徒競走で順位付けはNG!?イマドキの運動会はこんなに変わった!ギャップを感じる親世代の声

小学1年生の娘がいるパパライターです。先日、初めて子どもの小学校の運動会に参加しました。そこで見たものは、30年前に自分が参加した運動会とはあまりに違った光景。今回は、私が驚いた今と昔の運動会の違いを紹介します。

イマドキの運動会は世代間ギャップがすごい

周りのパパママと話すと、小学校で世代間ギャップを最も感じたのは運動会という声が多数。

かくいう筆者も、小学一年生の娘の初めての運動会で衝撃を受けました。いったいなぜ、筆者の子どものころと比べてこんなに変わったのでしょうか?  多くの人が関心を持つ学校行事「運動会」について考えました

運動会が変わった理由

大きく変わった原因の1つは、新型コロナウイルス感染拡大が理由の一つだと思います。密を避けるために各学年入替制にしたり、声出し応援を禁止したりと、従来の運動会を大きく変えました。

ほかにも、教育方針に変化が……。

「安全面優先」「勝敗ではなく、成果を見てほしい」と変化する教育

娘の運動会では、従来と比べて、動きの激しい競技や競争が減っていました。

騎馬戦などの競技はけがの危険性を考えて行わない、徒競走では順位付けではなく日頃の成果を見てほしいなど、教育に対する考え方が変化がしているようです。もちろん、これに関してはパパママの中では賛否両論ありますので、周囲のパパママに聞いた意見を交えて、違いを紹介します。

今と昔の運動会の主な違い

筆者が娘の運動会で感じたジェネレーションギャップを、パパママのコメントと併せて紹介します。※時代だけなく、地域や小学校による違いもあります。

運動会の呼び名の変化

運動会の呼び名が、今は「体育学習発表会」に変化。
運動会の呼び名が、今は「体育学習発表会」に変化。

最初に小学校の予定を見たとき「?」でした。この「体育学習発表会」という呼び名は、昔の「運動会」と何が違うのか不思議でした。

体育の授業参観の意味合いに

調べてみると、コロナ禍あたりで名称が変わったらしく、競技というより体育の授業参観という位置づけを表しているとか。しかし、周りのパパママは変わらず運動会と言っています。体育学習発表会は長いので言いにくいですものね。

筆者も当初は運動会のままでよいと思っていたのですが、日頃の体育授業の成果を見てほしい、という小学校のメッセージだと思うと見方が変わりました。名称変更は親の意識を変えたと思います。

騎馬戦や組体操がない

筆者が小学校のときは、騎馬戦、組体操、リレーが三本柱でした。しかし、筆者の娘が通う小学校では、騎馬戦や組体操がなく、ダンスがメイン!

筆者は騎馬戦でエキサイトして喧嘩をし、先生に怒られた思い出深いエピソードもあるのですが、争いが嫌いな子どもにとっては苦痛だっただろうし、ケガのリスクが比較的高いので、ダンスに変えたのはいいのかなとも思います。

実際に、娘の運動会で、子ども達が一生懸命に踊るダンスを見たら感動しました。

今と昔の演目の違い
今と昔の演目の違い

 

運動会の花形競技である騎馬戦や組体操がないのは寂しい。仲間と力を合わせて勝負に勝てば自信になるし、負けても学ぶことがあるはず。(小6男子パパ)

子どもは教室でお弁当を食べる

今と昔のお弁当の違い
今と昔のお弁当の違い
家族団らんで青空の下、お弁当を食べるのが非日常体験で楽しく、そういう機会がないのは寂しい。ただ、中には、家族と食べるお弁当が苦痛な子もいるし、先生や保護者の負担軽減からも時代の流れに合っていると思う。(小5女子・小3女子ママ)

グラウンドにレジャーシートを広げ、家族でお弁当を食べる光景は運動会の定番でしたが、保護者が運動会に来られない子が一人になってしまったり、コロナ禍で学年入替制や時間短縮がされたりして変化していったようです。

パパママからは、「物足りない」、「子どもと学校で昼食を食べる唯一の機会がほしい」といった声もあるので、今後どうなるか注目しています。

個人的には、子どもの家庭環境が多様なので、子どもだけが教室で食べることに賛成です。

徒競走はジェンダーレス、順位をつけない

徒競走こそ、昔と大きく違っています。パパママも意見が割れています。

ジェンダーレス(男女混合)

最初、娘に誰と一緒に走るのかを聞いたとき、男の子の名前があってびっくり。保育園では男女別でした。

低学年では感じなかったが、高学年だと違和感があるんだよなあ。子どもがやりづらいと言っている。(小4男子パパ)
ほとんどの競技大会では男女別になっているので、徒競走も男女別の方がよいと思う。そちらの方がしっくりくる。(小5男子、小3男子ママ)
何となく男子の方が速そう。男女混合にする必要があるのか疑問である。(小2女子ママ)
違和感ありつつも新鮮で、時代の変化を実感した。(小1女子パパ)

男女別しか経験ないパパママからは男女混合に違和感があるという意見が複数あり。競争という点では、走力が同程度の子ども達が一緒に走っているので、1位になったのはおおよそ男女半々。男女差より個人差が大きい印象を持ちました。

ジェンダーに対する意識が変わっている昨今、男女をできるだけ区別せず、小学生からジェンダーレスの意識を持たせるべきという意見も。筆者は男女別の方が違和感がなくてよいと思っていたのですが、まずは親の方が意識を変えるべきなのかもしれません。

順位ごとに並ばない

今と昔の徒競走の違い
今と昔の徒競走の違い

徒競走が終わった後に、子ども達が順位ごとではなく、コースごとに並んでいるのを見て驚きました。誰が何位かわかりません。

順位を付けないのは、運動会で輝ける子どもの機会を奪っていないか。負けを知ることも大切。少し過保護のような気がする。(小4男子ママ)

一方でこんな意見も。

子どもが早々に運動嫌いになるのは、将来的に大きな損失である。多くの子どもに運動の楽しさを知ってもらうには、順位付けしないのは有効だと思う。(小1女子ママ)

筆者は、1位のところに並びたいというモチベーションで頑張っていました。1位になれないことが多く、悔しい思いをしてきましたが、それも今ではよい経験です。中学生以上になると、順位をもっと付けられるので、小学生から慣れておいた方がよいと思います。

誰も取り残さない教育へ

とは言え、今回の体育学習発表会を見て、どの子どもも楽しんでいるように見えました。誰も取り残さないという目標を達成しているように感じました。

筆者の運動会の時代は、苦しそうな顔、つまらなそうな顔をしている子どもがいました。筆者も、時にはそんな顔をしていた気が。今の体育学習発表会はパパママの中では賛否両論ですが、みんなが輝けるチャンスがあるという点では優れていると考えています。それに、筆者の時代と違って、ダンスがメインだったり、徒競走がジェンダーフリーで順位がつかなかったりと、とても新鮮でした。最初は、自分の娘の勇姿を見るだけと思っていたのですが、今の小学教育の在り方を少し理解できた気がしました。

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文・構成/峯あきら

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