保育園や幼稚園の劇や歌でも、園児たちに大人気の絵本『どうぞのいす』。あらすじとおすすめポイントを、JPIC読書アドバイザーの児玉ひろ美さんが解説します!
劇や歌でも大人気!『どうぞのいす』
香山美子/作 柿本幸造/絵 ひさかたチャイルド
◆こんな本
『どうぞのいす』は、絵本はもちろん、劇やオペレッタなどにもなり、子どもたちが何らかの形で出会っている作品のひとつです。多くの子どもが、絵本は知らずとも、そのお話を知っています。「あとのひとにおきのどく」というやさしい言葉のくり返しに、「ほらね!」の満足げな子どもたちの表情が広がります。さまざまなアンケートでも、好きな絵本、思い出の1冊として必ず挙げられるのは、そんな理由もあるのでしょう。
ウサギさんが作った小さないすがきっかけで、優しい言葉と思いがリレーのように次の人(動物)につながっていく物語ですが、原作の絵本は1981年の出版以来、124刷100万部超のロングセラー作品です。子どもたちは作品を通し「どうぞ」という言葉を体験で覚え、身近に感じているのでしょう。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳、6歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2016年10・11月号
教えてくれたのは
JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。