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赤ちゃんの「ハイハイ」とはどんな動き?
ハイハイとは、手のひらと膝を床につけて四つ這いの状態のまま移動することをいいます。この四つ這いのハイハイのほかに、手のひらと足の裏をつけて移動する「高ばい」もあります。
ハイハイする理由
赤ちゃんは、ハイハイすることで次のような影響があるといわれています。
・ハイハイは体全体を使うため全身運動になり、筋力がアップする。
・手や足で、頭や胴体を支えるため、体幹やバランス感覚が養われる。
・いろいろな場所へ自主的に移動することでたくさんの刺激を受け、脳が活性化する。
・意欲や自我、好奇心などが芽生える。
赤ちゃんにとってハイハイは、身体能力を身につける大切な時期ですから、すぐにつかまり立ちを促さず、たくさんハイハイができるようサポートしてあげてくださいね。
ハイハイができるまで、どんな過程を経るの?
赤ちゃんは、どのようなステップを踏んでハイハイができるようになるのでしょうか。発達の過程と、目安の時期を紹介します。
首すわり(生後3〜4ヶ月頃)
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寝返り(生後4~6ヶ月頃)
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お座り(生後5~7か月頃)
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ずりばい(生後5~7か月頃)
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ハイハイ(生後8ヶ月前後)
このように赤ちゃんは頭、体、足の順に体が発達していきます。ただし、体の発達には個人差があるので、これらの段階を踏まず、ハイハイできるようになる赤ちゃんもいます。
赤ちゃんがハイハイする時期はいつからいつまで?
赤ちゃんがハイハイする時期はいつからいつまでなのでしょうか。
ここでは、一般的な時期を説明します。ハイハイができるようになる時期には個人差があるので、あくまでも目安として捉えてください。
一般的には8ヶ月前後がハイハイがしだす時期
赤ちゃんがハイハイしだす時期は、生後8ヶ月が目安です。このころになると、お座りも安定してできるようになり、両手でおもちゃをつかんで遊ぶようになります。
ハイハイできるようになると活発に動き回りますので、ケガなどをしないよう、十分に目を配るようにしてください。
ハイハイは1歳ごろまで
ハイハイが終わるのは、つかまり立ちをし、一人で歩けるようになる1歳頃が目安です。歩けるようになっても、早く移動したい、急いで目的の場所へ行きたい場合は、ハイハイをすることもあります。
ハイハイの前兆ってどんなもの?
ハイハイができるようになる前兆があります。どんなものがあるのか見ていきましょう。
ハイハイ前の「自分でお座りする」前兆は?
ハイハイをする前には、一人でお座りができるようになります。
このお座りは、一般的に支えると座れるのが生後5~7か月頃、一人で座れるのが7〜9ヶ月頃までといわれています。
「自分でお座りする」前兆は、寝返りが打てることやずりばいをすることなどです。これらの発達により手や足など全身に筋力がつくため、お座りも安定してできるようになっていきます。
お座りをしながらゆらゆら動く
ハイハイの前にできるようになるお座り。ハイハイの前触れは、このお座りのときに、前に手をつき、前後にゆらゆらと動くようになったら、です。お座りができずにぐらぐらしているのとは違い、前に進みたいという感じで動きます。
土下座ポーズをする
赤ちゃんが手を前に伸ばし、頭を床につけているポーズをしていることはありませんか。
まるで土下座のようなポーズですが、これこそハイハイの前兆かもしれません。この土下座の姿勢から、前方向に体を起こすと、四つ這いの姿勢をとることができます。四つ這いができれば、あとは前へ進むだけ!ハイハイをするようになることが多いです。
ずりばいの状態からお尻をあげ、四つ這いの姿勢になる
ずりばいは、うつぶせの状態で頭をあげ、腕や足を使って前や後ろに進む状態のことです。多くの場合、このずりばいからハイハイができるようになっていきます。
すりばいの状態から、お尻を持ち上げ、四つ這いの姿勢をとろうとしているのであれば、それはハイハイの前兆です。四つ這いの姿勢がとれ、手足を使って前へ進めることがわかれば、ハイハイができるようになりますよ。
ハイハイしない赤ちゃんはおかしいの?
「うちの子、ハイハイしないけど何か問題があるの?」とお悩みのママ・パパに、赤ちゃんがハイハイしない理由を解説します。
ハイハイする筋力が備わっていない
ハイハイには、手や足、腰、お尻の筋肉に加え、腹筋、背筋なども必要になってきます。これらの筋肉が発達していないと、ハイハイの姿勢を保てず、動くこともできません。
意欲がない
筋力が備わっていても、ハイハイをしない赤ちゃんもいます。
それは、「ハイハイをしてまで移動したくない」「する必要がない」と赤ちゃん自身が思っているのが理由なのかもしれません。好奇心や探究心、五感を刺激すれば、ハイハイをしだすこともありますよ。
障害や病気の可能性も
目安の頃をずいぶん過ぎ、ハイハイをしない、歩かないのであれば、障害や病気の可能性も考えられます。考えられる病気には、次のようなものがあります。
・関節脱臼:足のつけ根部分の関節がはずれる、またははずれかけている病気
・低緊張(筋緊張低下症):筋肉の張りが弱い状態。この状態の赤ちゃんは、脳性麻痺、自閉症スペクトラム障害、筋ジストロフィー、先天性ミオパチーなどの疾患をもっている場合もあります。
しかし、早合点はNGです。不安や心配があればかかりつけの小児科医に相談するようにしましょう。
ハイハイしないで、つかまり立ち・立つ・歩く場合も
赤ちゃんのなかにはハイハイをせず、つかまり立ち・立つ・歩く子もいます。
その子にとっては、ハイハイという移動手段が必要なかっただけですので、なにも問題ありません。赤ちゃんは、必ずしもハイハイをしなければいけないわけではないので安心してくださいね。
ハイハイする赤ちゃんの遊び場にもなる床の注意点
ハイハイをしだしたら、部屋の中の床には注意が必要です。ここでは、その注意点を解説します。
ハイハイに適した床の素材に
お家の床にそのままハイハイさせることはもちろんできますが、安全性を考慮し、少し弾力のある床にするとよいでしょう。たとえば、畳やクッションフロア、コルクマットがおすすめです。柔らかすぎる床は、ハイハイしにくいので注意してください。
床掃除をして清潔に
床はゴミやホコリが落ちていて汚れています。赤ちゃんがハイハイしたときに、ゴミやホコリを口に入れてしまったり、ひょんなことから床をなめたりする可能性もあるので、床掃除をきちんと行うことが大切です。
床は、赤ちゃんにも安心な洗剤を使って拭き掃除をしましょう。
なかでもおすすめなのが重曹を使った掃除です。重曹は、ベーキングパウダーや胃腸薬などにも使われているため、万が一口に入っても安心。スプレーボトルに、1Lのぬるま湯と大さじ2~3杯程度の重曹を入れて混ぜ、そのスプレーを拭きつけながら床を拭きましょう。
片付けをして危険から赤ちゃんを守る
ハイハイができるようになった赤ちゃんは何にでも興味津々。勢いよく動くため、家具の角に頭をぶつけたりする可能性も。また、床に落ちているものを口に入れ、誤飲が発生するケースもあります。
赤ちゃんの手が届く場所に小さなものを置かないようにし、家具もできるだけ置かないようにすると安全・安心です。
記事監修
河井恵美
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
編集部おすすめ! 赤ちゃんのハイハイガードのおすすめ
ハイハイしていろいろなところに移動する赤ちゃん。そんな赤ちゃんの安全を守ってくれるアイテムがハイハイガードです。ガード内で赤ちゃんを遊ばせておけば、家事などの邪魔をされないメリットもあります。
「日本育児 おくだけとおせんぼM」
通しの良いメッシュネットなので見通しが良く、赤ちゃんがごっつんこしても安心のガード。壁へのネジ・両面テープいらずで、簡単に組み立て、設置ができるのもポイントです。
「ベビーガード 角 ガード コペルタ」
赤ちゃんが引き出しやドアを開けて指をはさんだり、いたずらするのを防いでくれるドアロックとしても、机の角や縁などに赤ちゃんがぶつかったときに衝撃から守ってくれるコーナーガードとしても使えます。5メートルのロールタイプのクッションが一本入った安全対策グッズセットです。切って自由に長さと幅を調節できます。家の中で危ないと思う場所に設置すれば安心ですね。
「ドア付き 天然木 ベビーサークル」
ジョイントでバネルを接続して、1人でも組み立て簡単。簡単2ステップでラクラク組み立てできます。使用しない時はパネルを重ねて収納ができるのでスペースを取りません。
安心・安全に赤ちゃんがハイハイできる環境を!
ハイハイは個人差はあるものの、8ヶ月前後ごろからできるようになります。赤ちゃんは、ハイハイで動けるようになると、家のなかでの行動範囲が広がっていきます。そうなると心配なのが、ケガや誤飲です。床を清潔にし、部屋をすっきりさせて、赤ちゃんが安心・安全にハイハイできる環境を整えてあげてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部