スポーツの秋がやってきましたね。涼しくなり、何かスポーツをさせたいと考えている親御さんも多いかと思います。でも、タブレットやスマホが普及して、子どもの運動不足が気になりますよね。また、コロナ禍ということもあって、外遊びをする機会も減り、まして、ボール遊びとなると都心では広い空き地も少なく、小学生になってもボール投げがうまくできないというお子さんも多いと聞きます。
そんな子どもの運動不足や運動能力の低下に悩む親御さんに朗報です!我が家の子ども達もボール投げができなかったのですが、魔法のボール「エリプスセンス」に出会い、格段にボール投げが上手くなりました。
エリプスセンスって何?
どんなボール?
「エリプスセンス」は群馬大学とMIZUNOスポーツが共同開発した「遊びながら学ぶ」をコンセプトに作られた発育応援グッズです。 投げるだけのボールの機能だけでなく、感触から運動スキルが学べます。名前の「エリプスセンス」はエリプスの「楕円・たまご型」と「感覚」のセンスをかけ合わせた名前です。スポーツを通し、人間性、そして、何より親子でキャッチボールなどの社会性を身につけて欲しいという思いが「エリプスセンス」には込められています。
ボールの種類
ピンクとグリーンの二種類。どちらも凹みを利用して笑顔が描かれたり、突起があったり、触るだけで優しい刺激を感じます。
「ピンク」は肌の色に近く男女関係なく親しみやすい色。緑のエリプスセンスよりも40g重くなっていて、より投力や握力を向上させやすくなっています。5歳の娘はこちらを使っています。
「グリーン」は自然の色で心が安らぐ心理を利用した緑色。ピンクより軽く、中に鈴が入っています。3歳の息子はこちらから始めました。
なぜラグビー型なの?
ボール投げが苦手な原因には、上手くボールを掴めないことにあり、親指が他の指と反対の位置にある「母指対向」という動きができない場合が多いそうです。小さなお子さんは丸いボールは握りづらく、ボール投げの苦手意識が生まれてしまうことも。
でも、「エリプスセンス」は、244㎜の円周で、手の小さな子どもでも掴めるようになっています。また、ラグビー型で持ちやすい場所と持ちにくい場所があり、自分で工夫して自然と握り方を覚えられる様になっています。
丸いボールとの違いは?
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・愛着が出るデザイン
- 親しみやすい顔の模様でお気に入りの「お人形」の様に愛着が持て、ボール運動が嫌いな子どもにも興味を持ってもらうことが狙いです。ボール投げの運動の習得を促す事ができて、かつ「優しいお顔」に見えるよう試行錯誤した結果、1:1.3の少し楕円のボールとなりました。
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・複雑な投球運動のできるボール
- 上投げには体のひねりの運動が大切とのこと。「エリプスセンス」は丸ではない為、ひねりの運動ができるとロケットの様に飛んでいくので、習得がしやすくなります。
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・予測が難しいボール
- 「エリプスセンス」は、投げるとあっちこっちに転がってしまいます。扱いが難しそうでこれで、本当に上達するだろうかというのが正直な第一印象でした。小山先生曰く、この予測が難しい動きが狙いなのだそう。追視能力が培われる上、皆同様に扱いが難しく、ボール投げが苦手な子どもが劣等感を感じることなくボール遊びを楽しむことができます。
なぜボール遊びが必要なの?
スマホやゲームなど室内での遊びが増えた昨今、子どもの運動不足を心配する親御さんも多いと思います。実は手は最も優れた運動器。手先をうまく使うことで脳への刺激になり、それを疎かにすると、運動はもちろん、学習能力にも影響することに。「なぜ、今、ボール遊び運動が必要なのか?」、小山先生に聞いてみました。
ボール遊びに必要性とは?
小山先生曰く、同じ運動でも認知的負荷が高い運動ほど脳に良いことが報告されているそうです。ボール運動は、空間認知、協調性、共感力、器用さを育むと考えられます。特にキャッチボールは相手のことを考える社会性も必要になります。他にも、ボールを遊びで培われる目でものを追う「固定視」と「追視」の能力の発達は字の読み書きに繋がり、学習にも影響すると考えられます。
エリプスセンスで上達するのはなぜ?
ボール運動が苦手な傾向に手の運動の未熟化、動きの種類の未発達、筋力の低下、運動経験の欠如などが関係します。「エリプスセンス」はこれらの課題を改善する工夫が施されています。
最も重要なのは、「エリプスセンス」を使うことで、教わらずとも投げ方を習得できる工夫がある事です。握りつぶしても元の形に戻り、握りやすいので軽く感じますが、重さはしっかりあり、投げる運動を行うと筋力強化が期待できます。握りつぶすのは握力20キロが必要で握力が鍛えられ、複雑な握りや動きを覚え、そしてボールに親しむことが促された結果がボール投げの上達に結びびつきます。
年齢別のボール運動
幼児期までは親子の遊びが大事
まずは、触れることから脳への刺激が始まるので0歳から楽しめるのが「エリプスセンス」の優れた点。幼児期までは、ボール投げの技術というより、「エリプスセンス」を転がす、持ち掴む、持ち変える、かごに入れる、渡すなど親子で遊ぶ事が大切とのことです。
小学生以上は自由遊びが大事
小学校に上がるとボールを使う機会が増えますが、この時期も技術よりも、手の操作、投げる体力など基礎的な運動能力を磨く事が重要。「エリプスセンス」を使って、ハンドリング運動を行なったり、ボールに親しむことで力をつけましょう。一方で、大人も指導するばかりではなく、子どもの自由に考えて自分の身体を動かす「自由あそび」の機会を増やすことが大切になります。
大人もいつまでも若々しく!
実は、子どもだけではなく、ボール投げ運動は大人の認知能力の維持にも有効なのだそう。握力と認知機能低下は相関関係あり、手を積極的に使うことは生涯に渡って必要のこと。なんと、ここ100年で精神疾患患者が爆発的に増加したのは人間が手を使わなくなったからという先行研究もあるそうです。(米国ケリー・ランバート博士)
人間の運動を司る脳領域は、喜びを感じる脳の部分と密接に繋がっています。しかも、足や腰などを動かした時よりも、手を動かした時の方が脳の領域が活性化し、人はより大きな幸福を感じる可能性が高いと考えられるそうです。PCや携帯ばかりではなく、長い間に培った手の能力を使い続けることが、幸せに長生きができる人生のカギとなるのではないかと小山先生は考えています。
ボールを使って体を動かしてみよう!
小山先生のボール教室
実際に、ボール教室に参加した様子をご紹介したいと思います。私の子どもたちは、10回のボール教室に参加したことがあるのですが、初めは上投げが全くできませんでした。それが、最後の週には、投げられる様になっただけではなく、飛距離も抜群に伸びて、的に的確に当てられる様になりました。
今回の取材は単発の教室の様子となりますが、一回の講座でもコツを掴めばかなりの効果があると思いますのでぜひ参考にしてください。
ボールに慣れ親しむ
まずは、ボールに慣れることから始めます。ボールを触って形状を学んだり、ボールで体を軽く叩いたりして、優しい刺激を感じます。また、お互いのボールで軽く叩きあって、自分で触れる時との感触の違いを実感します。ボールを後ろで持ったり、押すと空気が出るのでティッシュを乗せたりいろんな遊び方を楽しみます。
ボールで遊ぶ
次は「エリプスセンス」を使った簡単なボール運動をします。頭上高くに持ったり、八の字で持ち替えたり、体も良い感じにほぐれてきます。
ボールを投げてみる
まずは転がすことから始め、親子でキャッチボール。ボールを受け取るのが苦手な子は指先で掴む癖があるそうです。手のひらを広げると取りやすいなど、キャッチボールのコツを教えて貰いました。その後にドッチボールでボールがどの様に転がるかを学びます。ボールがどこに行くか分からないので年齢や運動能力に差があっても楽しめるのが「エリプスセンス」の面白いところです。
的にボール投げ!
そして、最後はいよいよ的に向かってのボール投げです。ダンボールに勢いよく子どもたちがボールを投げていきます。小山先生は、前のめりになるのではなく、横を向き、指先で方向を定め、腕の力ではなく、足腰を使うと良いとアドバイス。みんな夢中になって的に目がけてボールを投げ楽しんでいた様でした。
参加してみて
今回のボール投げ教室の素晴らしいところは、子どもたちは、ボール遊びを楽しんで、何かを教わった自覚はないということにあると思います。やらされたという感覚がないので、気がついたらボール投げが好きになって、上手くなっていくというのが実感できるワークショップでした。
そして、子どもの運動能力を上げるには、何より親子のコミュニケーションが大切と実感。親子でボール投げを楽しみ、ボール運動が好きになる下地を作ることがとても大切だと感じました。
運動音痴は克服できる!
運動音痴は遺伝ではない
ボールを使った競技がうまくありたいと誰もが思いますよね。野球やサッカー選手、テニスプレイヤーは子供たちの憧れ。私が幼少期の頃は、運動はセンスだから、できないのは才能がないからだというイメージが強く、運動音痴をコンプレックスにしていた子ども達も多かったと思いますし、大人になった今もそう感じている方も多いと思います。
でも、自分が運動神経が良くないからと子供の可能性を諦めることはありません!
運動神経は存在しない?
実は、小山先生曰く、遺伝的な要素よりも、後天的な要素が高いということです。運動神経というものは学術的には存在せず、人間の運動は経験によって獲得されるそうです。運動が得意な人が周囲にいれば、真似して上達する機会も多くなるということ。
運動が苦手な両親だと運動をする機会が少ない場合も多いでしょう。遺伝ではなく、運動を学習する機会が少なかっただけということですから、運動が得意な子どもに育てたければ、まずは親が一緒にスポーツを楽しむことが大事です!
- 小山先生のこどもの脳を活性する運動5原則
- 1.楽しい時間を過ごす(幸福感)
- 2.ほめる(モチベーション)
- 3.コミュニケーション(安心感)
- 4.役割の認識(やりがい)
- 5.達成感(成功体験)
小山先生は、保護者の方にはぜひ、子どもと一緒に運動を行って欲しいと切に願っているともおしゃっていました。このボール教室の意義は、運動が苦手な親御さんのコンプレックスを払拭させることにもあると感じました。
私自身、子供たちの運動能力を上げるために、何かさせなければと焦り、何か習い事をさせておけばとりあえず安心というのは私の自己満足で、運動の本来の目的は子どもとのコミュニケーションであることを改めて気付かされました。
イヤイヤ期にも効果アリ!
実は3歳の下の子のイヤイヤ期の激しさに悩んでいて、ボール教室の後、家で「エリプスセンス」でボール遊びを始めました。緑のボールは柔らかいので室内でも遊びやすく、転がしたり、当てっこしたりしています。私が家にいるのに、リモートの仕事で遊んであげられない時に構って貰いたくて、激しくぐずったりする事があったのですが、時間を決めて私も全力で子ども達とボール遊びをするとメリハリがついて、以前より、ずっと落ち着いてきた様な気がします。
初めは、習い事の一つとして、ボール投げが上手くなればいいなと気軽に参加した「エリプスセンス」の教室ですが、手を使う運動の重要性とスポーツの心得、そして親子のコミュニケーションの大切さなど、親の私も学びの多い教室でした。
まずは、ぜひ、「エリプスセンス」のボール遊びから試してみてくださいね。
ボール運動教室
PLAY!SPORTS SHIBUYA パートナーズエリプスセンス ボール教室
群馬大学の小山先生とスポーツメーカーMIZUNOが「遊びながら学ぶ」をコンセプトに共同開発したボール「エリプスセンス」を使った運動教室。子どもの運動スキルを上げたいと考えているすべての人必見。見る・聞く・触れることで自然に遊べて運動スキルを向上させます。
【場 所】 代官山スポーツプラザ・各クラス10名(抽選)
【日 程】 10月7日~12月9日(毎週金曜日・全10回)
【コース】 ①親子コース(3歳以下とその保護者対象)14:45~15:45
②親子キッズコース(年少・年中とその保護者対象)16:00~16:50
③ジュニアコース(年長~小学校2年生対象)17:00~17:50
【講 師】 小山 啓太 (こやま けいた)
【費 用】 18,700 円(※クレジットカード支払いのみ)
※お問い合わせはこちら>>
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文・構成/Rina Ota