コモロ連合ってどんな国?
コモロ連合は、インド洋にあるンジャジジャ島(グランコモロ島)、ンズワニ島(アンジュアン島)、ムワリ島(モヘリ島)の3つの島から構成される国です。インド洋はアジア・オーストラリア・アフリカの各大陸に囲まれたエリアで、コモロ連合があるのはアフリカ・マダガスカルの北西です。
もともとフランスの保護領となっていましたが、1975年に独立宣言。その後たびたび憲法が採択され、2001年に「コモロ連合」という国名となりました。
日本人の多くは「コモロ」と聞いても、あまりなじみがないかもしれません。コモロ連合はどんな国なのか、この記事でご紹介していきます。
コモロ連合基本情報
まずは、首都や人口、面積などの基本情報から見てみましょう。
国名
コモロ連合
首都
モロニ(グランドコモロ島)
場所
アフリカ大陸の南東部にモザンビークがあり、その東側のインド洋にはマダガスカルという島があります。コモロ連合があるのは、モザンビークとマダガスカルの間です。
日本との時差
6時間
日本はコモロ連合より6時間進んでいます。
面積
2,236㎢
東京都の面積が2194㎢のため、コモロ連合は東京都とほぼ同じ大きさです。
エリア
コモロ連合はンジャジジャ島(グランコモロ島)、ンズワニ島(アンジュアン島)、ムワリ島(モヘリ島)の3つの島からなります。
近くにマイヨット島がありますが、マイヨット島では独立を問う国民投票で約60%の国民が反対したことから、現在もフランスの領土となっています。ただしコモロ連合政府はこれを認めておらず、マイヨット島の領有権を主張しています。
人口
約89万人
東京都の人口が約1400万人ですから、コモロ連合の人口は東京都の約6.4%。面積は東京都とほぼ同じですが、人口は東京都の1割にも満たないことになります。
言語・公用語
フランス語・アラビア語・コモロ語の3言語が公用語として使われています。
通貨
コモロ・フラン
1コモロ・フラン=0.33円(2024年3月18日時点)
宗教
イスラム教
歴史
コモロ連合はもともとフランスの保護領でした。フランスの保護領になったのは1886年のことです。しかしその後人々の間で独立を求める声が高まり、1975年にグランドコモロ島、アンジュアン島、モヘリ島(島名は当時の呼称)の3つの島が独立を宣言。アーメド・アブダラが大統領に就任しました。このときは「コモロ共和国」という名前の国でした。
しかし独立後もたびたびクーデターが起こり、1978年に新憲法が採択され「コモロ・イスラム連邦共和国」に国名が変わりました。2001年には再び国民投票で新憲法が採択され「コモロ連合」という国名になったのです。
ちなみにコモロ連合の国旗には、黄色、白、赤、青の4つの色がストライプになっています。これは、黄色が太陽や進歩、白が自由や純潔、赤は独立のために流した国民の血、青はインド洋を表しています。
さらにイスラム教で神聖な色とされる緑色に、イスラム教のシンボルとなる月と星が配置されています。
天気・気候
コモロ連合は、高温多湿の熱帯性気候です。年間を通じて降水量が多く、季節は雨季と乾季にわかれます。コモロ連合は南太平洋に位置するため、季節は日本とほぼ逆になります。
コモロ連合の治安・住みやすさ
コモロ連合に旅行で訪れる場合、治安面はどうなのか知りたいところです。
治安は「安定しているけれど、注意が必要」
外務省「海外安全ホームページ」の情報によると、コモロ連合の治安は、全土で「十分注意してください」というレベル1です。全体的に治安は安定していて、スリ、ひったくり、強盗といった犯罪の報告は少なく、外国人が犯罪に巻き込まれるケースも報じられていません。
しかし外国人がコモロ連合を訪れた際、デモなどに巻き込まれる可能性は否定できません。外出するときは、バッグを体の前など見える場所に持つ、暗くなってからの外出は避けるといった基本的な防犯対策はしっかり行いましょう。
住みやすさは「疑問」
コモロ連合で暮らす場合の住みやすさはどうでしょうか? コモロ連合は治安は悪くありませんが、世界の中でも貧しい国のひとつです。電気が安定的に得られないなど、インフラの整備がまだまだです。
またコモロ連合では、通年でマラリアが流行しています。外務省「海外安全ホームページ」では、コモロ連合に10日間以上滞在する場合は、抗マラリア薬を服用することをすすめています。コモロ連合の医療施設は整っているとはいえないため、重症になると近隣の島や他国に移送されることになり、移送費を含めた対応も必要になります。
このようなことを総合的に考えると、コモロ連合での住みやすさは決していいとはいえないでしょう。
コモロ連合の見どころ・観光
コモロ連合の人気観光スポットや見どころを見てみましょう。
グランドモスク
イスラム教徒が多いコモロ連合では、イスラム教の礼拝堂「モスク」が点在しています。
特におすすめなのが、首都モロニにあるグランドモスク。白く荘厳な建物は、迫力があって圧巻です。インド洋の青色とのコントラストが美しく、一度は見てみたい人気スポットです。
モロニ国立博物館
首都モロニには国立の博物館があります。ここでは、コモロ連合の歴史や文化について学ぶことができます。
目玉は、後述するシーラカンスの剥製です。「生きた化石」といわれ、珍しい存在であるシーラカンスを実際に目にできる貴重な場所です。
ボウニビーチ
ボウニビーチは、グランドコモロ島にある美しいビーチ。インド洋に面して、きめ細かい砂が広がっています。このビーチはウミガメの産卵地で、7月から8月頃には産卵するウミガメの姿を見られるチャンスがあります。
コモロ連合の特徴・有名なもの
コモロ連合といえば、ほかには何が有名なのでしょうか?
火山
コモロ連合の3つの島は、どれも火山島です。グランドコモロ島には標高2361mのカルタラ山があり、数十年に一度は噴火をする活火山です。
バニラ
コモロ連合の人々は、コメを主食に生活しています。しかしコモロ連合は火山島であり、農耕に適した土地は多くありません。そのため食料自給率が低く、コメを含む多く食料を輸入しています。
そんな中でコモロ連合で主要産業のひとつになっているのが、バニラです。その他にもクローブ、イランイランなども栽培されています。
シーラカンス
シーラカンスは数億年前に地球上に現れたと考えられる、太古から姿を変えずに残っている魚です。体長は1〜2mと人間のように大きく、「生きた化石」と呼ばれています。
そんなシーラカンスが捕獲されたのが、コモロ連合の海でした。普段は深海で生活しており、生態は謎に包まれています。そんな珍しい存在から「幸運を呼ぶ魚」とも呼ばれています。
観光地化されていないのんびりとした島国コモロ
コモロ連合は1975年にフランスから独立した後も、たびたびクーデターが起きて政治危機に見舞われました。今も、世界で貧しい国のひとつです。そのためインフラはあまり整っていると言い難く、島も観光地化されていません。しかし人々は穏やかで素朴で、のんびりと暮らしています。
そんなコモロ連合について、この記事をきっかけに目を向けてみてください。親子でコモロ連合をはじめとするアフリカの国々について、さらに深く調べてみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部