目次
ラベンダーの育て方をチェック!
ラベンダーは風に揺れると、心地よい香りが立ち込めます。ラベンダーの育て方を見てみましょう。
ラベンダーとは
ラベンダーはシソ科、ラベンダー属に分類される多年草(1年で枯れることなく、数年にわたって花を咲かせる植物のこと)です。その香りから「ハーブの女王」「香りの女王」などと呼ばれ、香水や芳香剤などの香料によく使われています。
特徴
ラベンダーの特徴は、小さな紫色の花が茎の先に集まって咲くこと。やさしい香りも魅力です。
ラベンダーと聞くと、北海道富良野のラベンダー畑を思い浮かべる人も多いと思います。そのことからもわかるとおり、ラベンダーは涼しい環境を好みます。
開花時期
ラベンダーの開花時期は、4〜7月。四季咲き性(1年に何度も花が咲く性質のこと)の種類もあります。
基本情報
原産地:地中海沿岸
形態:低木
樹高:20〜130cmほど
花色:紫、白、ピンク
ラベンダーの種類と見分け方
ラベンダーはおもに5つの種類(系統)に分かれており、それぞれ特徴があります。系統ごとの特徴と見分け方を紹介します。
アングスティフォリア系
アングスティフォリア系は「イングリッシュラベンダー」や「トゥルーラベンダー」の系統です。香りが強く、香料の原料としてよく使われています。
見分け方
・香りが強い
・葉の幅が細い
・花は小さな粒が集まっている
ラバンディン系
「グロッソ」や「スーパーセビリアンブルー」などは、ラバンディン系です。
アングスティフォリア系と暑さに強いスパイクラベンダーを交配して作られた系統で、育てやすいのが特徴。また、全体的に大きくなる傾向があり、迫力満点です。
見分け方
・香りにミントが混ざったようなさわやかさがある
・茎が太い
・花穂が大きい
ストエカス系
「キューレッド」「アボンビュー」「エンジェル」などの品種はストエカス系です。
ストエカス系の特徴は、蕾(つぼみ)を包むように葉が変化していること。苞葉(ほうよう)といいます。ほかのラベンダーに比べて、見分けやすいといえるでしょう。
見分け方
・花の部分にうさぎの耳のような苞葉がある
・香りは薄く、甘みがある
プテロストエカス系
「ビナータ」や「ブライダルレース」などの品種はプテロストエカス系です。「レースラベンダー」とも呼ばれているように、レース状の葉が特徴です。
見分け方
・葉に切れ込みがあり、レース状をしている
・香りがやや独特
デンタータ系
「デンタータラベンダー」「リンダ・リゴン」「スーパーサファイアブルー」などがデンタータ系です。年に2回花が楽しめる四季性で、ギザギザとしたシルバーリーフが特徴です。
見分け方
・葉は細かい産毛に覆われ、ギザギザとした切れ込みがある
・花穂の先にフリンジのような苞葉がある
ラベンダーの育て方│初心者向けの準備
ラベンダーを育てる前に、育てる時期や場所などをチェックしておきましょう。
育てる時期
ラベンダーの苗を植え付ける時期として適しているのは、3月下旬〜4月上旬、もしくは10月上旬〜中旬です。また、種まきをするなら、3〜4月、もしくは9〜10月の気温が20℃になるころがよいでしょう。
育てる場所や置き場所、温度
ラベンダーは、日当たり、風通しともに良いところで育てます。ほとんどの種類が夏の高温多湿に弱いので、その時期には直射日光が当たらない、涼しい場所に移動させるとよいでしょう。
種類
初心者にとって育てやすいのはラバンディン系とデンタータ系です。どちらも比較的暑さにも強い特性があり、デンタータ系なら関東地方で地植えもできます。
種と苗
育てやすいのは苗です。種から育てることもできますが、初心者には難しいでしょう。
鉢とプランター
鉢やプランターは、どちらでもかまいません。基本的に5~6号の大きさのものを選ぶとよいでしょう。
ラベンダーの育て方│初心者向けのアイテム・道具
ラベンダーを育てるときには、以下の道具を用意しましょう。
・ラベンダーの苗
・鉢またはプランター
・ハーブ用の培養土
・鉢底石
・鉢底ネット
・スコップ
・ジョウロ
ラベンダーの育て方│初心者向けの手順
ラベンダーを育てる手順を説明します。
植え付け
植え付けは、3月下旬〜4月上旬、もしくは10月上旬〜中旬に行います。植え付けの手順は、次のとおりです。
【1】鉢に鉢底ネット、鉢底石の順に入れる。
【2】鉢に土を1/3ほど入れる。
【3】苗をポットから取り出し、鉢の中心に置いて周りに土を入れる。
【4】鉢の縁から4cm程度下まで土を入れる。
【5】たっぷりと水やりをする。
【6】日当たり、風通しのよい場所に置く。
水やり
水やりのタイミングは、基本的に土が乾燥したら。鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷり与えます。このとき、ラベンダーに水がかからないよう、土に水をかけるようにしてください。
肥料
3〜7月まで、月に1回のペースで肥料を与えます。固形の緩行性化成肥料の場合は、根元を囲むように置きます。液体タイプの肥料なら、10日に1回、水やりの代わりに与えるようにするとよいでしょう。
剪定
風通しや、見た目をよくするために、剪定を行います。剪定に適した時期は、3月、5月下旬〜7月上旬、9月、12月です。
収穫
収穫は5月下旬〜7月上旬の間に行います。根元から5cm上あたりの茎を切るようにしてください。収穫することで、混み合った株の風通しをよくすることもできます。
ラベンダーの育て方│中級~上級者向けの手順
ラベンダーの挿し木や植え替え、寄せ植えなどの時期と方法を紹介します。
増やし方(挿し木)
ラベンダーは挿し木で増やすことができます。挿し木に適しているのは4〜6月、または9月です。手順は次のとおり。
【1】5〜6cmほどラベンダーの茎を切り取る。
【2】1時間ほど茎の切り口を水に浸す。
【3】切り口に発根促進剤を塗る。
【4】ポットに鉢底ネット、鉢底石、無菌の土を順に入れ、中心に穴をあけ、茎を挿し込む。
【5】たっぷり水やりをする。
【6】直射日光の当たらない、明るい日陰の場所に置く。
【7】3週間経過し、根が生えたら植え替える。
植え替え
ラベンダーを育てて1〜3年ほど経過し、根が回っているようなら、植え替えをしましょう。植え替えは、3〜5月、9〜11月に行います。
【1】水やりを控え、鉢の土を乾燥させておく。
【2】新たな鉢に鉢底ネット、鉢底石の順に入れる。
【3】鉢に土を1/3ほど入れる。
【4】鉢をひっくり返してラベンダーを取り出し、根についた土を落とす。
【5】根の黒ずんだ部分をハサミで切る。
【6】ラベンダー新たな鉢に植え、土を入れる。
【7】たっぷりと水やりをする。
寄せ植え
ラベンダーは寄せ植えでも楽しむことができます。ただし、根詰まりを起こしやすいので、いつかは枯れてしまうことを念頭において育てましょう。
寄せ植えに適した時期は3~5月です。手順は、次のとおりです。
【1】鉢に鉢底ネット、鉢底石の順に入れる。
【2】苗の配置を決め、苗を置いてまわりに土を入れる。
【3】たっぷりと水やりをする。
ラベンダーの育て方の注意点
ラベンダーを育てるときに注意したいポイントは次のとおりです。
病気・害虫
ラベンダーは病害虫の被害はほとんどありません。あるとすれば、4〜5月にアブラムシやハダニがつくことくらいでしょう。これらの虫がついていたら、殺虫剤で駆除します。
夏越し・冬越し
ラベンダーは暑さに弱く、寒さに強い植物です。夏は、風通しのよい、半日陰に置いて育てるようにしてください。冬は、日当たりの良い場所で管理します。外で育てる場合は、雪に注意してください。ラベンダーに雪が積もると、その重さで茎が折れることがあります。
枯れる
ラベンダーが枯れる原因のほとんどが根腐れです。根腐れは、土の中で生長した根が増えることで、水はけが悪くなって根が腐ってしまいます。対策としては、密集した茎や葉を剪定し、水やりのやり方を見直しましょう。
また、土との相性も重要です。相性が悪いと枯れてしまいます。ラベンダーを育てるときにはアルカリ性の土を使うようにしてください。
ラベンダーを育てよう!
ラベンダーは花が咲くと、よい香りが楽しめ、収穫すればドライフラワーにして飾ることもできます。親子でラベンダーを育ててみませんか。
文・構成/HugKum編集部