子どもの早期教育、本当に必要? “やめた派”の理由は? 3490人の大調査でわかった最新傾向【HugKumなんでも調査団】

「子どもの可能性を伸ばすために親ができることはなんだろう?」と考えるのは、どの親御さんも一緒です。近年では、一般的な年齢より早く教育を行う「早期教育」を行う家庭も増えており、周りの家庭の状況が気になる人も多いはず。そこで、早期教育についてのアンケートを行いました。

早期教育についてどう思う? 【3490人アンケート】で見えてきた、トレンドとは?

今回は、3490人のママパパや祖父母にご回答いただく大規模アンケートを実施。どんな風に「早期教育」について考えているのか、アンケート結果から見えてきた「早期教育への考え方」について探っていきましょう!

調査媒体:ベビーブック2025年4.5月号 1537人、めばえ2025年4月号 872人、幼稚園2025年4.5月号 1081人

設問:・お子さんへの「早期教育」について、あてはまるものを一つ選んでください。
・どんな早期教育をしているか(していたか、する予定があるか)、教えてください。
・実施していたがやめたという方は、やめた事情について教えてください。

まず、早期教育の実施について聞いたところ、以下のような結果になりました。

1~3歳まで

1〜3歳まで

3~4歳まで

3〜4歳まで

3~6歳まで

3〜6歳まで

どの年齢でも「早期教育には賛成だが、実施はしていない(まだ早い・きっかけがないなど)」の意見が一番多く、時期やきっかけを見計らっている状況でした。

続いて、「早期教育に賛成で、実施している・実施したことがある・実施したいと思っている」と答えた家庭が多く、やはりみなさん何かしらの早期教育を施したいと考えていることが窺えました。

「どちらともいえない・慎重に検討中」、「早期教育には賛成でも反対でもない・関心がない」、「早期教育には反対で、実施するつもりはない」の順で回答者数が続き、割合が多くないものの、早期教育については熟慮している家庭もあるようでした。

年齢別に差もある? 英語・通信教育など、どんな早期教育が人気なの?

続いてはどんな早期教育をしているか(していたか、する予定があるか)について教えていただきました!

人気の早期教育は英語! 年齢によって学習方法の傾向が異なる

特に目立った早期教育は、英語教育系でした。YouTubeや自宅で教材を使っているなどの手軽な方法から、「英会話教室に通っている」「バイリンガル保育園に通わせたい」といった回答まで、みなさんさまざまな方法で英語教育を施しているようでした。

お子さんの年齢が1〜3歳の方は、「英語の動画や音楽を流している」といった意見が多く、まずは耳から英語に慣れてもらおうとしている意見が多めでした。

お子さんが3〜4歳くらいになると、「英語のDVDを見せている」「英語のテレビ番組を見せている」などの回答が増え、目と耳から英語の勉強をするように変化している様子。

4〜6歳くらいになると、「英会話教室にいっている」「英語の通信教育をしている」「アルファベットを書く練習をしている」など、より発展した英語学習をする方が増えているようでした。いつ始めるかもありますが、みなさん段階を追って英語に親しんでもらおうとしている傾向があるようでした。

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学習系の早期教育も人気

続いて多かったのが、文字・算数・知育などの学習系でした。どの年齢でもひらがな、カタカナ、ローマ字、数字などの基礎学習をしているという意見が多く、年齢が上がるにつれて、計算や時計、読み書きなど、基礎を活かした学習に移行している家庭が多いよう。

1〜4歳までのお子さんを持つ保護者からは「モンテッソーリ教育」をしている・考えているという声が挙がっているのも特徴的でした。早期に始めることでメリットがあると考える人が多いのではないでしょうか。

この他、「図鑑に親しみをもってもらう」といった意見もあり、子どもが興味を持った分野を高めていきたいという親の気持ちが読み取れました。

通信教育や教材利用で、手軽に早期教育

通信教育や教材の利用も多かった意見です。こどもちゃれんじ、スマイルゼミ、Z会、タブレット学習などが挙げられていました。手軽に始められることから、家庭でできる勉強を重視している人が多いよう。

特に4〜6歳になると利用率が上がっており、小学校入学を見越して、早期学習をする家庭が多いことが窺えます。

家に届くことや子どものペースで続けられること、価格が比較的安いことなども人気の一因なのではないでしょうか。

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年齢が高い子どもに人気の「総合学習教室」

続いて、KUMON(くもん)、学研、七田式、めばえ教室などの「総合学習教室」が挙げられました。年齢が上がるにつれて利用する人が増えていることから、成長と共により専門的なところで指導を受けたいと考える人が多いことが窺えました。

体調を崩すことも減ることや、生活リズムが安定すると共に学習系の習い事に通いやすくなるといった面でも、年齢により差が生まれているようです。

運動系の習い事も根強い人気!

運動系の習い事をしているという意見も! スイミング、体操、ダンス、サッカーなどの教室などに通っているようです。こちらも通信教育同様、4〜6歳のお子さんの利用率が高くなっており、学力と運動神経のバランスを見て教育をしていることが窺えます。

少数派にはなりますが、音楽・芸術系の習い事として、ピアノ、バイオリン、音楽教室、美術などに通っている意見も寄せられていました。これらの習い事は、先取りというよりも遊びの延長で楽しめる教室もあるので、感受性・表現力を養いたい方にはぴったりの習い事のよう。

アンケート結果では回答が少なめでしたが、「早期教育」と聞くとどうしても「勉強」についてのイメージを持ってしまいがちなので、この結果は自然な流れかもしれませんね。

この他、読み聞かせ、トイレトレーニングなどを自宅で実践している方も。目を引く回答として、「家事などの生活スキル」も挙げられていました。思いやりや責任感といった社会的な力を養うことにもつながりますね。

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早期教育をやめた家庭も! 理由を探ってみました

最後に「実施していたがやめた」という方に、理由を伺ってみました。

「保育園に通い始めたため」といった、時間との兼ね合いの意見もあり、やはりライフスタイルによって、早期教育との向き合い方に変化がある様子。

「興味がなさそうなのは、無理せず中断して、興味が出るまで待つ」、「あんまり早すぎると、授業がつまらなくなり、斜に構えてしまわないかと考えています、進めても問題ないところは進めていきたいし、実際進めています」などの意見が寄せられており、みなさん悩みながら早期教育を進めているようです。

「DVDやテレビの視聴時間が長くなってしまうため」と子どもの健康面を考える意見もあり、どの程度の早期教育が必要なのか? と、悩んでいる方もいるよう。

この他「子どもが飽きてしまう」や金銭面などで辞めたという意見も寄せられていました。

子どもの成長に合わせて、早期教育をするか考えよう!

子どもは無限の可能性を持ち合わせています。「親がやりたい」からではなく、子どもの「やりたい!」という気持ちや興味を尊重してあげるのが一番大切です。お子さんのペースに合わせて、可能性を引き出せるようサポートしてみてはいかがでしょうか。

アンケートを実施したのは・・・

小学館の知育雑誌『ベビーブック』は、毎月1日発売。遊び・しつけ・知育が1冊にぎっしりとつまっています! アンパンマン、きかんしゃトーマス、いないいないばあっ!など人気キャラクターがお子さんの笑顔を引き出します。はってはがせるシール遊びや、しかけ遊びでお子さんも夢中になることまちがいなしです。

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、さまざまなあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

テレビや絵本のキャラクターといっしょに、思いきりあそんで学べる 『幼稚園』。心も体も頭もいままで以上に成長する4・5・6歳。あれもやりたい、これも知りたい、大きくふくらむ好奇心や感じる心を育てていく企画が満載の子ども向け雑誌です。

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構成・文/まつだ あや

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