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2歳児が夜泣きで泣き叫ぶ…とても心配です
2歳児の夜泣きは激しく泣くため、「なにか身体に問題でもあるのでは?」と心配するママ・パパも多いことでしょう。これから、2歳児の夜泣きの特徴や、考えられる原因について解説していきます。
2歳児の夜泣きの特徴
2歳児の夜泣きには特徴があります。たとえば、癇癪を起こしたように激しく泣いたり、足をバタバタして暴れながら泣いたり、「ママ」「パパ」と呼びながら泣いたりなどです。
とくにかく激しく泣くのが特徴といえます。
2歳児の夜泣きの原因
2歳児の夜泣きには、どのような原因があるのでしょうか。見ていきましょう。
睡眠サイクルの崩れ
2歳児の夜泣きの原因のひとつに、睡眠サイクルの崩れがあります。
これは、なにかのふしに夜中に目が覚め、夜か昼かわからなくなって混乱して泣き、そのため「熟睡できない」「眠りが浅くなる」のが原因です。このような眠りが続くと、睡眠サイクルが崩れてしまい、さらに夜泣きにつながることがあります。
睡眠中に負の感情の整理ができない
人間は睡眠中に、起きていたときのできごとや経験、感情を整理すると考えられています。
これらのできごとや経験、感情のなかには、恐怖、不安などの負の感情もあり、それが整理しきれないことが影響して夜泣きにつながっている場合があります。
断乳、卒乳でおっぱいが欲しい
断乳、卒乳を始めると、夜中におっぱいが欲しくなることが原因で泣いてしまうことがあります。
体調不良の前兆
体調の不良による夜泣きかもしれません。2歳では、まだ言語で「痛い」「気持ち悪い」などを具体的に話せません。そのため、頭痛や喉の不調、発熱、嘔吐などの前兆を泣いて訴えている可能性もあるのです。
愛情遮断症候群
愛情遮断症候群とは、長期的な愛情不足により、子どもが精神的に不安定になる状態のことをいいます。その結果、夜泣きが起こることもあるといわれています。
2歳児の夜泣きと夜驚症との違い
2歳児の夜泣きと間違えやすいのが「夜驚症(やきょうしょう)」です。ここでは、夜驚症とはなにか、2歳児の夜泣きとの違いを解説します。
夜驚症とは
夜驚症とは、睡眠中に突然起き上がり、恐怖や興奮した顔で泣いたり、叫んだりする睡眠障害のことをいいます。
入眠後1〜2時間以内に起こりやすく、泣き続ける時間は1〜10分程度なのが特徴です。
この病気は子どもに多く、泣き叫ぶ部分が夜泣きと共通しているため、間違えやすいようです。
夜泣きと夜驚症の違い
夜泣きと夜驚症には、泣き出すタイミングに違いがあります。
夜泣きは浅い睡眠の途中で泣き出すのに対し、夜驚症は深い睡眠の途中で症状が出るといわれています。
夜驚症の原因
夜驚症の原因は、脳が睡眠と覚醒のバランスをうまく取れないことによります。これは、子どもの脳の機能が発達段階であるためだと考えられています。
また、日常での強い興奮、不安、恐怖などの体験がきっかけで、夜驚症を引き起こすことがあります。
2歳児の夜泣きの対処法
2歳児の夜泣きは、ママ・パパを悩ませるもの。夜泣きがおきたら次の対処法を試してみてください。
起こして眠りをリセット
多くの場合、夜泣きしているときは寝ぼけた状態です。そのため、なかなか泣き止みません。
一度起こしてから気持ちを切り替えさせて、再度眠らせるようにしてみましょう。
部屋を明るくする
夜泣きの原因のひとつに、夢と現実で混乱していることがあります。
混乱を解消するには、部屋を明るくして起こしてみましょう。目が覚めると、今の状態が現実であることがわかり、落ち着くこともあります。
落ち着かせる
落ち着かせると、気持ちが安定し夜泣きが治ることがあります。
「子どもに気持ちをたずねる」「思いを受け止める」「背中をやさしくさすってあげる」「落ち着いたら抱っこしてあげる」などをすると、気持ちが安らぐようです。
睡眠環境を整える
子どもが寝ているときに不快に感じるものやことは避けるようにします。たとえば、
・部屋は明るすぎないようにする
・音に気を遣う
・適切な室温・湿度を心がける
・快適な寝具・寝巻きなどを使う
などです。睡眠環境を整えれば、夜泣きが治るケースもあります。できることからやってみましょう。
2歳児の夜泣きでやってはいけないこと
夜泣きしているときに、やってはいけないことがあります。以下のことは避けるようにしましょう。
怒らない
2歳児の夜泣きは激しく泣くので、ついついイライラしたり、怒ったりしたくなります。
しかし、夜泣きをしている子どもに怒ることはNGです。夜泣きに対して怒れば、それが負の感情となり、さらに夜泣きを悪化させる可能性があります。
放置しない
恐怖や不安、体調不良が原因で夜泣きしている場合は、放置しないようにしましょう。これらの場合は放置しても夜泣きは治りません。できるかぎり家族の目の届く場所で、見守るようにしてください。
2歳児の夜泣きの予防法
2歳児の夜泣きに効果的な予防法をご紹介します。
日中、体を動かす
しっかりぐっすり眠るためにも、日中、陽の光を浴びて思い切り体を動かすようにしましょう。
体を動かすことで適度な疲れにつながり、睡眠が深くなります。また、睡眠リズムを調整する作用をもつ睡眠ホルモン「セロトニン」が分泌され、よい眠りにつながります。
眠りにつくときにそばにいてあげる
恐怖心や不安感が原因で夜泣きする場合には、眠りにつくときに添い寝してあげる、そばにいてあげると安心感で眠りやすくなります。背中をさすったりしながら、寝かしつけをするとなおいいでしょう。
「入眠ルーティーン」を習慣化する
寝る前や布団に入ってから同じ行動を毎日繰り返す「入眠ルーティーン」を行うことで、眠りにつきやすくなります。たとえば、
・絵本の読み聞かせ
・ぬいぐるみに「おやすみ」という
・背中をトントンする
・オルゴールの曲をかけたり、子守唄を歌う
・水を飲む
・今日あったことを小さな声で話す
などです。1つでよいので、お子さんといっしょに入眠ルーティーンを決めて、実践してみましょう。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることで、眠りにつきやすくなり、よりよい眠りにつながります。
朝、昼、夜の区別がしっかりつくように、朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる、夜寝るときには部屋を暗くします。
また、起きる時間・寝る時間を毎日同じ時刻にする、お昼寝は15時までに起きるなども生活リズムを整えるのに効果的です。
そのほか注意したいのは、寝る前にスマートフォン、タブレットを見せないことです。これらを寝る前に見るとブルーライトの刺激で寝つけなくなり、睡眠リズムが崩れる原因となります。なるべく控えるようにしましょう。
環境に変化があった日・感情が大きく揺さぶられた日は気持ちを落ち着かせる
引っ越しや、保育園や幼稚園に通うようになったというような環境に変化があった日や、強い恐怖心や不安を感じた日には夜泣きをする可能性が高くなります。
そのような日には、抱っこしたりスキンシップをたくさんとって、気持ちを落ち着かせてあげてください。安心感を与えることで、夜泣きを防ぐことができます。
2歳児の夜泣きは、よい睡眠で改善する場合も
ひどい泣き方をする2歳児の夜泣きに、ママ・パパも辛くなることがあるかもしれません。ですが、原因を知り、対処法・予防法を試すことで改善することがあります。夜泣きでお困りなら、この記事で紹介したことを、ぜひ実践してみてくださいね。
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記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部