長ネギを長持ちさせる保存の条件とは?
ネギの保存期間はどれくらい?
関東で最もポピュラーなネギは、長ネギです。葉の部分が緑色をし、下が白く細長いネギのことで正式名は根深ネギ。
関西地方では、小ネギ(万能ネギ)が主流ですね。小ネギは、常温保存は不向きですが、長ネギは常温・冷蔵・冷凍と3つの保存が可能。常温と冷蔵で2週間程度、冷凍で1か月ほど持ちます。今回は、そんな長ネギの正しい保存法についてご紹介します。
農家がやってるネギの保存方法
そもそも長ネギは、白い部分のほとんどが土に埋まって育ちます。通常、出荷時には外皮をむいているので白さが目立ちますが、本来は泥つきが収穫時の姿。根深ネギと言われるゆえんですね。長ネギは乾燥に弱いため、農家での保存法は“抜かない”。つまり、土の中が一番ベストな保存場所というわけです。
試す価値ありの土に埋める保存法
冬場になると泥つきの長ネギが多く出回ります。その時にぜひ、試してほしいのが農家のマネ! 庭に埋めて保存するのが上級テクニック。これなら食べたいときに収穫すればよいだけなので、自家菜園のように鮮度のよい長ネギがいつでも味わえます。
長ネギを長持ちさせる保存のポイント
長持ちするために押さえておきたい条件は、次の通りです。
1.最初から鮮度のよいものを買う。2.できるだけ育ったままの状態を保つ。3.乾燥から守る。
この3つだけ!
当たり前のようですが、鮮度の悪いものを買ってしまうと長く持ちません。見分けるコツは、葉の緑色と白い境目がはっきりとしているものが新鮮な証拠。あとは縦に伸びる長ネギの性質を生かして立てて保存し、乾燥させないことが重要です。
長ネギの常温&冷凍の保存方法とポイント
常温で保存する
丸ごと保存したいときは、濡らした新聞紙に包むだけでオッケー! 包んだ後に紙袋など安定感のあるものに立てて常温か冷暗所に保存しておきましょう。
冷凍保存する
冷凍する場合は、小口切りしたものをラップで包んでから冷凍用保存袋に入れましょう。小口切り以外に斜め切り、みじん切りなど料理に合わせて切り分けておくと使いやすいです。また、ネギの有効成分アリシンは揮発性なのが特徴。水にさらしたり、長い時間加熱してしまうと効果を失ってしまいます。解凍後は、凍ったまま加熱調理をしてください。
長ネギ保存の裏技!?泥や水を使った保存方法
泥ネギの保存方法
家に庭がないという方は、プランターと土を用意して埋めるという方法も◎。長いままで土に埋めるには深さのある容器がなければ難しいですが、長ネギを半分くらいに切ってしまえば普通のプランターでも土に埋められます。少しだけ薬味に使いたいという時にとっても便利です。高さのある発泡スチロールを用意することができる方は、切らずに長いまま土に埋めることもできます。
水にさして保存する方法
長ネギは、瓶に水を入れて保存することもできます。保存の仕方は、瓶の高さに長ネギをカットし、根の部分だけ少量の水を入れてフタをします。この状態で冷蔵庫に入れて保存すれば、2週間ほど保存することができます。
ただ2~3日に1度は、水を変えないと腐りやすいので要注意。瓶がない場合は、ビニール袋で代用することも可能。長ネギの根の部分がつかるように水を入れて口を結び、保存用保存袋に入れてから冷蔵庫で立てて保存すれば大丈夫です。
撮影・文/川越光笑(たべものライター・栄養士)
【HugKum推し】刻みネギの保存におすすめ容器
刻みネギの冷蔵保存は、乾燥しないよう密閉できる容器であればOKですが、ネギを多用するご家庭では専用の保存容器に常備しておくと便利ですね。いくつかご紹介します。
ニューねぎっ庫/メゾネット
遠赤セラミックス製の“呼吸する”容器。無数の小さな気孔が程よく水分を吸収・保水するため、ネギの鮮度をしゃきしゃきと新鮮に保ちます。ネギのほかにもミョウガやシソ、ミツバなどの傷みやすい薬味や、またイチゴなどの繊細なフルーツの冷蔵保存にも使えます。
きざみネギ保存パック/カクセー
スリット入りの水切りカゴが内蔵されているので、底のほうのネギも水浸りしません。少しのひねりでフタがあけられ、女性の手に扱いやすいサイズ。約直径105×70mmでどっさりネギを収納できます。もちろんネギ以外の薬味素材の保存にも使えます。
有田焼 ねぎイキイキ BOX
きざみねぎの保存に便利な、二重構造の保存容器です。内側の容器に何百という小さな穴があり水切りの役目を果たすため、傷みやすい食品を冷蔵庫に保存するのに便利です。外側の容器と内側の容器の間に空気の層があるのでジメッとしません。
長ネギを使ったおすすめレシピ
【1】牛肉と野菜のすき煮
子どもが大好きな甘辛すき焼き風煮物はめんつゆだれで。サッと炒めるだけで絶品のおいしさ。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
牛薄切り肉 200g
めんつゆだれ 1/4量
長ねぎ 1本
しめじ 1パック(100g)
にんじん 1/3本
ごま油 大さじ1
だし汁 1/2カップ
◆作り方
【1】牛肉はたれに1時間以上漬け、食べやすい大きさに切る(漬けだれは取っておく)。
【2】長ねぎは斜め薄切りにし、しめじは根元を除いてほぐす。にんじんは薄切りにし、あれば型で抜いて、下ゆでする。
【3】フライパンにごま油を中火で熱し、【1】の牛肉をサッと炒め、だし汁と漬けだれを加えて混ぜる。【2】を加え、汁がほんの少しになるまで煮る。
◆ポイント
めんつゆだれは、トマト、はちみつ、ごま油で甘酸っぱさと風味をプラス。
(作りやすい分量)
めんつゆ(3倍希釈) 1/2カップ
トマト 1個
はちみつ 大さじ1
ごま油 大さじ1
【1】トマトはヘタを除いて粗みじん切りにする。
【2】すべての材料を混ぜる。
*冷蔵庫で10日ほど保存可能。
教えてくれたのは
夏梅美智子さん
身近な食材を使った、作りやすくておいしい家庭料理が人気。基本の料理からエスニックまで幅広いレパートリーがある。男の子のママでもある。
『めばえ』2015年2月号
【2】ねぎとたらの和風グラタン
子どもに人気のグラタンを、みそ味仕立てのサッパリした味わいに。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
長ねぎ 2本
たら 2切れ(200g)
バター 20g
小麦粉 大さじ2強
牛乳 1と1/2カップ
みそ 小さじ2
パン粉 大さじ1
サラダ油 小さじ1
◆作り方
【1】長ねぎは1cm幅に切る。たらは皮と骨を除いて2cm角に切る。
【2】鍋にバターを入れて中火にかけ、溶けてきたら、ねぎと水大さじ3を加えてふたをし、火を弱めて7分蒸し煮にする(焦がさないよう注意)。小麦粉をふり入れて混ぜ、牛乳を加え、混ぜながらとろみが出るまで加熱する。みそとたらを加えてサッと加熱する。
【3】【2】を耐熱容器に入れ、サラダ油をからめたパン粉を散らし、200℃のオーブンで10分を目安に焼く。
※オーブンの代わりにオーブントースターでも焼けます。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。
『めばえ』2015年1月号
【3】鶏南蛮ポン酢焼きそば
調味料はポン酢だけ。あとはトマトや海苔やごまの素材からのうま味をプラスするだけで、シンプルながら十分に味わいたっぷりの焼きそばに。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
焼きそば麺 3玉
鶏ももこま切れ肉(親子丼用) 150g
長ねぎ 1/2本
トマト 小1個
ポン酢しょうゆ 大さじ4
サラダ油 大さじ1と1/2
◆作り方
【1】麺は袋から出して手でほぐす。長ねぎは1cm幅の斜め切りにし、トマトはくし形に切る。
【2】フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、麺を広げて薄く焼き色がつくまで炒めて取り出す。
【3】フライパンに残りのサラダ油を足し、鶏肉を色づくまで炒め、長ねぎとトマトを加え、しんなりしたら【2】を戻し入れて、ポン酢で調味する。
*白炒りごまをふり、刻みのりをのせても。
教えてくれたのは
きじまりゅうたさん
祖母も母も料理研究家という家庭に育ち、幼いころから料理に親しむ。身近な食材で作るアイデアレシピが人気。
『めばえ』2014年10月号
【4】卵チャーハン
具材は卵とねぎだけでみんなが好むシンプルな味に。スピードと火加減が美味しさのポイント!
◆材料
(3~4人分)
油 大さじ1と1/2
卵 2個
長ねぎ(みじん切り) 10cm分
ごはん 400g
粗塩 小さじ1/3
しょう油 小さじ1
こしょう 少々
ごま油 小さじ1
◆作り方
【1】フライパンに油を入れて中火で熱し、溶いた卵を流し入れて手早くほぐす。
【2】ねぎを加えて香りが出たら、ごはんを入れてすぐに粗塩をふり、米粒表面の水分を飛ばすように弱火で7~8分炒める。
【3】強火にしてしょう油を回し入れ、香りが出たら全体にからめ、こしょう、ごま油で香りづけする。
教えてくれたのは
ウー・ウェンさん
北京生まれ。1990年に来日。雑誌で紹介した「北京の小麦粉料理」が評判となり、料理研究家に。東京と北京でクッキングサロンを主宰。
『めばえ』2018年6月号
【5】ねぎと卵の中華風ポタージュ
ハムやじゃがいもも加えて。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
長ねぎ 1本
じゃがいも 3個
ハム 3枚
卵 1個
ごま油 小さじ2
【A】
水 3と1/2カップ
中華スープの素 小さじ1
塩 少々
片栗粉 大さじ1
白炒りごま 適量
◆作り方
【1】長ねぎはみじん切り、じゃがいもは皮をむいて一口大、ハムは粗みじん切りにする。
【2】鍋にごま油を熱して【1】を炒め、油が回ったら【A】を加えてふたをし、じ ゃがいもがやわらかくなるまで弱火で煮る。
【3】火を止めて、じゃがいもをお玉でつぶす。火をつけて、塩で味を調え、同量の水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。
【4】溶き卵を加えてかき混ぜ、サッと火を通す。器に盛り、ごまをふる。
◆ポイント
ミキサーがない場合は…
【1】素材をやわらかく煮たあと、熱いうちに、お玉の背でつぶします。お玉の代わりに、すりこぎやフォークを使ってもOK。
【2】さらに、なめらかにするには、作り終わった最後に、ざるでこし、ざるに残った分をへらでつぶします。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネーター、飾り巻き寿司インストラクター1 級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2011年3月号
【6】白菜とねぎの子ぎつね丼
白菜たっぷり、ツナを加えて子ども向けの味に。丼にするともりもり食べられます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
油揚げ 2枚
ツナ(缶詰) 小2缶
白菜 3~4枚(200g)
長ねぎ 1本
【A】
だし汁 1/4カップ
しょうゆ 大さじ1と1/2
みりん 大さじ1と1/2
砂糖 小さじ2
ごま油 小さじ1/2
塩 少々
片栗粉 大さじ1/2
ご飯 茶碗3杯
◆作り方
【1】油揚げと白菜は細切りに、長ねぎは斜め薄切りにする。
【2】鍋に【1】と缶汁を軽くきったツナを入れ、合わせた【A】を加えて中火にかける。
【3】フツフツしてきたら弱火にしてふたをし、8分ほど煮る。水大さじ2で溶いた片栗粉を回し入れて混ぜる。とろみがついたら火を止め、ご飯にかける。
教えてくれたのは
みないきぬこさん
女子栄養大学を卒業後、料理研究家のアシスタントを経て2007年独立。料理家、フードコーディネーターとして料理雑誌や広告、メニュー開発など、幅広い分野で活躍中。女の子のママでもある。
『ベビーブック』2014年2月号
【7】チキンときのこのカレー鍋
チキンときのこのうま味たっぷりのカレー鍋。子どもは仕上げに生クリームを入れてマイルドに!
◆材料
(大人3~4人分)
鶏もも肉 2枚
しめじ、まいたけ 各1パック
しいたけ 6個
エリンギ 3本
長ねぎ 1本
にんじん 1/2本
【A】
水 5カップ
顆粒スープの素 大さじ1
カレールウ 90g(4~5皿分)
にんにくのすりおろし 1片分
◆作り方
【1】鶏肉は食べやすい大きさに切り、しめじとまいたけは小房に分け、しいたけは軸を除いて半分に切る。エリンギは5mmの厚さに切り、ねぎは斜め薄切りにし、にんじんは輪切りにして好みの型で抜く。
【2】 鍋に【A】を入れて火にかけ、【1】(ねぎ以外)を加えて火が通るまで煮、最後にねぎを加える。
◆ポイント
子どもは「マイルドカレーうどん」で。
別鍋に汁を取り分け、生クリームを混ぜ(汁2に対し1)、うどんを加えて煮る。器に盛って具を取り分ける。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネーター、飾り巻き寿司インストラクター1 級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2018年2月号
【8】さつまいもと厚揚げの豆乳グラタン
和風の素材と味つけにすれば、子どもも大人も食べやすく!厚揚げ入りでヘルシー&栄養価もアップ。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
厚揚げ 200g
さつまいも 中1本
長ねぎ 1本
豆乳 350ml
マヨネーズ 大さじ2
小麦粉 大さじ1と1/2
顆粒かつおだしの素 小さじ1
チーズ 50g
カッテージチーズ 30g
◆作り方
【1】さつまいもは1cmの輪切りにしてゆで、4等分に切る。厚揚げは2cmの角 切り、ねぎは1cm幅に切る。
【2】フライパンにマヨネーズを熱し、さ つまいもとねぎを炒め、厚揚げと小麦粉を加えて粉っぽさがなくなるまで炒める。だしの素を加え、豆乳を少しず つ加えてとろみをつける。
【3】【2】を耐熱皿に入れて角切りにした チーズを加え、カッテージチーズをのせ、オーブンで約20分焼く(オーブン トースターの場合は8~10分)。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」 やイタリアにて料理を学び、料理研究家に。「料理教室Assiette de KINU」を主宰。親子で楽しむクッキングも人気。男の子のママ。
『ベビーブック』2016年1月号
【9】白菜と鮭のミルク煮
牛乳でやわらかく煮て、とろみをつける。鮭のうま味がたっぷりなミルク煮。野菜もたくさん入っているので栄養バッチリ!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
生鮭 3切れ
白菜 4枚
小松菜 1/4束
長ねぎ 1本
サラダ油 大さじ1
【A】
牛乳 300ml
顆粒スープの素 小さじ1と1/2
【B】
片栗粉 大さじ1
水 大さじ1
◆作り方
【1】鮭と白菜は2cm幅に、小松菜は1cm幅 に切る。長ねぎは斜め薄切りにする。
【2】フライパンにサラダ油を熱して【1】を軽く炒め、【A】を加え、沸騰したら混ぜ合わ せた【B】を加えてとろみをつける。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」 やイタリアにて料理を学び、料理研究家に。「料理教室Assiette de KINU」を主宰。親子で楽しむクッキングも人気。男の子のママ。
『ベビーブック』2016年1月号
構成/HugKum編集部