「α世代の学びは多様化している」ってほんと? 学校以外の学びは今どこまで普及している?【2010年以降生まれの子どもたち大研究】

「α世代」とは、「Z世代」の次の世代=2010年代以降に生まれた世代のこと。そんなα世代の実態を知るべく、HugKum編集部はα世代のお子さん育児中のママパパ668人を対象に、さまざまなテーマでアンケート調査を実施しました。
今回調査したのは、α世代の子の“学び”。「多様化している」イメージがありますが、α世代の学びの場は、実際にはどのように広がっているのでしょうか。

コロナ過で加速した? 学校外での活動はオンライン学習が主流

対象:2010年以降に生まれたお子さんをもつ保護者668人(2023年9月・HugKum調べ)

 

まず聞いてみたのは、「学校以外の学びとして、お子さんが経験したことのある活動はありますか?」というもの。

みなさんの回答を集計すると、およそ42.8%のお子さんが『動画視聴による勉強』、41.6 %が『タブレット学習』、22 %が『オンラインでの習い事』を経験したことがあり、半数以上がタブレットやPCのようなデジタルデバイスを使用したオンライン学習を経験したことがあるという結果に。

反対に『学習塾』に通ったことがある子は22.7%だったりと、通学・リアル参加の習い事や学外学習の経験者は少数派だということがわかりました。この流れは、オンラインに切り替えざるを得なかったコロナ禍で加速したのでしょうか。

「学校以外の学び」の実態とは? オンラインのメリット、デメリットも

では、具体的にはどのような「学校以外の学び」を経験してきたのでしょうか。みなさんから寄せられた具体例や、オンライン学習のメリット、お悩みも合わせてご紹介します。

タブレット中心の通信学習が多数派

みなさんからの具体的な回答の中でも特に目立ったのが、『チャレンジタッチ』や『Z会のタブレットコース』など、お馴染みの通信教育のタブレット中心コースを利用しているというもの。タブレットを使った子どもを飽きさせない工夫のなされたものが多い点が魅力です。

ほか、プログラミング学習や、オンライン英会話、ダンスのオンラインレッスンのように、習い事においても、タブレットやPCを用いたオンライン中心のものが人気のようです。

オンライン学習で実感しているメリットは?

オンライン学習に関して、具体的な悩みやご意見などもピックアップしてみました。

コロナを機会にオンラインの習い事を初めて続けている。通所する面倒がなくて本人は楽なようです。 [12歳/男の子]

 

通信教育、タブレット学習は家庭学習として活用。
通塾は学校でつまづいたところを補習してもらう目的ではじめた。[9歳/女の子]

 

通信のタブレット学習。その中で動画の実験などのコンテンツがあり、ただ計算問題や文字の練習だけでなく、自分専用の高度なおもちゃを持っている感覚で、1人で電源を入れて興味あるコンテンツを選んでやっている。
勝手に1人で動画をみたりゲームをしたりできるので、放置できるが、子どもがやっているのを言葉をかわしながら一緒に親が体験している時の方が、子どもはうれしそう。 [5歳/男の子]

そんなオンライン学習のメリットとしては、「通う必要がないので親子ともに楽なこと」や、「ゲーム感覚でできる」といったものが目立ちました。通塾と掛け持ちで、オンラインは補講的に利用しているというご家庭も少なくありません。

オンライン学習にはこんな悩みも…

メリットも多い反面、オンライン学習に関するこんなお悩みも寄せられました。

オンライン英会話をやってみたが、対面とは違い、目の前に人がいないので、子どもの対応がとても雑だった。画面越しの人との会話はまだ、わからないのかなと思った。 [9歳/女の子]

 

今は英会話教室に通ってならっている。オンラインも考えたが、「画面の中の人」と思ってしまうのが怖かったので、通学でネイティブ講師に絞って体験させてもらい、今の教室に決めた。[7歳/男の子]

 

コロナ禍に塾に通い始めたので、オンライン授業も多くありました。
移動しなくて良い楽さはありますが、学校のオンラインも同様に、やはりリアルの方が本人も楽しそうです。[12歳/女の子]

特に目立ったのは、講師とのオンラインでのコミュニケーションの難しさ。お子さんが低年齢であればあるほど、画面越しのやりとりに不安を覚えるご家庭が多いようです。実際に、お子さん自身も「リアルのほうが楽しそうにしている」との声もありました。

デジタルネイティブの「α世代」。幅広い選択肢から本人にあった学びの形を

冒頭でもお伝えしたとおり、「α世代」とは、「Z世代」の次の世代=2010年以降生まれの世代を指します。生まれた時にはすでに、スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器が存在した「デジタルネイティブ」とも言われる世代です。

今回のアンケートの結果からも見て取れるように、そんな「α世代」にとっての学びの場は、学校だけに限りません。子どもや親の意識としてだけでなく、文科省でも、不登校児童生徒への支援として、フリースクールなど学校以外での学習が学校の評定になるという「出席扱い制度」を導入していたりと、国レベルの意識も変化しつつあります。リアルからオンラインまで、学びの場が多様化した現代だからこそ、お子さんにあった学びの形を存分に追求してあげたいものですね。

参考:不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)|文部科学省

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文/羽吹理美 構成/HugKum編集部

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