「メニューに困った時は卵焼き」「お弁当の鉄板は卵焼き」私たち日本人の食卓に度々登場する卵焼き。大人も子どもも好きなメニューのひとつですよね。卵は、離乳食初期の後半に卵黄からスタートし、離乳食中期に卵白が食べられるようになります。食べるときは必ず中心までしっかりゆでた固ゆで卵からスタート。離乳食メニューに卵を使用するときはしばらくの間、固ゆで卵を続けます。となると、固ゆで卵にしない卵焼きは、赤ちゃんはいつ食べられるのでしょうか?今回は、離乳食メニューに卵焼きを使えるようになる時期や卵焼きレシピを紹介します。
離乳食の卵焼きはいつからOK?
離乳食に卵を使う時に基本は「固ゆで卵」が基本です。Lサイズの卵の目安の湯で時間は、離乳食初期、離乳食中期は、沸騰から20分以上。離乳食後期は15分以上ゆでます。そうして、離乳食完了期頃から卵焼きやスクランブルエッグ、溶き卵などの卵料理が食べられるようになります。
アレルギーの心配は?
卵、牛乳、小麦は三大アレルゲンのひとつ。卵はアレルギー反応が出やすい食材のひとつです。赤ちゃんが卵を食べることによってアレルギー反応が出ることがあるので、なかなか卵をスタートできないという保護者さんに多く出会ってきました。元々、別の症状があり医師に止められているなどの事情がない場合は、固ゆでした黄身を耳かき1杯からでいいのでスタートさせていきましょう。卵に限らず、アレルギーなどが不安という理由での、ママの自己判断の食材の除去はおススメされていません。
離乳食の卵焼きの進め方
離乳食完了期ごろから食べられるようになる卵焼きですが、焼き方の進め方にもステップアップ法があります。大人が食べる卵焼きは中が半熟のこともありますが、最初からそれはNG。実際、私の保育所で、固ゆで卵から急に半熟の卵焼きに変えて湿疹が出た赤ちゃんがいます。急激な調理方法の変化に赤ちゃんがついていけないことがありますので、丁寧にステップアップすることが安心です。調理方法は、卵焼きを作るところまでは大人と一緒なのですが、
【ステップ1】蒸し焼きにする
卵焼きを作ったらフライパンにふたをして弱火で蒸し焼きして中心までしっかり火を通します。ステップ1の卵焼きに食べ慣れたら、次です
【ステップ2】しっかり焼く
ステップ1のように、フライパンにフタをしなくてもいいですが、じっくりと中心まで火を通しましょう。
【ステップ3】大人と同じように焼く
卵焼きに慣れたら、大人と同じように焼きましょう。
離乳食の卵焼きのポイント
まずは卵黄のみから?
「卵焼きにチャレンジする場合、まずは黄身からがいいですか?」と質問がありました。基本的に、卵白が入った全卵を使ってOKです。ママが心配な場合は、卵をスタートさせたときのように黄身から卵焼きもスタートさせるとより安心かと思います。
量の目安
卵を与えるときの量の目安です。
・離乳食初期 卵黄 お試し期間(卵黄少量からスタート)
・離乳食中期 卵黄1~全卵1/3
・離乳食後期 全卵1/2
・離乳食完了期 全卵1/2~2/3
卵焼きは離乳食完了期からなので、全卵1/2~2/3を目安に与えてみましょう。
油は使ってもいい?味付け方法は?
卵焼きを作る時に油は使ってもOKです。ただし、大人用を作る時のようには使わず、極少量を心がけます。味付けも同様で、大人のように調味料を入れません。例えば、塩抜きしたしらす、すりごま、青のり、チーズ、ツナ(水煮)、納豆、野菜などを卵焼きに加えることで、調味料の味付けなしでも美味しく食べることができます。私はよく、お味噌汁の上澄みを少し入れて風味をつけています。
電子レンジを使うと簡単
卵焼きを電子レンジで作ると、カンタンに卵焼きができます。耐熱容器に溶き卵を入れラップをふんわりかけて600wで90秒チンするとできます。ただ、中心までの卵の火の通りが気になるので、上記の卵焼きの進め方「ステップ3」になってからにしましょう。
卵焼きの冷凍保存方法
卵焼きを冷凍する時は、1回分をラップに包んで密封して冷凍保存します。衛生面を考え、半熟で冷凍するのはNGですので中心までしっかり火を通します。保存期間は1週間。冷凍庫から出したら必ず加熱して解凍してから赤ちゃんに与えます。冷凍して加熱して解凍すると、どうしてもパサつき感が気になります。出来立てが衛生面が安心で美味しさも美味しいですので、離乳食に卵焼きを作る時は大人メニューも卵焼きにして取り分けてみましょう。
時期別 離乳食 卵焼きレシピ
離乳食完了期 とろろ昆布の卵焼き
<材料>
卵 2/3
かつお昆布だし 大さじ1
とろろ昆布 少し
油 少し
<作り方>
1.卵をボウルに割り入れ溶き卵を作り、かつお昆布だし、とろろ昆布を入れて混ぜる
2.フライパンに油を敷いて、1を流し入れ卵焼きを作る
*ステップに合わせてフタをするなどの手順を入れる
離乳食完了期 レーズンの卵焼き
<材料>
卵 2/3
牛乳 大さじ1
レーズン 5g
バター 少し
<作り方>
1.卵をボウルに割り入れ溶き卵を作り、牛乳、刻んだレーズンを入れて混ぜる
2.フライパンにバターを溶かし、1を流し入れ卵焼きを作る
*ステップに合わせてフタをするなどの手順を入れる
卵焼きが食べられるようになると、赤ちゃんも「パパママと同じものを食べている!」と嬉しくなると思います。トッピングを変えると、同じ卵焼きでも風味や見た目が変わりますのでいろいろチャレンジしてみてくださいね!
記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。
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