下の子が生まれてから、上の子の態度にイライラ!家事、育児がこなせなくて…【保育者歴46年・柴田愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴46年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

2歳10か月の息子が下の子を攻撃。いくら怒っても絶対に謝らずイライラが募ります。私の愛情不足が原因?

下の子が生まれてから、上の子にかまってあげられず親子で気持ちが通わなくなった気がします。上の子はすっかりパパっ子になり、私の言うことを全然聞きません。頑固で口が達者だから、余計に腹が立ちます!

何よりイヤなのが、下の子への攻撃です。下の子が何もしていないのに叩いたり、乗ったり、押したり…。危なくて目が離せません。上の子に理由を聞くと「〇〇(下の子)のこと好きじゃない! 怖い!」と言うので、悲しくなります。私の愛情不足が原因でしょうか。

私が怒っても絶対謝らず、謝っても口先だけで鼻で笑うので、つい叩いてしまうこともあります。「暴力はダメ!」とわかっているのですが…。

下の子が生まれると、育児書などには「上の子を優先して!」とよく書かれていますが、うまくできずに自分を責めるばかりです。本当は、上の子を優先したいけれど、下の子のお世話などに追われて遊んであげるどころか、家事もおろそかになり、公園に連れて行くことも思うようにできません。二人の子を育てることの大変さを痛感し、子育てや家事をこなせていない現実に愕然としています。

(7ヵ月の男の子&2歳10ヵ月の男の子のママ)

イヤなことがあるとすぐに「死ね!」と言うので困っています【保育者歴46年・柴田愛子先生の子育てお悩み相談室】
子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴46年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な...

上の子が、下の子を叩いたりするのは、どう扱っていいのかわからないからです。

7ヵ月と2歳10カ月のお子さんがいるのですから、それは大変! 二人に食べさせているだけで上出来です。子育ては、二人のときが一番大変とも聞きます。と言うのは子どもが三人になると両手で手を繋げなくなり、手に負えないから自然と手放すことができるようになるんですって。あなたは立派過ぎます!

家事ができないこと、上の子に優しくできないことなどの責任をすべて一人で背負い込んでいます。どれもこれもできることではないので、諦めることが肝心!

たとえば、上のお子さんにしてみたら下に生まれてママがそっちばかりに手をかけている。そのことで我慢もしていますが、パパを頼ることにしたのですからよかったじゃないですか! 気持ちが通わなくても、言うこと聞かなくても、とりあえず今はパパに任せましょうよ。きっとあなたのゆとりができてきた頃に、甘えてくるようになります。ありがたいパパです。

子ども達が元気なら合格ですよ。ママ自身のゆとりを取り戻しましょう

家事は、手抜きをしても命に関わりません。離乳食だって、みそ汁の具をつぶしたものでいいのです。極端に言えば、元気に生きていればいいのです!

上の子が、下の子を叩いたりするのは、どう扱っていいのかわからないからです。いじって試してみているのです。「これはなにもの?」って。やりすぎて危なかったら「壊れちゃうからダメ」「それはやりすぎ!」と子ども自身を否定しない、行動にストップをかける言い方をしましょう。やがて下の子が遊ぶようになったら仲良くなるので、今から兄弟仲良くなんて気にしなくていいです。

周りの意見や見本のような育児書に惑わされずに! 必死で頑張っているあなたは凄いです。もうちょっとで、一息つけるときがやってきますよ。

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教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて36年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。

イラスト/海谷泰水

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