世界では水戦争が起きているって本当? なぜ起こるのか小学生にもわかりやすく解説【親子で語る国際問題】

今知っておくべき国際問題を国際政治先生が分かりやすく解説してくれる「親子で語る国際問題」。今回は、 世界で起こっている「水戦争」について、小学生も分かるように解説します。

大切な水をめぐって争いが起きている

みなさんは毎日水を飲んだり、お風呂に入ったり、トイレを流したりしていますよね。水は私たちにとって、とても身近で、なくてはならないものです。しかし、もし水がなくなったらどうでしょうか。すごく困りますし、生きていくことができなくなってしまいますね。

実は今、世界中で水をめぐって、国同士や地域同士がケンカをする、水戦争が激しくなっているのです。これは、水をかけ合って遊ぶことではありません。自分たちの国の水を確保したいという気持ちから、隣の国と怒り合ったり、ひどいときには武器を使って戦ったりすることを指します。

水は人間が生きていくために絶対必要ですから、足りなくなるとみんな必死になるのです。

なぜ水が足りないのでしょうか

どうしてそんなに水が足りなくなるかというと、大きな理由がいくつかあります。

1つ目は、世界の人口がすごく増えたことです。人間が増えれば、必要になる飲み水も増えますし、お米や野菜を育てるための水もたくさん必要になります。

2つ目は、地球温暖化で地球が暑くなっていることです。そのせいで雨がまったく降らない場所が増え、湖が干上がったり、土地が砂になって植物が育たなくなる、砂漠化が進んだりしています。

3つ目は、水を使いすぎたり、必要以上に汚したりしていることです。工場や農業で水を使いすぎたり、ゴミや汚い水を排出することで川や海が汚れ、飲めなくなったりしているのです。

水戦争が起きやすいのは大きな川が複数の国に流れている場所

水戦争が起きやすい場所には、ある特徴があります。それは一つの大きな川を、複数の国でシェアしているということです。想像してみてください。みんなが遊んでいる砂場で、上流にいる子が水をせき止める大きな砂のダムを作ったら、下流の子には水が流れてこなくなりますよね。これと同じことが、実際の大きな川で起きているのです。

ナイル川の下流であるエジプト

例えば、エジプトなどを流れるナイル川では、上流の国が巨大なダムをつくったことで、下流の国から「水がこなくなる!」と怒りの声が上がり、いつ戦争になってもおかしくないくらいケンカになっています。

他にも、東南アジアのメコン川では、上流の国がダムを作ることで下流の国で魚が取れなくなったり、水が足りなくなったりして困っているのです。

私たちにできる3つのこと

水戦争は、遠い国の話のように聞こえるかもしれません。しかし、地球の水はつながっています。

私たちにもできることがあります。まずは、水を大切に使うこと。歯磨きやお風呂のときに水を出しっぱなしにしないことや、掃除のときに使う水を減らす工夫をします。

また、食べ物を残さないことも大切です。米や野菜を作るためにはたくさんの水が必要です。ですから、食べ物を捨てることは、水を捨てることと同じなのです。

そして、水を汚さないことも大切です。川や海にゴミを捨てないことや、お風呂の洗剤も使いすぎないようにしましょう。

水について考えてみましょう

世界で起きている水戦争は、地球の環境が変わったり、人が増えすぎたりして水が足りなくなり、生き残るためにケンカをしている状態です。

水は、地球上のどこにでもあっても、それを大切に使う気持ちがないと、ケンカは終わりません。みなさんも、家で水を大切にする「水レンジャー」となってみてください。

水を使うときに、これはどこから来て、どうやって使われているか、少しだけ考えてみてほしいなと思います。そうすれば、きっと水の大切さがもっとわかるはずです。

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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。

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