目次
長崎銘菓とは
長崎には、西洋(ポルトガルやオランダ)や中国の影響を受けた銘菓がたくさんあります。それは、1571年に、ポルトガル船との貿易のために長崎港が開港されたことに由来します。
ポルトガルから砂糖がもたらされ、長崎をはじめ、佐賀、福岡に菓子文化が広まっていきました。長崎銘菓として有名なカステラも、ポルトガルの人から製法を学んだお菓子といわれています。
老舗から進化系までカステラ系のお菓子│長崎銘菓【カステラ系編】
長崎には、老舗のお店のカステラから、カステラを発展させた進化系カステラまで、幅広いカステラ商品が目白押し。どんなカステラがあるのか見てみましょう。
カステラ
長崎カステラの老舗「カステラ本家福砂屋」のカステラは、卵の手割りに始まり、泡立て、混合、撹拌、釜入れ、焼き上げまで、一人の職人が一貫して仕上げられています。カステラの底にざらめ糖が残っているのが長崎カステラの特徴です。
銘菓ポイント
「カステラ本家福砂屋」は、寛永元年(1624年)創業。カステラの製法は、ポルトガルの人から伝授されたそうです。
「カステラ本家 福砂屋 カステラ 小切れ1号」
ふっくら、しっとりとした食感に、コクのある甘みと風味が感じられるカステラです。
カスドース
「カスドース」は、カステラを卵黄でからめ、糖蜜で揚げるポルトガルの伝来菓子です。
銘菓ポイント
「カスドース」を製造・販売する「平戸蔦屋」は、文亀2年(1502年)の創業の平戸藩松浦家の御用菓子を務めてきた長崎最古の菓子店です。当時、贅沢品だった卵と砂糖を加えた「カスドース」は、殿様だけしか食べれなかったお菓子といわれています。
「カスドース」
卵黄のふくよかな風味がたまらない味わいです。
かすまき
たっぷりの餡をカステラ生地でふんわりと巻いたお菓子が「かすまき」です。
銘菓ポイント
「かすまき」は対馬銘菓。江戸時代に参勤交代から帰郷した領主の無事を祝い、長旅の疲れを癒やすために作られたお菓子といわれています。
「かすまき」
ふんわりとしたカステラ生地と丹念に練り上げた餡がベストマッチ。甘党の人に気に入られる和菓子です。
カステラ巻
長崎カステラの老舗「文明堂総本店」の「カステラ巻」は、長崎カステラを、文明堂総本店で愛されて続けている「三笠山(どらやき)」の皮で巻いた逸品です。
銘菓ポイント
洋菓子のカステラと、和菓子のどらやきの皮が一体となった「カステラ巻」。洋風でありながら、どこか和も感じられる和洋折衷のお菓子です。カステラとは違い、一切れずつ個包装になっているのも特徴といえます。
「文明堂総本店 銘菓詰合せ1号」
「カステラ巻」と「三笠山」のセット。「三笠山」は、珠簾の職人たちの手で、しっとりふんわりの生地で丁寧に仕上げ、北海道小豆を用いた自家製つぶあんをたっぷり詰めたお菓子です。
カステララスク
しっとりと焼き上げられたカステラを、サクサクした食感のラスクに仕上げたのが「カステララスク」です。
銘菓ポイント
「カステララスク」は、カステラの進化系とも言える逸品。モンドセレクションの金賞を受賞しているお菓子でもあります。
「カステララスク」
サクサクなのに、口の中でじゅわっと溶ける新感覚スイーツです。定番はちみつ味(プレーン)、いちご味、抹茶味の3つのテイストを楽しめます。
ロングセラーの南蛮菓子・伝統菓子をピックアップ!│長崎銘菓【定番編】
南蛮菓子・伝統菓子・ロングセラー商品の長崎銘菓を集めました。
九十九島せんぺい
「九十九島せんぺい」は、砂糖、小麦粉、ピーナッツの3つの素材だけで作られる、ほんのり甘い「せんぺい」です。カリカリッとしたピーナッツがアクセントとなっています。
銘菓ポイント
昭和26年に発売以来、ロングセラーとなっている「九十九島せんぺい」。せんぺいの六角形の形は、縁起物の亀の甲羅をかたどり、海を表現。せんぺいの裏に見えるピーナッツは、九十九島の島影をイメージしているのだそうです。
「九十九島せんぺい」
パリッとした歯切れのよい食感と香ばしい風味を堪能できます。
クルス
長崎県雲仙市の伝統銘菓「湯せんぺい」の製法をもとに生地を作り、ほのかにジンジャーの香りが広がるホワイトチョコレートをはさんだお菓子です。
銘菓ポイント
「クルス」とは、ポルトガル語で「十字架」を意味します。その名の通り、クルスには「花十字」と呼ばれる十字架がきざまれているのが特徴です。1964年に発売以来、50年以上もの間愛され続けているお菓子です。
「長崎銘菓 クルス」
クルス発売50周年を記念し、発売開始当時のパッケージを再現した復刻缶に入った「クルス」です。
一◯香(いっこうこう)
焼く前はあんを入れるのに焼き上がりはなかが空洞になってしまう不思議なお菓子です。
銘菓ポイント
「茂木の一口香」は、中国伝来の焼き菓子です。名前の由来は、一口食べると香ばしいことからつけられたといわれています。
「茂木 一◯香」
見た目はおまんじゅう、食べるとおせんべいのような食感です。ごまと黒糖の風味が口いっぱいに広がります。
おたくさ
「おたくさ」は、あじさいの花びらをかたどったパイ生地のお菓子です。
銘菓ポイント
文政6(1823)年、長崎に渡来したシーボルトは、あじさいの学名に最愛の人・お滝さんの名をつけ、「HYDRANGEA OTAKSA(ハイドランゲア・オタクサ)」としました。「おたくさ」は、長崎で親しまれているあじさいをイメージし、誕生したお菓子です。
「おたくさ」
サクッとした軽い食感とほどよい甘さで、いくつでも食べられます。
かんころ餅
「かんころ餅」は、サツマイモを薄く輪切りにしてゆがき、寒風にさらして天日で干し上げたものと、餅米をつきあわせたお餅です。
銘菓ポイント
「かんころ餅」は、長崎の伝統食として古くから各家庭で親しまれてきた餅菓子です。
「つきたてかんころ餅」
長崎県特産の良質な「甘古呂(かんころ)」を使用。昔ながらの製法と技術で作られたかんころ餅です。
かわいい!おいしい!おどろき!最近注目のお菓子たち│長崎銘菓【ニューフェイス編】
長崎に近年現れたニューフェイスのお菓子たちには、SNS映えするものから、意外な組み合わせのものまで、いろいろあります。ご紹介していきましょう!
にゃすてら
長崎に住むしっぽが曲がったかわいい「尾曲り猫」の焼印を押した長崎カステラです。
銘菓ポイント
焼印されている「尾曲がり猫」とは、長崎に多く生息するしっぽが曲がった猫。来るんと曲がった鍵しっぽで幸せをひっかけてくる「幸運の猫」として親しまれています。
「にゃすてら」
生地がきめ細かく、しっとりと上品な口当たりのカステラです。尾曲がり猫が幸運を招いてくれるかも!?
カステラぷりん
長崎カステラ風味のプリンです。
銘菓ポイント
「カステラぷりん」の特徴は、「ザラメル」と呼ばれる独自のカラメルソース。ぷりんにかけると、ザラメのようなジャリジャリとした食感が楽しめます。
「カステラぷりん」
カステラ風味のなめらかなくちどけプリンに、独自の製法でクラッシュ状にした「ザラメル」をかけてめしあがれ。ジャリジャリとした食感が楽しいスイーツです。
長崎 萬順ちより
長崎中華の定番菓子に「よりより」があります。この「よりより」を食べやすい一口サイズに仕上げたのが「ちより」です。
銘菓ポイント
「よりより」は、小麦粉をこねた生地を一つ一つ手で編み、油で揚げたシンプルで香ばしく硬い食感が特徴のお菓子。その呼称は、販売・製造する「萬順」の三代目が考案したもので、多くの長崎県民に親しまれています。
「長崎 萬順ちより」
かむほどに懐かしい味わいが広がり、にじみ出る深く優しい甘さが特徴的。一度食べたら癖になるおいしさです。
皿うどんチョコレート
パリパリの皿うどん麺とライスパフを、甘さ控えめのチョコレートでコーティングしたお菓子です。
銘菓ポイント
「皿うどんチョコレート」を販売している「みろくや」は、長崎のソウルフードであるちゃんぽん・皿うどんを代表商品としている企業。長崎のソウルフードとチョコレートの組み合わせは意外にもマッチします。
「皿うどんチョコレート」
パリパリサクサクの食感で、「ひとつ、またひとつ」と止まらなくなります。
長崎ブリュレカステラ
長崎の定番お菓子「カステラ」をブリュレにした一品。しっとりとした長崎カステラに、なめらかなチーズプリン、ほろ苦いカラメルソースが層になっています。
銘菓ポイント
「九十九島せんぺい」で有名な「九十九島グループ」が新たに作った長崎銘菓が「長崎ブリュレカステラ」です。カステラ&プリンのいいとこどりができちゃいます。
「長崎ブリュレカステラ」
ほろ苦いカラメルソースとチーズプリン、 ざらめカステラの三層が織りなすハーモニーが堪能できます。
伝統菓子からニューフェイスまで、長崎銘菓のおいしさは止まらない
長崎銘菓には、伝統菓子からカステラを進化させたお菓子まで、いろいろな味わいがあります。ぜひお取り寄せして楽しんでみてはいかがでしょうか。
こちらの記事もおすすめ
文・構成/HugKum編集部