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19週(5か月)と赤ちゃんとママの様子は?
妊娠19週(5か月)というと、マタニティライフの折り返しの時期で妊娠中期にあたります。赤ちゃんの臓器がどんどん作られ、活発に動くようになり、早いと胎動を感じ始めるのもこの頃です。
妊娠16~19週頃の赤ちゃんとママの様子について、みていきましょう。
妊娠19週(5か月)の赤ちゃんの状態
妊娠5か月の最後の週にあたる妊娠19週頃になると、赤ちゃんはとても活発に動くようになり、早い人なら胎動を感じることもあります。
また赤ちゃんの生殖器が形成され、性別がわかるようになってくるのもこの頃です。妊娠19週あたりの赤ちゃんの大きさは、身長が約25cm、体重は250gくらい。少し大きめのオレンジほどのサイズになります。
妊娠16週:脳が発達してくる
妊娠16週頃には、赤ちゃんの脳が発達していきます。とくに運動機能に関連する前頭葉という部分が発達していくため、赤ちゃんがより活発に動くようになっていきます。
また、赤ちゃんは羊水を飲んで、おしっことして排出しています。そんな羊水を飲み込む様子を超音波エコー検査で観察することもできるようになります。
妊娠17週:骨格ができてくる
妊娠17週頃になると骨格がしっかりとしてくるので、超音波エコー検査で赤ちゃんの骨が白く見えるようになってきます。
さらに皮膚に厚みがでてきて、全身にうぶ毛が生えてくるようになってきます。指紋のもとになる皮膚の隆起が作られるのも、この頃です。
妊娠18週:髪の毛が生えてくる
うぶ毛が生えてくるようになると、やがて髪の毛も生え始めます。これが妊娠18週の頃。うぶ毛は赤ちゃんの体を羊水の刺激から守る大切な役割を担っています。
妊娠19週:生殖器ができる
妊娠19週になると、うぶ毛、まゆ毛、まつ毛が生えていきます。内臓では腎臓や膀胱がほとんど完成。
さらに女の子なら、膣や子宮などが形成され、男の子なら精巣が形成され、生殖器官がだんだん完成していきます。そのため、エコー検査で赤ちゃんの性別がわかるようになるのが、ちょうどこの頃です。
妊娠19週(5か月)のママの状態
妊娠19週(5か月)頃のママの体は、どんな変化を見せているでしょうか?
子宮の大きさは大人の頭ぐらい
恥骨から子宮底までの子宮のサイズは、大人の頭ぐらいの大きさになり、お腹がふっくらと人目にもわかるようになってきます。
妊娠19週前後の子宮の大きさは約15〜17cm。これから妊娠後期になると、週に1cm程度の早さでさらに子宮が大きくなっていきます。
胸が張る
妊娠19週(5か月)頃はママの乳腺が発達していきます。そのため胸の張りを強く感じやすくなる方もいます。胸をブラジャーできつく押さえつけるようにすると、乳腺の発達を妨げることになります。
また胸から黄色い乳汁が出ることがあるので、母乳パッドなどを使うといいでしょう。ちなみに、この黄色い乳汁は母乳ではなく、乳腺からあふれでた液体です。さらに乳頭の色が濃くなるといった変化も起きます。
背中の痛みを感じる
妊娠中期のママが感じるのが、背中の痛みです。これは子宮が大きくなって重心が変化していることが原因かもしれません。またホルモンバランスの変化による影響も考えられます。
背中の筋肉をのばすなどストレッチを心がけるといいでしょう。
妊娠線ができ始めることも
妊娠線とは、妊娠で大きくなったお腹の皮膚にひび割れたようなラインができてしまうこと。お腹が大きくなってくる妊娠19週(5か月)頃は、この妊娠線ができ始める方もいます。
オイルやクリームなどをお腹にぬって乾燥を防ぎ、妊娠線ができないように予防するといいでしょう。
息切れ・疲れやすさを感じる
大きくなった子宮によって肺が圧迫されるため、ちょっとしたことでも息切れしたりすぐに疲れやすさを感じたりします。
また赤ちゃんに栄養や酸素を届けるため、妊娠中のママの体内では血液量が増えています。血液の液体部分は増加しますが血球はそれほど増えないため、血液が薄まった状態となります。そのため貧血になりやすく、めまいやふらつきなどに悩まされる方もいます。疲れを感じたときは横になって、体を休めるようにするといいでしょう。
妊娠19週(5か月)のママが赤ちゃんのためにできること
妊娠19週(5か月)のママが、赤ちゃんのためにやった方がいいことはあるでしょうか?
しっかり睡眠をとる
お腹が大きくなるにつれ、ぐっすりと快適に眠ることが難しくなってきます。仰向けになると背骨や背中の筋肉に負担がかかるし、血管が圧迫されて仰臥位低血圧症候群となることもあります。
おすすめなのは、足の間にクッションを挟んで横向きになる体勢。できるだけ仰向けではなく横向きになって、しっかり十分な睡眠をとれるようにしましょう。
適度に運動する
体調がいいときは、適度な運動をすることが、ママにとっても赤ちゃんにとってもいいもの。
出産には体力が必要ですし、運動すればママの気持ちがリフレッシュされてストレスを発散できます。ウォーキングやヨガ、水泳など、ハードではない運動を心がけて。
赤ちゃんに話しかける
赤ちゃんは妊娠4か月頃から周囲の音を感じられるようになってきます。だから、ぜひ積極的に赤ちゃんに話しかけてみましょう。いつもママの声を聞いているとママの声を記憶していくと言われています。ママだけでなくパパもどんどん赤ちゃんに話しかけるのがおすすめです。
また胎動を感じるようになったら、胎動に合わせて話しかけるのもいいでしょう。そんな赤ちゃんとのコミュニケーションをぜひ楽しみましょう。
妊娠19週(5か月)のママが気を付けるべきこと
最後に妊娠19週(5か月)のママが気を付けたいことをまとめてご紹介します。
貧血予防
妊娠中は赤ちゃんにたくさんの酸素と栄養を送るため、体内の血液量が増加します。しかし赤血球の量は急激には増えないため、妊娠中のママは貧血になりやすくなるのです。
ママにめまいや立ちくらみなどが頻繁に起きていたら疲れてしまいますので、ぜひ貧血予防のため鉄分を積極的に摂りましょう。ほうれん草、アサリ、豚・鳥のレバーなどに鉄分が多く含まれていますが、サプリメントも利用して補うといいでしょう。
レバーはビタミンAが豊富ですが、毎日たくさん食べなければビタミンAの取り過ぎにはなりません。適度に取り入れられるといいですね。
歯周病
妊娠中はホルモンバランスの大きな変化によって、歯周病となる原因菌が増殖しやすくなります。そのため歯ぐきから出血したり炎症が起きたりしやすくなるもの。
つわりが落ち着いてきたら歯科健診を受けておくことをおすすめします。
シミができやすい
妊娠中はシミもできやすくなります。このときにできたシミは出産後に自然に消えていくことが多いのですが、日焼けによってシミの色素が濃く沈着していくことも考えられます。
外出したり紫外線にあたったりするときは、日焼け止めを使って予防するといいでしょう。
マタニティウェアを準備する
お腹がふくらんでくる頃なので、マタニティウェアの準備を始めてもいいでしょう。マタニティ専用の洋服ではなくても、お腹まわりを締め付けないゆったりとした洋服を選ぶようにするといいです。
赤ちゃんとコミュニケーションしながらマタニティライフを楽しもう
妊娠19週(5か月)頃になると、つらかったつわりが落ち着いて、早い人では赤ちゃんの胎動を感じたりお腹がふくらんできたりして、赤ちゃんがいることを実感できる頃ではないでしょうか。赤ちゃんにたくさん話しかけてコミュニケーションを楽しみながら、ぜひマタニティライフを楽しんでくださいね。
参考文献:病気がみえる vol.10: 産科(医療情報科学研究所)
参考サイト:胎児の成長過程(クリフム出生前診断クリニック)
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記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部