HugKumでは【教えて!保育士さん】シリーズとして『保育士座談会』をスタートしました! 子育て中のみなさんへ現役保育士さんの声をどんどん届けていきます。
第三回は「こどもが喜ぶおもちゃ」について。子どもの成長に合ったおもちゃを必死に選んだのに、全く興味を示さない、なんてことありますよね。そこで、たくさんの園児と接している保育士さんに、子ども達が夢中になるおもちゃについてお聞きしました!
お話を伺った先生
目次
乳児は簡単にできる、手作りおもちゃがベストマッチ【0歳児】
筆者の子(4歳)は買ったおもちゃにすぐ飽きてしまうんです。おもちゃって、年齢や能力に合っていないと、遊ばないものなのでしょうか……。今日は、年齢別におススメのおもちゃをお聞きしたいです!
Q.0歳児におすすめのおもちゃは?
小林先生:0歳児は、持って舐める、持って鳴らす。そして何かを入れる。この3つをとても楽しむんですね。市販のおもちゃでちょうど良いものがない時は作っています。
中村先生:そうそう。0歳児はなめてボロボロにしてしまうので、古くなったら新しいものへ作り直せる手作りおもちゃの方が衛生的にも費用的にも良いですよね。
特に、ペットボトルにビーズなどを入れたマラカスはみんな大好き!また、牛乳パックの新幹線は人気がありますね。潰れない様に、中に丸めた新聞紙や牛乳パックを入れるといいですよ。
斎藤先生:わが園は、新幹線をラップの箱でも作ります。中にラップの芯を入れておくと、振った時にカタカタと音がするのも子どもたちは喜びます。『ドクターイエロー』や、『はやぶさ』が人気ですね!
【ラップ箱新幹線の作り方】
- ラップの空き箱に、芯を入れてガムテープで止める。
- 周りに画用紙で新幹線の装飾をする。窓は、白いビニールテープで作るとキレイに仕上がるのだそう。
- 周りを透明のビニールテープでコーティングする。こちらはOPPテープ(※)を使用。※本をコーティングするブッカーなどでも可
「チエンリング」は何通りでも遊べる、万能おもちゃ!【1歳児】
1歳児になると、行動範囲が広がって、お話ができる子も出てきますよね。一方でまだモノを口に入れることも多い頃ですが、どんなおもちゃが良いのでしょうか。
Q.1歳児におすすめのおもちゃは?
小林先生:1歳児さんのおままごとには、市販のままごとセットではなく100均でも買えるチエンリングを使っています。まだまだおもちゃを口に入れる子も多いので、誤飲を防ぐために2重につなげています。
なるべく食材に近い色を用意してあげると、おままごとで〝食材〟に見立てて、お皿やタッパーに入れて遊ぶんです。
チエンリングは他にも、ラップの芯筒の中に落として遊んだり、ドレッシングの空き容器に入れて落としたり。ダンプカーに乗せて運んでいる子もいますよ!
私の園では、なるべくおもちゃは2~3通りの遊びができるおもちゃを選ぶようにしています。
指先の訓練にピッタリ! 〝ボタンつけおもちゃ〟【2歳児】
チエンリング、子どもの保育園にもありました!
2歳児になると、色々なことを自分でやりたい!という気持ちや主張が強くなってくる頃ですよね。この頃に適したおもちゃはどんなものなのでしょう。
Q.2 歳児におすすめのおもちゃは?
中村先生:2歳児クラスには、手先の訓練を兼ねてボタンつけのおもちゃを置いています。細長いフェルトにボタンと、ボタン穴を付けた簡単な手作りおもちゃですが、たくさん用意しておくと、何個もつなげて遊んでいます。
斎藤先生:私の園では、長細いタイプだけではなく、魚の形のボタン付けも作って置き、〝魚釣りボタン付け〟を楽しんでいますよ!
小林先生:ポポちゃん人形のお世話も好きなんですが、市販の〝抱っこ紐〟はうまく使えない子がいるので、園では手作りの抱っこ紐を用意。ランドセルの様に背負って使っています。
1歳児クラスの子達もおんぶしたがります。
〝井型ブロック〟は、園では定番中の定番!【3歳児】
2歳児までは先生の手作りおもちゃが大活躍なのですね!
3歳児になると、簡単なおもちゃでは足りなくなってきますよね。我が子がまさに3歳児クラスですが、家では兄と一緒にテレビゲームをやっている程なので……。保育園ではどんなおもちゃが好まれるのでしょうか。
Q.3歳児におすすめのおもちゃは?
小林先生:3歳児は井型ブロックと呼ばれるブロックが大好きで、みんなよく遊びますよ。ニューブロックなどがそれです。男の子は電車や『新幹線変形ロボ シンカリオン』を作ったり、女の子は家を作ったりしています。
座って遊びたい子は、ジグソーパズルも好きですね。
幼児は、考えるおもちゃを【4~5歳児】
井型ブロックは我が家にもあります! やらせてみます!
4~5歳児になると、いよいよ単純な遊びは飽きてしまうし、好みも分かれてくる頃ですよね。おもちゃ選びに苦労する年齢だと思います。
Q.4-5歳児におすすめのおもちゃは?
中村先生:4~5歳になると考えるおもちゃが好まれますよね。
小林先生:レゴやジグソーパズル、かるたやトランプなどができるようになります。特に、カプラというシンプルな積み木で、大きな道路や橋を頑張って作る子が多くいます。
ぶつかると崩れてしまうので、積み木のそばでは静かにするという暗黙のルールが子どもたちの間で生まれるほど幼児さんたちは好きです。
子どもの想像力を掻き立てるおもちゃは、身近にもある⁉
筆者:手作りおもちゃは魅力的ですが、育児や仕事の合間に作るのはハードルがちょっぴり高いような……。そんなとき、どうしたら良いでしょうか?
Q.手作りおもちゃはハードルが高いのですが……
小林先生:せんたくばさみだけでも結構遊べますよ! 買うときは、挟む力が弱めのものを吟味して選ぶと良いです。
斎藤先生:そうそう! 洋服につけて遊ぶ、おしゃれな子もいますよ。
筆者:せんたくばさみをおもちゃに⁉ 考えたこともありませんでした!
中村先生:幼児さんなら、廃材をとっておくと勝手におもちゃを作り出します。私の園ではヨーグルトのカップやトイレットペーパーの芯、お菓子の空き箱などを廃材コーナーとして集めています。気づけば子ども達が想像力を働かせていろいろ作っているんですよ。
小林先生:私の園でも箱でカバンを作ったり、自分達が入れるくらいの家をつくるのにハマっています。廃材はためておいて、ある程度あつまったらまとめて出してあげると子どもたちがいろんなものが作り出します。
子どもは遊びを見つける天才!
忙しい保育の合間に、子どもに合ったおもちゃを作ってくれる先生方には頭が下がります! と同時に、洗濯ばさみや空き箱で遊びを広げられる子ども達の発想力もすごいと感心。パパママがあれこれお膳立てするよりも、使わなくなった空き箱などで、子どもに委ねてみると良いのかもしれませんね。
明日公開予定の【後編】では、現役保育士さんが、自分の子どもに与えているおもちゃや季節の遊びについても教えてもらいましたので、楽しみにしていただければと思います。
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文・構成/寒河江尚子 協力/小学館アカデミー保育園