知ってるつもりでいたけれど…「水ぼうそう」や「おたふくかぜ」ってどんな病気?【小児科医監修】

子どもに多い「水ぼうそう」や「おたふくかぜ」の対処法・予防法などを小児科専門医の森戸やすみ先生にお聞きしました。

水ぼうそうってどんな病気?

水ぼうそう(水痘)は、水痘・ 帯状疱疹ウイルスによって起こります。赤みのある発疹が数個現れて増えていき、かゆみのある水疱(中に液体がたまった発疹)にかわって2~ 3日で全身に広がります。
発疹と同時 に発熱することもありますが、微熱程度のことがほとんどです。水疱はかさぶたになり、1~2週間できれいに治ります。

水ぼうそうの治療法

発症後72時間以内なら、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が処方されることがあります。かゆみが強い場合、塗り薬を使うことも。ワクチンを接種していない子どもの場合、感染した人と接触してから3日以内なら、ワクチンを緊急接種することで発症を防げる可能性があります。
感染力が強い病気なので、事前に連絡を入れてから受診しましょう。

水ぼうそうのホームケア

塗り薬は、発疹の上だけにのせるように使います。体が温まるとかゆみが増すことがあるので、かゆみがあるうちは、入浴はシャワーですませましょう。
食欲がない場合は無理をさせず、水分補給を。
水疱のかきこわしを防ぐため、爪は短く切ってやすりをかけておきましょう。
水疱の中の水分にウイルスが含まれているので、家族は水疱に触れないようにし、タオルの共用も避けましょう。
すべての水疱がかさぶたになるまで、登園は禁止です。

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おたふくかぜってどんな病気?

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は3~6歳ごろの子どもに多く見られ、ムンプスウイルスに感染することによって起こります。両側または 片側の耳の下~あごが腫れて痛み、発熱することもあります。
腫れや痛みは 10 日ほどでおさまることが多く、熱も3~4日で下がります。

おたくふくかぜの治療法

病院での治療は、つらさをやわらげるための対症療法が中心です。痛みが強かったり高熱が出たりしているときは、鎮痛解熱薬が処方されます。
おたふくかぜも感染力が強い病気なので、事前に連絡を入れてから受診しましょう。

おたふくかぜのホームケア

口を開けにくかったり、ものを飲み込みにくかったりすることがあるので、食べやすい食事を。
発熱しているときはこまめに水分補給をし、脱水を予防します。痛みが強いときは、冷やすと楽になることもあります。
腫れが出てから5日過ぎ、全身の症状がよくなるまで登園は禁止です。

おたふくかぜの合併症って?

おたふくかぜは、頭痛や吐き気、 高熱が見られる「無菌性髄膜炎」や聴力に後遺症が残る「ムンプス難聴」などを引き起こすことがあります。難聴は自覚しにくいので、身近な大人が子どもの様子に気を配ることが大切です。

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記事監修

小児科専門医 健康アドバイザー
森戸 やすみ 先生

一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、小児科クリニック勤務。著書に『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)など。

『めばえ』2020年5月号 イラスト/原あいみ(京田クリエーション) 構成/野口久美子

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

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