お腹の赤ちゃんのためにも食べなきゃいけない。でも、気分が悪い…… 。このように、つわり期には食事が困難な状況に直面します。つわりを経験した方々から寄せられた実践的な対策とアイデアを読んで、活用してください。
また、少数ですが、男性読者からのご意見もいただきました。つわり期に食べられる食事の傾向をつかみ、買い物や調理の参考にお使いください。
(調査概要:2024年5月21日~6月4日、妊娠経験のある女性589人、HugKumインターネット調査)
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爽快感のあるものでリフレッシュ
酸味を生かした味や、あえて味付けなしの食物で、つわり期の不快感を乗り越えた経験談がこれまで多く寄せられました。ここでは、レモン果汁を使って食事を摂りやすくする方法や、水分補給時のアイデアをみていきます。
レモンの活用法
レモン果汁は口内をさっぱりとさせる効果があり、つわり期に幅広く活用できるようです。
妊娠期間中は「いつもポケットにポッカレモンを入れていた」という声もありました。市販の容器入りレモン果汁なら携帯しやすく、常備も簡単ですね。また、味のないパスタにレモン果汁をかけて食べるなど、さまざまな使い方ができます。
「レモンをフレーバーに使った料理」
「レモン味のグミ、レモン入りの炭酸水はさっぱりして良かったです」
「ペパーミントゼリーに、レモン果汁をかけたもの」
レモンの他にも、爽快感のある食材としてペパーミントが挙げられます。
ハーブの利用は妊娠中・授乳中・乳幼児は注意が必要ですが、ペパーミントは妊娠中でも使用ができます。特に、ハーブティーは精油ほど濃度が高くないため、過度な心配は必要ないとされています。爽快な香りでリフレッシュできるので、便利なハーブといえるでしょう。
また、市販のキャンディーはより手軽で、口に含むだけでなく、水に溶かして飲むこともできます。
おすすめのドリンク
水分補給には炭酸水を利用する方が多く、ミキサーで砕いた食物を飲むというアイデアもみられました。ドリンクに関する実際の体験談をご覧ください。
「つわりで炭酸ジュースばかり飲んでいたら、妊娠糖尿病の疑いがでてしまったので、炭酸水に変えました。その時は、味がない水は飲めず、炭酸入りだったら大丈夫でした」
「飲めるドリンクが、2日おきくらいに変わっていきました。『午後の紅茶・美味しい無糖』『酢の炭酸水割り』『オレンジジュース』などでした」
「風邪気味の時、温めた砂糖水を飲んで寝たら、治りました。薬局で教えてもらったアイデアです」
「飲み物を吐いてしまう時は、氷を舐めて水分補給をしていました」
「便秘解消のために、もずく酢を食べていました。旬のもずくの根っこを見つけたので、ミキサーで細かくして食べたらおいしく、病みつきに。血糖値にもいい、とのことで、家族みんなで食べるようになりました。旬は春だけなので、必ず食べるようにしています。つわり期の我が家の発見でした」
手軽に摂取できる食品
多くの方が、フルーツを食べてつらい時期を乗り越えたと、ご報告くださいました。キャンディー・グミ・ガムなどの駄菓子類を口に含んで紛らわせる方も少なくありません。また、唾液が多くなりがちな方にとっても、これらが役立つようです。
フルーツ、キャンディーの活用
男性からの貴重な声として「パートナーが、カットフルーツの盛り合わせを少量ずつ食べていた」との報告がありました。フルーツは口にすると気分転換にもなるため、つわり期に限らず取り入れたい食物です。
フルーツの中で、具体的に食べられたものとして挙げられたのは、いちご、みかん、梨、パイナップル、メロン、柑橘類です。
「主人に頼んでいちごをまとめて買ったり、ほぼ毎日のように買っていたら、お店の人が主人をパティシエだと思っていた」
「梅干しが異常に食べたくて、購入した日にひとパック食べつくしました。塩分を控えるため、我慢しなくてはいけなくて、梅干しの種ですらしばらく口に入れて、大事に食べていました」
「ゼリーは食べやすくて毎日食べていました。ちょっと高級な果実たっぷりのもの」
「仕事中にずっとハッカの飴を食べて乗り越えたので、産後しばらくはハッカが苦手になりました(笑) 」
簡単手作りグミのレシピ
フルーツ果汁のグミは、つわり期に欠かせない食品かもしれません。市販のグミに飽きたら、手作りグミに挑戦するのもいいでしょう。簡単なレシピを参考に、自分好みのグミを作ってみてはいかがでしょうか。
・材料
お好みのティーパック(カフェインレス) 1パック
水 80cc
粉ゼラチン 10g
砂糖 大さじ1と1/2
レモン水 小さじ1/2
豆腐、ゼリーなどの空き容器、または、クッキングシート
・作り方
【1】鍋に水80ccを入れ、火にかけます。沸騰したら火を止め、ティーパックを入れてしばらく蒸らします。こうして、濃いめのお茶を淹れてください。
【2】【1】のお茶に砂糖を加えて溶かし、レモン汁を加えます。
【3】計量カップで70ccを計り取り、耐熱容器に移します。
【4】ゼラチンを加えて、電子レンジ600wで20秒加熱します。加熱後、よくかき混ぜてゼラチンを完全に溶かしてください。
【5】型離れの良い容器を型にして、流し入れます。または、お皿にクッキングシートを敷いて代用することもできます。
【6】冷蔵庫で冷やすと固まります。好きな大きさにカットしてお召し上がりください。
周囲からのサポート
つわり期は、「今ならこれが食べられそう!」と思っても、いざ食べ物を前にすると受け付けなくなったり、口に入れたとたんに気分が悪くなったりすることがよくあります。このような困難な時期は、パートナーや周囲の支援を求めながら乗り越えていきましょう。
コンビニ食品の活用
コンビニで買える食べ物を食べていた、という意見も多く寄せられました。つわり期は匂いのない食べ物を欲することが特に多いので、コンビニの食品がよく当てはまるようです。
また、コンビニ商品はサポートする側にとっても取り入れやすく、気軽に試すことができます。
「コンビニのサンドイッチ、野菜スティック、わかめおにぎり、サラダチキンなど」
「私には、ベビーチーズの酸味が良かった」
家族の協力と理解
これまでのアンケート結果から浮かび上がったのは、単に体調のつらさだけではありません。家族のための食事準備の苦痛や、せっかく作ってもらった食事を食べて嘔吐してしまう無力感。さらに、体調不良のために家族への気遣いができなかった際に感じるジレンマなどもあります。
これらのさまざまな葛藤を通じて、食事と給仕、そして家族とのコミュニケーションの大切さをあらためて感じました。
「父親がレバーの焼き鳥やプルーンなど、昔から貧血気味だった私を心配して差し入れてくれ、嬉しかった思い出があります。あまり口数が多い父ではないですが、すごく愛情を感じました」
「義理の妹ちゃんが作ってくれた、もやしとキャベツの野菜スープが記憶に残っています。ものすごく薄い味付けにしてくれて、野菜の栄養だけを凝縮したようなスープでした」
「夫が毎日仕事帰りにゼリーやプリン、ヨーグルトなどを私に買ってきてくれたが、ほぼ夫が食べることになり、夫がぽっちゃりした」
工夫とサポートで乗り越えて
多くのレシピや、アイデアを紹介してきました。つわりのつらさは人それぞれなので、参考になるものもあれば、当てはまらないものもあるでしょう。これらの情報が少しでもお役に立てば幸いです。同じ経験をしてきた方々の体験談を読みながら、明るい気持ちでつわり期を乗り越えてください。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)