まずは幼稚園を辞めなければならない
今後に向けて、いろいろな心配事があったのですが、まずは僕が仕事をしている時に娘をどうするか?を考えなければなりませんでした。
このとき娘が通っていた幼稚園は終わるのが14時位。僕の職場からその幼稚園へ行くまでは、片道で1時間半。そのため、夕方まで仕事をしている僕が幼稚園の終わる時間に娘を迎えに行くことは不可能でした。
そこで僕は「職場の近くへ引っ越しをして、職場近くの保育園へ娘は通う」または「引っ越しはしないけど、幼稚園を辞めて自宅近くの保育園へ通う」を考え始めました。
しかし、両方の場所で保育園を探しても受け入れ人数がオーバーしていて入れる保育園が見つからないのです。困った僕はどうしよう……と頭を悩ませていました。
娘の友達のお母さんから驚くべき連絡が
そんな時、娘と幼稚園で同じ組の友達のお母さんから驚く内容の連絡がありました。
「Aちゃん(娘)のお迎えの当番表を作成しました」
その話の内容は「今後もAちゃん(娘)が幼稚園を辞めることなく通い続けられるための方法を有志の保護者さん達で話し合った」というのです。
その方法とは「保護者さんご自身のお子さんと一緒に僕の娘を迎えに行き、僕が仕事後にその方の自宅へ娘を迎えに行く」ということでした。さらに、それを担当してくれる保護者さんの当番表までもがすでに出来ていました。
その当番表には、一度も話をしたことがない方や妻と娘から名前を聞いたことがない方も入っていました。また代表して連絡を頂いた方を含めて、僕や妻と娘が幼稚園に通う以前からの知り合いだった方は一人もいませんでした。それにもかかわらず、ここまで僕たち親子のことを考えてくれることに感謝する気持ちと申し訳ない気持ちが入り交じりながらも、その厚意に甘えさせてもらうことにしました。
お弁当のある日は娘と一緒に空のお弁当箱も預かってくれるご厚意
はじめのうちはその日の当番をしてくれる方の自宅へ仕事が終わった後、娘を迎えに行くだけだったのですが、「うちの子と一緒に登園させるので朝も連れて来て良いですよ」と声かけてもらい、朝から娘を当番の方の家へ送るようになりました。
朝は幼稚園の受け入れ時間直後に娘を預けてから猛ダッシュをしても仕事が始まる時間にギリギリで間に合う毎日でした。だから、こちらも本当に救われました。
また、娘の幼稚園では週に2回弁当を準備しなければならない日もあったのですが、こちらに対しても「お父さん、Aちゃん(娘)に空のお弁当箱を持たせてください。うちは1つ作るのも2つ作るのも変わりませんから」と言ってくれたのです。このご厚意に感謝しながらお言葉に甘えて、お弁当のある日は娘と一緒に空のお弁当箱も預けさせて頂くことに。
さらに、そんな声を掛けてくれるのはお母さん方だけではなく、お世話になっている家庭のお父さんからも「娘さんのことは家で見ますので、今夜だけ飲みに行きましょう!」や「週末はうちの家族と一緒にテーマパークへ行きませんか?」などと誘って頂きました。
支えてくれた方々のような人間に、娘はなって欲しい
このように沢山の方々が支えてくれたおかげで、娘は幼稚園に通い続けることができました。もしかすると娘は娘で、急に多くの人のお世話になり戸惑ったり疲れたりすることもあったかもしれません。でも、小さい子供ながらに沢山の優しさを感じたことで、きっと娘は自分と同じような状況になった人を助けることがで出来る人間になってくれると思います。実際に今現在も困っている人やイジメなどで悩んでいるクラスメートに積極的に声を掛ける子に育ってくれているようです。
次回は、職場の飲み会に娘を連れて行ったときの同僚の反応について、お話しをしたいと思います。(現在、執筆中)
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。すべての親子が幸せになりますように!
続きのお話し「子どもを飲み会に連れて行くのは非常識?職場の飲み会で周囲の反応は?【シングルファーザー奮闘記】vol.5」は、こちら>>
【シングルファーザー奮闘記】vol.1から読む
文・構成/ひまわりひであき ※写真はイメージです。