日々の子どもとの暮らし。やることが増え、モノも増え、お部屋も気持ちもモヤモヤしてしまいがちですよね。暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れるだけで、親の家事負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
そこで、整理収納アドバイザー・水谷妙子が、
今回のテーマは、子どもの衣類の整理収納。
衣類を管理することは、人の暮らしの基本です。衣類を選ぶ、着替える、明日の準備を整える。はじめは親が手伝っていても、身支度の一連の流れを子ども一人でできるようになってほしいと思いませんか?
すぐに暮らしに取り入れられる「7つのコツ」をご紹介します。
目次
①衣類の量を見直す
子どもの衣類は、各アイテムそれぞれ何枚必要でしょうか。
一般的に、1日に着替える回数は、乳児>幼児>小学生というように、年齢が高くなるほど少なくなります。生活環境や、ご家庭の洗濯頻度によっても異なりますので、今の暮らしに必要な量を決めて、それをキープするよう心がけましょう。
子どもの衣類は、お下がりやお祝いなどでも増える機会が多いアイテムです。しかも大人の衣類に比べると小さいので「収納に余裕があるから大丈夫!」と甘く見積もっていると、あっという間に溢れてしまうことも…!
大人が管理できない量を、子どもが管理できることはありませんので、衣類の量は定期的に見直しましょう。
②着替える場所に収納を置く
朝はどこで?お風呂上がりはどこで着替えますか?別の場合は、それぞれに使うアイテムに置きましましょう。
着替える場所と収納場所が離れていると、一人で自分で着替えを取りに行くことが億劫になり、親が着替えを用意することになりがちです。
まずは、乳幼児の頃から衣類を身近に置いておくことで、自分で衣類を選ぶ、着替えるという習慣を身につけます。土台ができていれば、ゆくゆく場所を移動してもスムーズに移行できるはずです。
家事&育児動線に沿った場所に配置することで、無駄がなくなります。家の中で一番適切な収納場所を考えてみてくださいね!
③子どもが扱いやすい収納用品を選ぶ
世の中の多くの収納用品は大人用に作られているので、そのまま使うと使いにくい場合も。子どもがラクに出し入れできるかどうかを確認しながら選んだり、工夫する必要があります。
まずは、「中身が認識しやすいか」です。
よくある1個ずつ積み重ねていけるプラスチックの衣装ケースや、タンス、カラーボックスに入る収納用品などは、枠に対してボックスがピッタリになるように作られています。ボックスを収めると中身が見えなくなります。
見えないものを管理することは、記憶力が未熟な小さな子どもにとっては難しいことも。現物そのものが見えていることは、何よりも強い情報になります。少しでも中身がわかるように、半透明のケースを選んだり、枠とボックスの高さを工夫するとラクに出し入れすることができます。
次に「動作に無理がないか」について。
プラスチックの衣装ケースやタンスなどは、デザイン性を優先して、引き手が下側についていることがあります。手の向きに着目してみてください。逆手よりも、順手で出し入れする方が力が入りやすいので、ラクに引き出せることがわかると思います。
これ以外にも、大人は問題なくできることでも、子どもにとっては思わぬハードルになっていることもあります。「中身が認識しやすいか」「動作に無理がないか」という目線で、収納用品を選んでみてくださいね。
④仕切りを活用して、衣類が混ざらないようにする
子どもの衣類は小さいので、仕切りを活用してゴチャゴチャを防ぎます。せっかくキレイにたたんだものがグチャグチャになってしまうと残念ですよね。仕切りがあるだけで、グッと出し入れしやすくなります。
色々な種類がありますが、一番簡単な方法は箱を入れることです。中身と外側のボックスに合わせて適切な大きさの仕切りを入れます。
わざわざ買わなくても、家にあるもので簡易的に作ることもできます。
紙袋を半分に折ったり、空き箱や空き缶などを活用できます。まずは気軽に仕切りを入れてみて、その効果を実感してみてくださいね!
⑤子どもがわかるラベルをつける
収納場所が決まったら、中に何が入っているのか家族で共有できるようにラベルをつけます。ラベルは、子どもを促す大事な仕掛けです。子どもの文字や図形の理解度に合わせて、イラストやひらがな、色などを使ってわかりやすく表示します。
マスキングテープやふせんなどを活用するのが簡単な方法ですが、自分で書くのが難しい場合は、100円ショップでもイラスト付きのラベルが売っています。
ただし、英語のラベルは小さな子どもにとってはハードルが高いので、わかるようにカスタムしてみてくださいね!
⑥お下がりの衣類は、わかりやすくスタンバイ
お下がりの衣類は、その時がきたら活用できるようにわかりやすい状態でスタンバイしておく必要があります。
特に上の子のお下がりや、人からいただいたものは、自分が買ったものに比べると把握しきれず曖昧になりがち。汚れや破れはないか?や趣味に合うか?など、1枚1枚チェックして、本当に着せたい服かどうかを判断してから収納してください。
そして、せっかく持っていても紙袋や不透明のケースに入れっぱなしだと、うっかりサイズアウトしてしまうことも。半透明や透明のボックスに入れておくと外から見ても何となくわかるので、すぐに目的の衣類を出すことができます。せっかく持っている衣類は、子どもの成長を逃すことなく活用できるようにしてくださいね!
⑦時短ワザ!ハンガーで吊るす
洗濯物は「たたむことが当然!」ではありません。吊るす場所さえきちんと確保できていれば、ハンガー収納もオススメです。
洗濯と収納で同じハンガーを使えば、洗濯後に干して、乾いたらそのまま収納にかけるだけ。たたむ手間が省けてラク&シワ防止にもなります。
その際、ハンガーバーの高さは子どもの身長に合わせ、出し入れに無理のない位置にするとよいでしょう。もしちょうどいい高さにバーがない時は、突っ張り棒を活用することもできますので、工夫してみてくださいね!
いかがでしたか?
実は、人の暮らしの中で一番動きまわるモノは、衣類です。
人と一緒に動き回るだけでなく、脱いだ後にも洗濯(洗う、干す、たたむ、収納する)という形で、家の中をあちこち移動していきます。家事の中でも重労働である衣類の管理を、整理収納のコツでうまく回る仕組みを整えていきましょう。
子どもにとっても、小さいうちから少しずつ自分の衣類を管理することで、身支度の大切さや、好みのものを身につける楽しさを身につけることができます。
親の家事負担やストレスが減り、子どもの生活力を育む衣類の整理収納のコツを、ぜひ暮らしの中に取り入れてみてくださいね!
記事執筆
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。