子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴47年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。
友達とのトラブルから、私が一緒に行かないと泣いて登校しません
毎日、小学校には通っているのですが、私が一緒に登校しないと泣いて行かない状態です。一緒に登校してわかったのですが、途中で同じ学年(1年生)のAちゃんに会うと校帽を深くかぶってうつむき、私の手をぎゅっと握ってきます。先日、上の子が「Aちゃんに何か言われたみたいよ。仲間に入れなくて寂しいみたいだよ」と言われました。今は、Aちゃんと時々、学校で遊んでいるようですが、登校のとき娘が納得するまでついて行ったほうがいいでしょうか。(1年生の女の子のママ)
集団登校にこだわらなくてもいいのでは。子どもの気持ちを尊重してあげて
一緒に登校することで、子どもの状況がわかってよかったです。
子どもが「お母さんについて来て欲しい」と言い、お母さんが大変でなければ続けていいと思います。お母さんが同行すると、相手の子の様子もわかりますよね。
かつて、寂しさから友達をいじめていた子がいました。いじめられている子の親は、心配して一緒に登校していたのですが、次第に親にべったり甘えるようになり「さびしい」と自分の気持ちを素直に伝えてきたそうです。でもそこまで付き合うのは、時間もかかるので親としては覚悟がいります。
集団登校は、便宜上、先生や親が考えたやりかたです。もし、集団登校でトラブルが起きているなら集団登校にこだわらなくてもいいと思いますよ。不安なときは背中を押さないほうがいいです。つんのめってしまいますからね。心の準備ができたら自ら進んで行くでしょう。
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教えてくれたのは
保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。
イラスト/海谷泰水