹介してきましたがいかがでしたか? 液体ミルクは緊急時の備蓄としてはもちろん、日常でも、母乳や粉ミルクと組み合わせて使えばとっても便利なアイテムです。上手に使い分けて、準備が大変な外出先や夜間帯の授乳をもっとスムーズ&快適に!
構成・文/羽吹理美