バルセロナでブリティッシュスクールに通っています
はじめまして。
イラストレーター&コミックエッセイストのハラユキです。
サグラダファミリアで知られるスペインのバルセロナという街に住んでいます。
なんでスペインかといえば、フラメンコダンサーを目指してやってきたからです!
……んなわけはなく、夫の駐在赴任にヒョコヒョコついてきたからです。
とはいえ、実は私、出産前に東京でフラメンコを習っていたことがあるし、新婚旅行はスペインだったし、スペインとの不思議な縁には本当にビックリ。こちらでも日本にいたときと変わらず自宅で仕事を続けながら暮らしています。
さてさて、バルセロナは、海あり山ありオシャレ都市あり世界遺産あり美食あり世界的サッカーチームありおまけに気候最高!のできすぎシティなのですが、そんな街で、我が家のひとり息子(ニックネームぽっちん)6歳は、ただいまブリティッシュスクールに通う小学生2年生(日本だと1年だけどイギリス式だと2年生)。引っ越してすぐは日本人学校に半年通い、そのあとに今の学校に転校しました。
バルセロナにブリティッシュスクールはいくつかありますが、息子が通う学校は、こじんまりした小規模校。そして数年前にできたばかりの新設校でもあります。
そもそもインターナショナルスクールって?
以前通っていた日本人学校は、場所が山を越えていくような郊外だったので、学校環境はよかったのだけど、遠すぎてバス通学は朝が早く、家族全員がつらくて近所の学校に転校したいと思うようになりました。あと、息子が順応力が高いということがわかったのと、外国ならではの体験をさせたいなーと思ったこともあり…。
でも、転校する学校選びは、本っっ当に悩ましかった!!
というのも、私は当初はスペイン現地校がいいなあと思ってたのですが、バルセロナがあるカタルーニャ地方の公用語はスペイン語とカタルーニャ語の2つで、現地校に入るとメイン言語はカタルーニャ語なのです(世界には知らない言語がたくさんあるんだね〜!)。
カタルーニャ語はスペイン語やポルトガル語やフランス語などいろんな要素が入った、響きのかわいいとても魅力的な言語なのだけど、そうはいっても、永住するわけじゃない日本人家族がカタルーニャ語の学校に行くのはかな〜り悩ましい。あと最近、カタルーニャ地方はスペインからの独立運動が盛り上がっている影響もあり(言語が違うことからもわかるように、もともとは別の国)、学校によっては反スペイン教育に熱心という話もチラホラと…。いろんな歴史があってのことなので、外国人の私がその是非に関してどーこー言えないけれど、これもやはり日本人家庭に必要かと言われれば「?」でした。
そんなこんなの情報を集めている過程で知人にいただいたのが、バルセロナ市役所制作のバルセロナ・インターナショナルスクール・ガイドブック。「へ〜こんな本が!」と喜んで読んでたら、驚いたことがいくつかあったのです。
ぶっちゃけ、日本に住んでるときの私の「インターナショナルスクール」のイメージって、「芸能人とかの一部の金持ちセレブが行く” 英語 ”の学校」だったんですよね。
でも、実際にはインターナショナルスクールは、「その土地の外国人を対象にした教育を行う学校」または「国際バカロレア資格を持つような国際的な教育を行っている学校」なわけで、そのガイドブックで紹介されていたインターナショナルスクールで学べる言語は、スペイン語、カタルーニャ語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、中国語などと幅広く……そして、よく見たら日本人学校まで載ってる!「ああそっか、ここは外国なんだから日本人学校だってインターナショナルスクールなのか〜!」と、考えてみたら当たり前のことなんだけど、ビックリしてしまいました。つまり、私の中の「インターナショナルスクール」の定義って間違ってたし、ものすご〜く狭かったのです。全然「インターナショナル」じゃなかった…。
結局、スペインにいながらブリティッシュスクールへ
結局、悩みまくり情報収集しまくったあげく、いちばん近所のインターであり、最初に見学に行ったら息子が気に入って「ここに行く」と宣言(!)し、他の英語インターより比較的学費が安かったこともありあっさり決まったのが、今通っている某ブリティッシュスクールです。
ちなみに、この学校にはもう一組だけ日本人家族がいて、その家族はイギリスからバルセロナに来たそうで。そのママいわく「前はロンドンの普通の公立校だったんだけど、教育レベルはだいたい今の学校と同じ。悪くないと思う。でもこっちだとインター扱いだから学費が上がっちゃって、ちょっと悔しい」と言ってて、「そうだよな〜。インターって公立校より教育もスペシャルみたいなイメージ持ってたけど、必ずしもそうとは限らないんだよなあ。日本人学校の幼稚園だって日本の公立保育園より超優れた保育内容ってわけじゃなかったけど、私立のインターだから何倍も保育費かかったしなあ」「そいえば昔、教育熱心で有名な秋田県の公立小学校の授業を取材したことあるけどすごくよかったっけ」なんてことも思ったりしました。
こんな経験から「インター=どこもかしこも公立校よりハイクオリティ!」という私のイメージも間違ってたんだと学習…。要は公立校と同じ、その学校による、なんですよね。(余談ですが、日本の英語インターもかなりピンキリらしいよ〜。日本のインター教師経験者からの情報)
とにかくこんな経緯で、いまバルセロナでブリティッシュスクールに通っている我が家。いまのところ、親子共に気に入っています。でも学校のシステムなど、驚いたこともたくさんあって…。
この連載ではそんなことを中心に、たまにスペインの子ども行事などを混ぜながら描いていきたいと思います。なんだか立派な連載タイトルをつけていただいたことだし(笑)、日本にしか住んだことなかった私たち家族の頭の中の「ダイバーシティ(多様性)」が広がっていく様子をお伝えできたらいいな〜と思っています。
どうぞよろしくお願いします!
ハラユキ
イラストレーター&コミックエッセイスト。夫の駐在赴任により、2017年6月よりスペイン・バルセロナ在住。雑誌やWEBなどでイラストやマンガを描いたり、コミックエッセイ書籍を出版。「東京くらし防災」(東京都)のイラストも担当。スペインに住んでからは、「世界の家族の家事育児分担事情から知る、つかれない家族を作るヒント」や現地ごはん情報なども発信中。おいしいごはんと宴会と祭りとお風呂屋さんが大好き。6歳男児の母。家族をテーマにしたオンラインサロン「バル・ハラユキ」も主宰中。Twitterでは日々の生活や考えたこと、instagramでは主に食いしん坊メモを英語とスペイン語つきで発信中。