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ベテラン先生と先輩ママに聞いた生活習慣8つ
これから始まる学校生活は子どもにとって、初めてずくめの毎日。
“小学校は楽しいところ”、そんなふうに自然と実感できるためのカギとなってくるのが生活習慣です。
入学までにぜひ身につけておきたい8つの基本を、親子で今一度確認しましょう。
1. 夜は9時までに寝て、朝は6時頃に起きる
夜は遅くとも9時までに就寝、朝は 6時頃に起床、毎朝同じ時刻に支度する習慣を定着させましょう。特に朝は、「朝食→排便」というサイクルが整うとよく、家を出る時間から逆算して1時間半前までには起きたいところ。登校の用意にも余裕をもてば、学校に着いてからの学習準備も万全になり、授業にも前向きに取り組めます。よい生活のリズムを習慣づけることは、子ども時代だけでなく、一生大切なことでもあります。
「就寝・起床について」 〜先輩ママから 〜
夕食は18時頃にいただき、お風呂。20時半には寝るようにしています。もし眠れなくても本を読んだり、 お話をして早く寝る準備に入ります。その時間に寝始められると自然と、翌朝6時半には目を覚まします。
塩畑彩さん(41歳・小6、小2のママ)
毎日ほぼ同じ時間に寝起きをさせたいので、習い事で遅くなる日は、帰宅後すぐに夕食をとれるように時間の調整を心がけています。
淡河千陽子さん(43歳・小6、小2のママ)
リビングの明かりを早く消すために観たいテレビ番組は録画をし、お休みの日の昼間にまとめて 観賞するようにしています。
田中仁美さん(38歳・小2、4歳のママ)
2. 時計を見て行動!
幼稚園や保育園と、小学校との大きな違いは、すべて時間に従って生活するということ。例えば、休み時間が過ぎても、先生は迎えにきてはくれません。時計の読み方を授業で習うのは少し先ですが、自分で時計を見て行動できるようにしておきたいもの。自立心も、ともに育っていくはずです。
「時計をみて行動」〜 先輩ママから 〜
子ども部屋だけでなくリビングもアナログ時計を使っていました。そして、「今何時?」「何時になったら、○○しよう!」など、時間を意識した会話、やりとりを親子間で できるように心がけていました。
冨所類さん(36歳・小6、小3のママ)
3. 洋服の着替えがひとりでできる
学校では、毎週の体育の授業に加え、年に数回の発育測定などもあり、服の脱ぎ着をする機会は意外に多いものです。そんなときにひとりだけ時間がかかると、焦ってしまうはずです。そこでお風呂に入るときや、起床時など、自分で服を脱ぎ、脱いだ服は自分でたたむことを練習させましょう。
「服の脱ぎ着」〜 先輩ママから 〜
洋服は前日に用意しておき、朝ごはんの前に着替えるようにしています。するとごはんを食べたいという気持ちが先立ち、早く着替えられるように思います。
坂本陽子さん(45歳・小2のママ)
服を買うときは本人も一緒に行き、組みわ合せなどを相談しながらできるだけ自分で選ばせるようにしています。“自分で着てみたい”と思うようで、すすんで着替えをするようになりました。
塚越弓子さん(42歳・小3のママ)
学校は制服なのですが、帰宅後、私服に着替えるときに、必ず決めた場所&ハンガーに脱いだ服をかける ようしています。下着や靴下も子ども専用ロッカーのカゴに入れておき、自分でカゴからとって着ています。
新井弥生さん(42歳・小2のママ)
4. 毎日朝ごはんをきちんと食べる
朝食は、午前中の脳と体のエネルギーとなり、その日1日を元気に活動するためになくてはならないもの。 国語、算数などの大事な授業もほぼ午前中です。しっかりした学力を身につけるためにも、朝食は大切です。 朝食を食べる子どもは、食べていない子どもと比べて、学力、集中力、体力があるというデータも出ているようです。
「朝ごはん」〜 先輩ママから 〜
定番はパン・千切りキャベツ・フルーツ・ヨーグルトですが、いつも一緒では飽きてしまうので、ときどきチョコシリアルや甘めのパンなど、子どもの好きなものも出すようにしています。また家族そろって 食べることで、朝食の大切さや会話を楽しめるようにしています。
小野麻衣香さん(30歳・小2のママ)
ご飯ならおにぎりにする、パンやお餅なら小さめにカットするなど、子どもがすぐに朝食に向かえるように用意しています。
山田理映子さん(43歳・小2、小1のママ)
共働きで朝は忙しいので、簡単にパンが多いのですが、ホームベーカリーで夜のうちにセットしておき、焼きたてをいただきます。パンの焼ける匂いで目覚めるので、冷めないうちにパッと食べてくれます。
田中仁美さん(38歳・小2、4歳のママ)
5. あいさつがしっかりとできる
あいさつは、人と人とを結ぶコミュニケーションの基本。友だちと仲良くなるために、先生など周りの大人と接していくためにも、気持ちいいあいさつができるかどうかは大切です。「おはようございます」「ありがとうございます」「失礼します」「すみません」「さようなら」の5つの頭文字をとった“オアシスさ”を日頃から家族みんなで意識して、あいさつし合いましょう。
「あいさつ」〜 先輩ママから 〜
ご近所の方やボランティアの方、先生に、自分から「おはようございます」など、大きな声で目を見て あいさつするように親子で決めていました。
南條由美さん(32歳・小2、5歳、3歳のママ)
小さい頃からあいさつをするように伝えてきましたが、まだなかなかできていないようです。自分からあいさつをして、相手にあいさつをしてもらって、「気持ちいいな、うれしいな」という思いが生まれることで、少しずつできるようになっていけばと思います!
山田理映子さん(43歳・小2、小1のママ)
6. 親も積極的に学校へ行くことで 子どもの生活も変わる
行事以外でも、親が積極的に学校へ足を運んだり、参加したりすることは大事です。普段の学校の様子が見られることはもちろん、「○○くん(ちゃん)のお母さん」と子どもたちから声をかけられたり、保護者同士での会話と輪がどんどん広がったりします。低学年のうちは、親が学校へ来てくれることを喜び、それは“安心”へもつながっていきます。
「親も学校へ行く」〜 先輩ママから 〜
参観日や学校行事には必ず参加しています。 教室や廊下にある掲示物を見て、クラスの雰囲気や子どもの様子を知ることも欠かせません。そしてクラスメイトの保護者とお話をするようにしています。
新井弥生さん(42歳・小2のママ)
昨年はPTA役員を していたこともあり、学校へ行く機会が多かったです。行ったときは休み時間などにクラスをのぞいて、子どものお友だちとよくお話ししました。担任の先生とは、おもに連絡帳を通じて質問などをしていました。
塩畑彩さん(41歳・小6、小2のママ)
7. 確認・声かけで登下校を安全に
楽しい学校生活は、安全な登下校から。入学前に親子で通学路を歩き、横断歩道の場所、信号、車やバイクの往来などをチェックしましょう。意識して歩くと、普段気づかなかったことも見えてきます。交通ルールを学ぶだけでなく、地域の方々と交流し、顔を知ってもらうのも安全の確保になります。
「通学路の確認」〜 先輩ママから 〜
学校で配られた、“イカのおすし(いかない、のらない、おおごえでさけぶ、すぐにげる、しらせる)”の下敷きを目につくところに置き、本人に意識させました。そして寄り道はしない、通学路以外を通らないことも約束しています。
小野麻衣香さん(30歳・小2のママ)
登下校時には、自転車に気をつける。横断歩道では、必ず車に気をつけて手を上げて渡るよう指導しています。
田中仁美さん(38歳・小2、4歳のママ)
知らない人についていかないのはもちろん、困ったら近くのお店に入って助けてもらうことを伝えておきました。そのためには登下校時に開いているお店を知っておく、近所の方との交流も必要など、慣れた環境にしておくことが大事でした。
丸山江美さん(45歳・小6、小2のママ)
8. おうちの手伝いがちゃんとできる
幼稚園や保育園の集団生活と違い、小学校に入るとひとりひとりがいろいろな役割を分担してやっていくようになります。例えば日直、給食の当番、教室の掃除など、さまざまです。 そこで子どもがクラスの一員として行動できるように、まず家庭内で手伝いをしてもらうことが有効です。最初は「○○を手伝って」と、親のほうから働きかけてあげることでよりスムーズになります。
「手伝い」〜 先輩ママから 〜
毎食後、台所に食器を運ぶお手伝いを続けてくれています。「2年生になったら、お風呂掃除の手伝いをしようね」と、役割を増やす、お兄さん扱いしていくことも大切だと実感しています。
淡河千陽子さん(43歳・小6、小2のママ)
お手伝いは私が大変そうだと察知したときで機嫌が良いときに率先してやってくれます。また「○○手伝ってくれる?」と親からもお願いごとをするようにし、最後は必ず「助かったありがとう!」と声をかけています。
塚越弓子さん(42歳・小3のママ)
お子さんの学年は2018年4月のものです。
お話を伺ったのは
深浦 喜久雄先生
教育委員会に長年勤務し、千葉市立小学校などの校長を歴任。会長を務める「楽しい学級・学校づくり研究会」には、多くの現場経験豊富な教員が所属し、楽しく魅力的な学級や学校をめざして活動している。さまざまな教育雑誌に執筆・寄稿。
出典/『小学一年生』別冊HugKum イラスト/仲島綾乃 構成/前田亜希子(comete)