子供の口内炎の原因は?カタル性・ヘルペス性・手足口病などの種類と症状、自宅ケアや予防法【医師監修】

一度できるとなかなか治りにくく、食事のたびに傷む口内炎は、大人はもちろん子供も相当ツライはずです…。そんな子供の口内炎の原因や、カタル性・ヘルペス性・手足口病などの種類とそれぞれの症状について、みなと元町内科クリニック院長の笠木伸平先生に教えていただきました。また、口内炎がひどくなったときに疑うべき病気や、病院に行くなら何科で診察してもらうべきなのか、さらに、子供の口内炎ケアや予防法についてもアドバイスをいただきました。

子供の口内炎の原因

子供、口内炎
子供に口内炎ができる原因と予防法について確認しましょう。

口内炎とは、口の中や周辺の粘膜に生じる炎症のこと。大きさはさまざまで、1カ所だけでなく、口内の複数の箇所にできることもあります。そんな口内炎ができてしまったとき、どんなことが原因として考えられるのでしょうか?

傷や栄養バランスの偏り

口内炎が起きる最も多い原因のひとつが、栄養バランスの乱れです。特にビタミンB2が不足すると、口の粘膜にトラブルが起きやすくなります。甘いものやお菓子などの食べすぎになっていないか、栄養バランスのとれた食事ができているか、振り返る必要があります。また口内に傷ができてしまい、それがきっかけで口内炎が起きることもあります。

ウイルスの感染

ウイルスの感染によって口内炎がおきることもあります。子供の免疫力が落ちている場合、ウイルスに感染しやすくなります。ウイルス性の口内炎については後述します。

カビの一種

誰でも体のあちこちにカビの一種であるカンジダ菌を持っているのですが、これがなんらかのきっかけで増殖し、口内炎を起こすこともあります。この場合も、免疫力の低下によって引き起こされることが多いようです。

アレルギーや虫歯

食べ物アレルギーや薬物アレルギー、金属アレルギーなどの反応で口内炎が起きることもあります。また、虫歯ができているなど、口内が不潔になっている場合に口内炎が発生してしまうこともあります。

子供の口内炎の種類と症状

口内炎は口の粘膜に起こる炎症の総称であって、症状によってさまざまな種類に分けることができます。ここでは子供の口内炎の一般的な種類についてご説明しましょう。

アフタ性口内炎

ビタミン不足や精神的なストレスなどが原因で起こる口内炎のひとつが「アフタ性口内炎」です。表面が白っぽく、まわりが赤く、中心部分はくぼんでいます。

頬や唇の内側にできやすい

アフタ性口内炎は、頬の内側や唇の内側、歯茎などにできやすいのが特徴です。

カタル性口内炎

「カタル性口内炎」は、熱い食べ物で火傷をしたり、口内環境が不衛生な状態のときに、傷口から雑菌に感染して炎症を起こす口内炎です。口内の粘膜が赤く腫れたり、水泡ができたりします。

刺激を受けた部分にできやすい

カタル性口内炎は、火傷などの傷がきっかけになることが多いため、口内炎はその刺激を受けた部分に発生します。

ヘルペス性口内炎

口内炎はウイルスの感染が原因となる場合もあると先程ご紹介しましたが、その一種が「ヘルペス性口内炎」です。ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスに感染すると、口内炎が口の中にたくさん発生します。

口のまわりや粘膜にできやすい

水ぶくれのような状態の口内炎が、口のまわりや粘膜に見られることが多くあります。

ヘルパンギーナ

「ヘルペス性口内炎」と同じように、ウイルス感染によって起こる口内炎が「ヘルパンギーナ」です。水泡性の発疹が口内に出てきます。

口の粘膜にできやすい

ヘルパンギーナは、口内の粘膜部分に水泡性の口内炎がたくさんできます。同時にのどが赤く腫れて痛みを感じることもあります。

手足口病

「手足口病」も、ウイルス性の口内炎です。口の中に2~3㎜ほどの水ぶくれ状の発疹が現れます。手足口病は夏場に発生することが多くなります。

口内にできやすい

手足口病は、手のひらや足の裏など全身に水泡性の発疹ができますが、口の中にも同じような水泡性の症状が出てきます。水泡がつぶれると潰瘍状になることもあります。

カンジダ症口内炎

カンジダ菌が原因で起こる口内炎が「カンジタ症口内炎」。白い斑点状や白い苔のように見えるものができます。

口内や唇にできやすい

カンジダ症口内炎は唇や口内に症状がよく見られます。

子供の口内炎、ひどくなったら疑うべき病気は?

子供の口内炎、ひどくなったら疑うべき病気は?
子供の口内炎、ひどくなったら疑うべき病気は?

子供に口内炎ができても、自然に治っていくことが多いでしょう。しかし、悪化したり子供が痛がったりするなら、さまざまな病気の可能性についても考えておく必要があるかもしれません。

なかなか治らない

口内炎がなかなか治らない場合、口内炎の原因となるものが改善されていないことが考えられます。免疫力の低下なら、睡眠をしっかりとって心身を休め、栄養バランスを考えた食事をするなどしてみましょう。それでも症状が長引く場合は、アレルギーや薬疹などの現れかもしれません。

よくできる

頻繁に口内炎が起こるようであれば、原因を考えることが大切です。生活習慣や食事などに問題が見られない場合は、ストレスから起こる「アフタ性口内炎」かもしれませんので、子供の日常生活やメンタルに目を向ける必要があります。また、いつも同じ場所によくできる場合などは、噛み癖などで付いた傷が原因となっている可能性も。歯並びや食べ方、噛み方を見直してみましょう。

熱が出る

口内炎ができて発熱しているようなら、ウイルス性の口内炎になっている可能性があります。自然に治るのを待つのではなく、病院へ行って適切な処置を受けてください。

子供の口内炎、病院に行くなら何科?

子供に口内炎が起きたとき、病院で診てもらうなら何科を受診したらよいのでしょうか? 口内炎は耳鼻咽喉科が専門と言われていますが、子供の場合は小児科や小児歯科でも診てもらうことができます。かかりつけの小児科があれば、まずはそこで診察してもらうといいでしょう。

治療法

口内炎はその種類によって適した治療が行われますが、一般的にはうがい薬や洗口剤で口の中をきれいに保つようにしたうえで、塗り薬や飲み薬が処方されることが多いでしょう。ウイルス性の口内炎には、そのウイルスに適した抗ウイルス薬が用いられます。また、早期の治癒が求められる場合は、レーザー治療という選択肢が提案される場合もあるでしょう。

処方される薬

口内炎部分を保護するシールタイプや、直接塗布する軟膏タイプ、手軽で衛生的なスプレータイプなどがあります。胃腸薬と一緒に服用することでより早期の改善が期待できるとされています。

子供の口内炎を自宅でケアする方法

子供に口内炎が起きたとき、自宅ですぐにできるケアとしては、毎日の食事や歯磨きの見直しが挙げられます。軽い口内炎なら、これだけで症状が軽減することも多いでしょう。

食事

皮膚や粘膜の健康に必要なビタミンB2やビタミンB6の摂取を心がけましょう。また口内炎で痛みがある場合は、熱すぎたり冷たすぎたりするメニューは避けて、あまり噛まずに食べられるスープやおかゆなどを選ぶようにしましょう。

歯磨き

口内炎ができたときは、口の中を清潔にすることも必要。毎食後に歯磨きをきちんと行い、食べかすを口内に残さないようにしましょう。

市販の薬の選び方や注意点

軽い口内炎で、それ以外に発熱などの症状がない場合は、ドラッグストアで販売されている内服薬や塗り薬などを利用してもいいでしょう。また抗炎症作用のあるうがい薬で、口内環境を整えるという方法も有効です。

子供の口内炎の予防法

普段の生活のなかでできる口内炎の予防法には、どのようなものがあるのでしょうか?

口の中を清潔にする

不衛生な口内環境では、ちょっとした傷口から炎症を起こす可能性もあります。そのため、いつも口内を清潔に保つことが大切です。子供はまだ上手にできないかもしれませんが、歯磨きで食べかすをキレイに取り除かないと、口内に雑菌が増える原因となります。歯磨きは虫歯予防やエチケットのためだけではありません。口内炎の予防にも欠かせないので、普段から子供の歯磨きをしっかり見てあげて、仕上げ磨きをママパパが行ってあげてください。

栄養バランスのいい食事

お菓子などの間食が多かったり偏食になったりすると、栄養バランスが崩れて口内炎になりやすくなります。バランスよくたくさんの食材が含まれた食事が摂れるように気を配りましょう。

歯科医院で定期検診を受ける

口内環境を衛生的に保つためにも、歯科医院などで定期健診を受けることも大切です。虫歯のチェックや歯垢のクリーニングなどを行ってもらうことで、子供のお口の健康を守りましょう。また、正しい歯磨きを指導してもらうことで、口の中をキレイにする意識付けにもつながります。

写真での自己判断は控えて。口内炎が心配なときは病院へ行こう

口内炎は身近な疾患でもあるため、つい軽く考えてしまうことも多いかもしれません。インターネットで検索して見つけた口内炎の写真と子供の症状を比較して、「うちの子はまだ大丈夫」と自己判断するのは危険かもしれません。口内炎のなかには、発熱を伴うものやウイルス性のものもありますから、なかなか改善が見られないときや症状がひどい場合は病院を受診するようにしましょう。

記事監修

みなと元町内科クリニック院長
笠木 伸平(かさぎ しんぺい)

大学卒業後、内科医師、膠原病リウマチ専門医として病院勤務。米国国立衛生研究所の特別研究員、神戸大学医学部付属病院検査部 副部長の経験を経て、現在はみなと元町内科クリニックで院長を務める。「未病」(=健康でもない、病気でもない半健康状態)の患者さんに対して、最新の西洋医学、東洋医学、栄養学、心理学を組み合わせた診断とケア、カウンセリング等を提供。患者さんと一緒にその方にあった生活習慣の改善方法を考えていくことを大切にしており、最終的に、未病の段階で自分のケアができ、薬に頼らなくても済む人を増やしていくことに取り組んでいる。
みなと元町内科クリニック

文・構成/HugKum編集部

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