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お菓子で映画のような絵本を作ってみたい
――上岡さんのお菓子作品はとてもかわいらしくて、食べ物というより世界観を表現した芸術品です。こういう作品を作るようになったのは、いつからですか?
上岡さん:キャラクターなどかわいいものをモチーフにお菓子作りを始めたのは、結婚して仕事をやめてからです。以前はパティシエとして普通のデコレーションケーキなどを作っていました。このかわいい世界を表現するにはアイシングがいいなと思って、そこからアイシングクッキーに挑戦することにしました。
友達に薦められて、インスタグラムでお菓子の写真をアップするようになっても、販売が目的ではなくて、お友達にプレゼントするような趣味としてのことでした。
お菓子作りを職業にするなんて、その頃は考えてもいなかったんです。でもあるときに、自分がなりたい理想像を聞かれたことがあって、「たくさんの人に夢を与えている宮崎駿さんみたいになりたい」と答えていました。それから、お菓子で映画のような世界観のある絵本を作ってみたい、と思うようになりました。
たくさんの人が応援してくれた絵本作り
上岡さん:最初は、クラウドファンディングで「不思議の国のアリス」をモチーフにした探し絵本を作りました。でも息子が10カ月のときに作り始めたので大変だったんです。20時過ぎに一度子どもと一緒に寝て、3時に起きて台所に立つ日々で、旦那さんに応援してもらわなかったらできなかったですね。
その頃には、インスタグラムでたくさんの人がフォローしてくださっていて、クラウドファンディングの目標額を50万円に設定したのに、倍の100万円ぐらい集まったんですよ。それはとてもありがたかったです。
その絵本を見てくださった編集さんが企画を通してくれて、イースト・プレスで『おかしなおかしなおはなしえほん』を作ることになりました。
湿度の高い日はお菓子が崩れたり、ハプニングも
――お菓子を絵本に仕上げるには、どのように作っていくのですか?
上岡さん:『おかしなおかしなおはなしえほん』は、白うさぎが『ラプンツェル』や『あかずきん』などのおはなしの世界を旅する絵本にしました。ページをめくるたびに、お菓子で作られた名作が飛び出します。
まずはラフを描き、見開き1ページを2週間おきに撮影していきました。毎日ちょっとずつパーツを作っていくんです。アイシングクッキーで登場人物を作ったり、地面や壁に並べるクッキーを焼いたり、100個のカップケーキにバタークリームでお花を載せたり……。細かい作業ですが、お菓子を作っているときは楽しいですね。
塔をロールケーキで表現しようと思って立てたら、撮影前にどんどん縮んでいってしまったり、湿度が高い日の撮影でラングドシャが崩れてしまったり、ハプニングはたくさんありました。パーツを組み合わせる大変さに比べたら、カップケーキ100個を作る方が苦じゃないんですよ。お話の世界観を表現していくことに対しては、妥協することはなかったです。
すごい!全部お菓子! 絵本の中身をご紹介
撮影のハプニングを乗り越えて完成した『おかしなおかしなおはなしえほん』。完成した中身を少しだけご紹介します。
制作の裏側を動画で
『ブレーメンの音楽隊』のメイキング動画も作りました。背の高い木もレンガの道も、すべて細かいお菓子のパーツの組み合わせでできています。どのページも、私と編集さんとカメラマンさんの3人の地道な作業の積み重ねで完成しました。
好きなことを楽しんでやっていると、いい作品作りにつながる
――お菓子作りが好きで、上岡さんに憧れる子どもや親もいらっしゃると思います。絵本を読んだ方へメッセージをいただけますか?
上岡さん:絵本の楽しみ方は人それぞれで、「おいしそう、食べたいな」って感じる方もいれば、「何で作ってるんだろう?」って想像力を働かせてくれる方もいると思います。「自分もやってみたい」って思ったら、ぜひ挑戦してほしいですね。
好きなことを楽しんでやっていると、何かに結びつくことがあるんだなと実感します。インスタにもいろいろな作品をあげていますが、自分が楽しんでやれていないと、いい作品ってできないんです。日頃から、これはお菓子で表現したらどうなるかなって常に考えてますね。息子との散歩でちょうちょに出会ったり、パズルやシルバニアファミリーで遊んだりしたときに、メモしたり写真を撮ったりすることもあります。常に何か感じていたいんですよ。
絵本の作品を展示するイベントをしたときに、アイシングクッキーのワークショップを開いたのですが、お子さんがすごく楽しんでくれたんです。人魚姫のクッキーにメイクを施した子もいました。私も絵を描くことが好きで、考えることが好きな子どもでした。いつか、子どもにこういうお菓子作りを教えられる教室もできたらいいなと思っています。
私はジブリ作品が好きで、宮崎駿さんが作る世界観からいっぱい夢をもらいました。私も、彼のように人に夢や感動を与えられる作品を作っていきたいと思っています。
『おかしなおかしなおはなしえほん』
作: 上岡 麻美 出版社: イースト・プレス
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※こちらのプレゼントに応募される場合、事前に発送先となる個人情報の入力と、アンケートへの回答が必要となります(応募時に賞品送付先ご登録フォームとアンケートフォームのご案内があります)。
■応募締切日:7月18日(火)23:59まで
■抽選方法:ご応募いただいた月の翌月以降、HugKum編集部にて抽選を行います。
■発送方法:日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便などの配送業者より発送させていただきます。配送希望日時はご指定いただけません。
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※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。落選の方へのご連絡はいたしておりません、ご了承ください。
※応募はお1人様1回とさせていただきます。
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※賞品の発送は日本国内に限らせていただきます。
作者
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文・構成/日下淳子