【鮭のあら】は物価高の救世主! シンプルな下処理と絶品レシピで隅々まで食べ尽くす

老若男女問わず大人気の魚、鮭。今回は手頃な価格で手に入る「あら」を、おいしく食べる方法を深堀りします。下処理も、それほどむずかしくありません。ご家庭でも手軽に作れる鮭のあらレシピを、丁寧に見ていきますので、ご参考にしてください。

鮭のあら

頭、カマ、中骨、ヒレ、尾などの部分を「あら」と呼びます。身を切り出した後に残る部分ですが、切り身の鮭より破格に安く、旨味を生かして調理すると、おいしくいただくことができます。

特に鮭は、捨てる部分がない魚として知られ、隅々まで食べ尽くすための知恵と工夫があればレシピのバリエーションを楽しむことができます。

頭の部分はコラーゲンの塊。ぶつ切りにして出汁をとったり、昆布巻にしたりして味わいます。

鼻から頭頂にかけての軟骨は、薄切りにして酢漬けにする「氷頭膾(ひずなます)」が有名。北国の郷土料理です。また、北関東では、新巻鮭の頭を煮込んだ「しもつかれ」が、しみじみとした味で愛されています。

栃木県の郷土料理「しもつかれ」。

カマとハラス、ヒレ

首の付け根がカマ、腹身がハラスです。旨味があるので人気があり、スーパーでも安価で手に入ります。

また、北海道では、干したヒレを炙り、熱燗に入れて香りを楽しみむそうですよ。

鮭の鱗はやわらかく、通常はとらずに食べることができます。皮が手に入った際には、網で両側から挟んで炙ってみてください。パリッとした食感で香ばしくなり、これぞ絶品。泣く子も黙るおいしさです。アウトドアの場面で、ぜひお試しあれ。

下処理の方法

あらには汚れや血がついているので、きれいにして臭みを和らげます。ここが切り身の鮭よりも手間がかかる工程です。しっかりと下処理をすると、驚くほどおいしい旨味を味わえます。

熱湯をかけて洗う

今回用意したあら。カマ、尾、中骨、皮。脂がのっています。

【1】あら全体に塩をまぶし、10分ほどおいてください。塩の量は、あらの重量に対して3%が目安です。

【2】全体に熱湯をまわしかけます。表面が白くなるまで、たっぷりとかけてください。量が多い場合は、沸いたお湯に身を浸す方法でもよいです。

しっかりと沸かしたお湯をかけます。

【3】貯めた水の中で汚れをきれいに洗います。鱗や汚れ、血合いをきれいに落としてください。

指の腹でやさしく洗います。

【4】水から上げて、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。

【5】調理する10分前に酒を振りかけておくと、ふっくらと仕上がります。

電子レンジで加熱して様々な料理に活用

下処理を済ませたあらは電子レンジで加熱すると、焦げ目がつかず、ふんわりと加熱されます。手指で丁寧に骨と皮を外して、様々な料理に使ってください。

しっとり仕上がります。

【1】耐熱皿にあらを置いて、蒸気の抜け道を塞がないようにふんわりとラップをかけます。

【2】500w〜600wで3分程度加熱します。

【3】焼き加減を見ながら、中心まで火が通るまで30秒ずつ加熱してください。

【4】粗熱がとれたら手でほぐします。

手軽なのは、フレークです。塩味をつけてそのままいただいてもよいし、白米と一緒に炊いて、炊き込みご飯にもおすすめ。

ほぐした身、塩、白ごま、カイワレ、韓国のりを混ぜてふりかけにしました。

節約もできちゃう! 鮭のあらレシピ

鮭のあらは、切り身よりも安価で手に入るため、節約レシピとしても活用できますが、旨味が強いのでお得感満載。上手に使って、食卓を充実させましょう。

塩焼き

塩をして、きれいに洗ったあらを、魚焼きグリルで焼きます。カンタンでオイシイのがコレ!

◆作り方

【1】身が厚い場合は、網の高さを低く調節できないか、工夫してみてください。

あらかじめ庫内を温めたり、網に酢を塗ったりすると身がくっつきません。フライパン用アルミホイルを使うのも賢い方法です。

下処理をした、カマ、中骨、尾を焼きます。

【2】両面焼なら、表面を上にして中火〜強火で5分程度が目安です。片面焼きの場合は表面を3分、裏返して3分程です。切り身の厚さ、網の高さにもよりますから、調節してください。

皮目に少し焦げ目がつく焼き加減を目指しますが、焦げそうなら上にアルミホイルを被せれば防げます。

【3】火を止めたあとは、そのまま庫内の予熱で火を通します。2〜3分程度でOK。

ちゃんちゃん焼き

北海道石狩地方の郷土料理「ちゃんちゃん焼き」は、名前の由来として「お父ちゃんがチャチャッと作るから」と一説ではいわれます。鉄板焼きが伝統の調理法ですが、フライパンを使うか、またはホットプレートでも。大人数の時にもおすすめの料理です。

バターと味噌によるコクのある味付けで、野菜がたくさん食べられます。

◆材料

鮭のあら、ほぐした身 300g
じゃがいも 2個
キャベツ 1/4個
しめじ 1/2株
バター 大さじ1

塩 適量

【A】
みそ、酒 各大さじ3
みりん 大さじ2と1/2
砂糖 大さじ1

◆作り方

【1】下処理をして加熱し、ほぐした身を使って作ることができます。または、ハラスや、通常の切り身でも作れます。どの場合も塩を適量振りかけておきます。

ここでは、電子レンジで加熱した身を使います。骨がないように、指で確認しながらほぐします。

【2】【A】の調味料を混ぜ合わせておきます。お子さん向けにはマヨネーズを、大人向けにはにんにく、唐辛子をプラスするのもおいしいです。

【3】じゃがいもは1cmの厚さに、キャベツは乱切りにカットし、しめじをほぐしてください。

【4】ハラスや、切り身を使う場合は、最初にしっかりと焼いてから進みます。フライパンにバターを入れて溶かし、皮側から焼いてください。裏返して身側も焼き、火が通ったらいったん取りだします。

加熱してほぐした身を使う場合は、フライパンにバターを溶かし、次の工程に進んでください。

【5】同じフライパンでじゃがいも、しめじ、キャベツの順に炒めます。最後に鮭の身をのせ、【2】のタレを全体にかけてください。

【6】蓋をして、弱めの中火で10分程度蒸し焼きにします。

賢く選んでおいしい食卓

昨今の値上げラッシュから家計を守るためにも、食材は賢く選んで購入すると節約になります。鮭のあらは下処理にひと手間かかりますが、味は決して劣りません。まさに、感謝していただくことができる食材ですね。スーパーでは争奪戦の場合もありますから、見かけた時はぜひ買って味わい尽くしてくださいね。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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