こんにちは。ポルトガル在住のフリーライター、小林悠樹です。私は2022年春、ユーラシア大陸最西端の国「ポルトガル」に妻と当時5歳の息子と、家族3人で移住しました。
今回は私の実体験をもとに、子どもが通う現地小学校でのおどろいた出来事を紹介します。
ポルトガル小学校の基礎知識
ポルトガルの小学校は日本と同様に、公立と私立に大きく分かれます。ポルトガル人の8割以上は公立学校に通っているとされ、公立であれば授業料や教科書代はかかりません。
一般的な小学校で教えられている科目は、国語(ポルトガル語)や算数、道徳、英語、体育、音楽など。
息子の学校は9時からはじまり15時半まで授業があります。
新学期は、日本が4月に対して、ポルトガルは9月。1学期は9~翌年1月、2学期は2~6月の大きく2期生で、夏には約2か月の長期休みがあります。
ポルトガル小学校でおどろいたことや日本との違い
2022年9月からポルトガルの公立小学校に息子が通うようになり、日本との違いにびっくりすることが多々あります。ここでは、ポルトガルと日本の小学校の違いについて紹介します。
通う学校は学区ではなく希望制
ポルトガルの公立小学校に入学する場合は、国が運営しているポータルサイトからオンラインで入学申し込みを行います。特に学区などの制限はなく、希望の学校を5つまで申請することができます。
実際に通う学校が決まるのは、学期がはじまる約2か月前。
我が家の場合、家から近い順で希望を出して、割り振られたのは第二希望の学校でした。第一希望であれば徒歩で通えたのですが、第二希望の学校は2㎞ほどの距離にあるので車で送迎しなくてはいけません。
入学式はなく、登校日初日の前日に説明会が開かれる
日本と同じようにポルトガルの小学校も、入学前の説明会が開かれます。ただ、その開催時期が直前も直前で、入学(登校日初日)の前日に行われました。
入学2か月前に通う学校が決まってから入学直前まで、特に学校側からは連絡がなく、説明会の開催日時が発表されたのも入学1週間前というスケジュール感。ギリギリまで動きがないので、「本当に入学できるのだろうか」と不安になり、何度も学校に問合せをしました。
ただ、学校の事務員さんの反応はいたってあたりまえといった感じで、ポルトガルではこれが普通なようです。
学校への持ち物が自由
息子が通う学校では、わりと自由に私物を持って行ってもよく、学期がはじまってすぐのころには生徒たちの間でポケモンカードを見せ合うのがブームだったようです。また、サッカーボールも各自持参するスタイルで、休み時間には好き好きに自分のボールで遊んでいます。
自由なぶんトラブルもあるようですが、それも含めて社会勉強というふうに考えているのかもしれません。
プールや音楽室など施設の充実度は日本が圧倒
ポルトガルの公立学校を見て最初に感じたのは、「日本の小学校は施設が充実していたな」ということ。
プールはもちろん、音楽室や理科室、保健室などの施設は息子の小学校にはありません。また校庭もこぢんまりとしたもので、小さめのサッカーコートと滑り台、ブランコなどがある程度。
ただ、初めての海外生活で心配な親にとって、学校の敷地はコンパクトなほうが安心できるというメリットもありました。
給食は1食ごとの予約制
お昼ごはんは、給食と自宅から持参するお弁当の好きなほうを選べます。
給食はオンラインサイトで1日ごとに予約を行い、値段は1食€1.43。スープ、メイン、副菜、サラダ、デザートがセットになった給食で、メインにはパスタや牛肉のソテー、ローストチキンなどが提供されます。
誕生日の子がいる時にはケーキが食べられる
クラスの中に誕生日の子がいると、その日は学校がケーキを用意してくれます。バースデーソングを歌い、みんなで誕生日を祝うのが習慣のようです。
息子のクラスには入学してすぐのころに2日連続で誕生日の子がいたようで、「学校でケーキを食べた!」ととても喜んでいました。ちなみにポルトガルのバースデーソングは言葉こそ違えど、メロディーは日本と同じです。
ストライキで突然、休校になる
ポルトガルでは、ストライキによる休校もめずらしくないようです。しかも事前に案内されたわけではなく、休みになることがわかったのは当日。
休みになる前日に保護者のグループチャットに「明日、休みらしい」という情報が流れ、翌日早く学校に到着して休みであることを確認した保護者が、チャットを通じてほかの保護者に情報を共有するという感じでした。
日本との違いを楽しめるのが海外生活の醍醐味
ポルトガルに限らず、国が変われば教育環境も大きく変わります。日本では考えられない文化やルールがあり、おどろくことも日々たくさんあります。「本当にそれで大丈夫なのだろうか…」という心配は尽きませんが、それでも郷に入れば郷に従え。ポルトガルの小学校にもたくさんいいところがあるので、その違いを楽しみながら子どもと一緒に学校生活を楽しむようにしています。