うるう年とは?
4年に1度といわれている「うるう年」。このうるう年はなぜあるのでしょうか。その意味を解説していきましょう。
うるう年の意味
うるう年(閏年)とは、2月29日が存在する年のことをいいます。「閏(うるう)」とは、暦(こよみ)の上での日数や月数が平年より多いことを指し、この日を「閏日(うるうび)」、閏日がある月を「閏月(うるうづき)」、閏日がある年を「閏年(うるうどし、じゅんねん)」といいます。
このうるう年は、約4年に一度訪れます。平年は365日ですが、うるう年には366日になるということです。
なぜ、うるう年が設定されたのかというと、実際の季節と暦がずれてしまうためです。
平年を365日とする太陽暦で、地球の平均回帰年(太陽が黄道上の分点と至点から出て再び各点に戻ってくるまでの周期のこと)は約 365.242199 日です。ですので、ずっと365日の暦にしてしまうと、徐々に季節と暦がずれてしまいます。そのため、ほぼ4年に一度、2月に1日を足して調節をしているのです。
いつから始まった?
うるう年の始まりは、1582年にさかのぼります。ローマ教皇・グレゴリウス13世が「グレゴリオ暦」という暦を制定したことから、始まりました。
この「グレゴリオ暦」は、数百年をかけて世界標準となりましたが、日本では、明治5年12月2日の翌日を、新暦と呼ばれる太陽暦の明治6年1月1日(グレゴリオ暦1873年1月1日)とし、始まったそうです。
子どもに簡単に説明するには?
うるう年を、お子さんに簡単に説明するには、3つのポイントをおさえるといいでしょう。
・だいたい4年に1回うるう年がくる
・うるう年には、2月が29日まである(平年は2月28日まで)
・うるう年は季節と暦のズレを調整する意味がある
これだけ抑えておけば、うるう年が何なのかが理解できるのではないでしょうか。
うるう年はいつ?計算方法と決まり
うるう年は、ある一定の決まりにしたがった計算方法で算出できます。いろいろな年を、計算して、うるう年かどうかを確認してみてくださいね。
計算方法のルール
現在私たちが使っている暦は「グレゴリオ暦」といいます。このグレゴリオ暦法では、うるう年を次のようなルールのもとに決められています。
ルール①:うるう年は西暦年号が4で割り切れる年
ひとつめのルールは、「西暦年号が4で割り切れる年がうるう年」ということです。
たとえば、西暦2024年、2020年、2012年などをルールに当てはめて計算してみると、該当しますので、うるう年となります。
ルール②:西暦年号が100で割り切れて400で割り切れない年は平年
ふたつめのルールは、「西暦年号が100で割り切れ、400で割り切れない年は平年」ということです。
たとえば、西暦2100年、2200年、2300年などが当てはまります。これらの年は平年です。
ただし、西暦2000年、2400年のように、100でも、400でも割り切れる年はうるう年となります。
うるう年の一覧
20世紀、21世紀、22世紀のうるう年の一覧です。計算のルールが当てはまるかやってみてください。
20世紀(1901~2000)のうるう年
1904/1908/1912/1916/1920/1924/1928/1932/1936/1940/1944/1948/1952/1956/1960/1964/1968/1972/1976/1980/1984/1988/1992/1996/2000
21世紀(2001~2100)のうるう年
2004/2008/2012/2016/2020/2024/2028/2032/2036/2040/2044/2048/2052/2056/2060/2064/2068/2072/2076/2080/2084/2088/2092/2096
22世紀(2101~2200)のうるう年
2104/2108/2112/2116/2120/2124/2128/2132/2136/2140/2144/2148/2152/2156/2160/2164/2168/2172/2176/2180/2184/2188/2192/2196
うるう年とオリンピックの開催年は関係ない?!
夏季オリンピックが開かれる年は、うるう年ということを聞いたことはありませんか? それは本当なのでしょうか。
うるう年もオリンピックも、4年に一度のイメージがありますよね。そもそも、オリンピックの第1回アテネ大会は、1896年のうるう年にはじまりました。そのことから、4年に1度のオリンピックと、うるう年が重なることが多いのです。
しかし、うるう年ではない年にも、夏季オリンピックは開催されています。それは、1900年のパリ大会です。この西暦年を先ほどの計算方式のルール②に当てはめてみましょう。そうすると、100で割り切れますが、400では割り切れません。よって、1900年は平年でした。今後平年にオリンピックが行われる年は、2100年となります。
また、記憶に新しい2020年の夏季オリンピックは、コロナウイルスの影響で1年間延期となり2021年に東京で開催されました。
うるう年が誕生日だとどうなる?
2月29日のうるう日に生まれた人は、うるう年ではない平年は、いつ誕生日といえるのでしょうか。また、公的機関などに影響はあるのでしょうか。子どもの場合、大人の場合、それぞれをご紹介しましょう。
2月29日が誕生日の子どもの場合
2月29日生まれの人は、誕生日が4年に1回しか来ないの? 4年に1回しか年を取らない? と思う人もいるかもしれませんね。しかし、2月29日に生まれた人も、1年に1歳年をとります。
これは、「年齢計算ニ関スル法律」という法律で、年齢を計算するときには出生日を初日に算入することが定められています。簡単にいうと、誕生日前日の24時に1つ歳をとるということです。たとえば西暦2024年2月29日生まれの人は、西暦2025年2月28日の24 時になった時点で満1歳となります。
このことから、誕生日のお祝いは2月28日ではなく、3月1日に行うと、誕生日を迎えて正式に1つ歳をとったということになりますね。
2月29日が誕生日の大人の場合
大人で2月29日生まれの人が気になるのは免許証ではないでしょうか。免許証の生年月日のところには、きちんと2月29日生まれと記載されます。
道路交通法により、免許の有効期間は、誕生日の前後1ヶ月と定められています。よって、2月29日生まれの人は、うるう年以外の年の誕生日は2月28日とみなされ、免許を更新する場合は、1ヶ月後までの3月28日が期限となるそうです。
うるう年の貴重なうるう日を有意義に過ごそう!
うるう年の意味や計算方法などをご紹介しました。うるう年は、いつもの年よりも1日長いということがわかりましたね。2月29日の貴重な1日を有意義に過ごしましょう。
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文・構成/HugKum編集部