「セサミストリート」が教えてくれる、多様性の世界を生きるということ。世界にさきがけてキャラクターブックが発売!

かつて、NHKで放映されていたアメリカの人気子ども番組「セサミストリート」のキャラクターたちを紹介する『セサミストリート キャラクターブック』が6月25日に小学館から発売されました。

『セサミストリート キャラクターブック』には、ビッグバードやエルモなど、人気キャラクターはもちろんのこと、日本オリジナルキャラクターなど、全部で110のキャラクターが登場。人種差別や貧困など、私たちの社会の縮図を象徴したキャラクターたちが、子どもたちにやさしく、多様性の世界に生きることを教えてくれます。

 「セサミストリート」は1969年以来、160以上の国と地域で放送されている子ども番組です

 「セサミストリート」は、1969年にアメリカで誕生した子どものための教育テレビ番組です。  

放送開始当時のアメリカでは、経済格差や人種差別が社会問題となっており、そのために質の高い教育をなかなか受けられない子どもたちがいました。「セサミストリート」は、そうした子どもたちに向けて、テレビを通して学びの場を提供したいという願いからスタートしたのです。  

さまざまな人間と個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるこの番組は、放送されるとすぐに話題となり、当初は読み書きや数の数え方といった知識だけでしたが、やがて社会生活をおくるうえで大事なマナーや、健康な体を維持するために必要な毎日の過ごし方、人と優しく接することなど、さまざまな情操教育についても取り組むようになりました。  

その内容は世界中から徐々に注目をされ、放送50周年を迎えた現在では、さまざまな国と地域で放送されています。    

世界中で放送されている「セサミストリート」。その番組名をその国の言葉で書くと、こうなります。

 

 1971年から2004年までNHKでアメリカ版が放映

日本では、現在テレビ放送はされていませんが、1971年から2004年3月までNHKでアメリカ版が放映され、その後、一時中断を経て、200410月から3年間、テレビ東京で日米共同制作版が放送されていました。「HugKum」読者のパパやママたちも、子ども時代に番組を観た記憶が残っている方も多いのではないでしょうか。

 さまざまな社会問題を、やさしく子どもたちに伝えるキャラクター達

 「セサミストリート」は、あらゆる形態の家族とその子どもたちを支援して、子どもとその家族の生活を豊かにし、可能性を生み出すことをテーマにしてきました。  そのため、これまでにさまざまな社会問題を取り上げています。

HIVの正しい知識を伝える、南アフリカの女の子・カミ

たとえば、南アフリカではエイズの流行に伴って、HIVに感染した5歳になる女の子・カミというキャラクターを登場させて、HIVに対する正しい知識を伝えています。

南アフリカのオリジナルキャラクター「カミ」。HIV感染している女の子。

 

 ジェンダーには差異がないことを伝える、アフガニスタンの女の子・ザリ

 

ザリと弟・ジーラック。お姉さんとおなじで大きくなったら学校に通いたいと思っている。

また、女子教育が男子よりも進んでいないアフガニスタンでは、好奇心が旺盛で勉強熱心な女の子・ザリを登場させて、女の子でも夢を持ち、それを叶えることができることを伝えています。

ホームレスの子どもたちに寄り添う女の子・リリー

アメリカの女の子キャラクター「リリー」

本場アメリカでも、そうした取り組みは同様 に行われており、そのときどきのアメリカにおける社会問題を取り上げています。  たとえば、貧しさから家を失う子どもたちの増加に伴って、7歳の女の子・リリーを登場させて、ホームレスの子どもたちへの理解と思いやりを持つことの大切さを伝えています。

 自閉症の女の子・ジュリアが伝える、発達障害児の特性

 

自閉症の女の子ジュリア

 

また、発達障害児の認知が高まるにしたがって、自閉症の女の子・ジュリアを登場させて、自閉症児の特性や、そうした子どもたちとどのように接したらいいのかを伝えています。

【セサミストリート50周年!】 自閉症のキャラクター「ジュリア」など、人気キャラクターが“多様性”を伝える
1969年、アメリカでスタートした教育テレビ番組 これまで世界150以上の国と地域で親しまれています!! ↑...

 キャラクターを通して、認め合って生きることのすばらしさを伝え続けるセサミストリート

このように社会問題に向き合うことで、「セサミストリート」では世界にはさまざまな人種や民族、異なる宗教や文化があることを子どもたちに伝えるとともに、お互いがそれぞれを認め合い、生きることの素晴らしさやその重要性を、キャラクターを通して伝えているのです。

インクルージョンという言葉をご存知でしょうか? 多様な人々がお互いの個性を認め合って共に生きる環境を意味します。

まさに“多様性とインクルージョン”が、番組の大きなテーマとなっています。

実際にどのような伝え方をしているかは、セサミストリートのYouTubeの日本公式チャンネルで見ることができます。

>>>セサミストリート日本公式チャンネル

 

自閉症の女の子・ジュリアの特性や彼女と接するときに知っておきたい知識について紹介するコンテンツや、ビッグバードを通して「さまざまな風貌の違いがあっても、そのあるがままの姿を認め合う大切さ」を伝えるコンテンツなど、〝多様性とインクルージョン〟をテーマにした動画を観ることができます。

 

『セサミストリートキャラクターブック』は、110のキャラクター紹介と番組エピソードが満載!

監修/セサミワークショップ 1300円+税 人気キャラクター15の紹介は各1ページずつ紹介。意外なエピソードや秘密がわかります。

 『セサミストリート キャラクターブック』 には、人気キャラクターはもちろんのこと、私たちの社会の縮図ともいえる多様なキャラクターたちを含めて、全部で110のキャラクターが紹介されています。日本だけのオリジナルキャラクターもいるんですよ。

 

 たとえば、おなじみの人気キャラクターについては、「ビッグバードの好きな食べ物は?」「エルモのペットは?」といったあまり知られていないキャラクターの性格やプロフィールやエピソードを詳しく知ることができます。

 

人気のキャラクター15については、1ページずつ紹介しています

 小学生を対象にした教育プログラム「セサミストリートカリキュラム」

また、小学生を対象に開発された教育プログラム「セサミストリートカリキュラム」についても紹介しています。

「キャリア・価値の理解・インクルージョンの実現」という3つを学びの視点にしたプログラムで、道徳科や総合的な学習の時間などで導入している小学校も増え始めています。

掲載されているキャラクターたちのことを知ることで、世界にはいろいろな境遇に置かれた人がいて、それぞれがさまざまな風貌で異なる文化を持って暮らしていることが、おのずとわかると思います。

おうちでできる国際理解教育への手掛かりにもなる1冊です。お子さんといっしょに手に取ってみてはいかがでしょうか。

キャラクターブックと同時に『セサミストリート シールブック』も発売!

小学館刊/590円+税

 

『セサミストリート シールブック』はジャパニーズアニメ風、アフロ風などバラエティーに富んだセサミストリートキャラクターのシールが384枚付いています。

 「セサミストリートカリキュラム」が体験できるサマーキャンプがオンラインで開催

この夏、「キャラクターブック」の中でも紹介している、小学生を対象にした「セサミストリートカリキュラム」が体験できるサマーキャンプがオンラインにて開催されます。  

全国各地から集まった同世代の仲間やセサミストリートのキャラクターたちといっしょに将来の夢を描き、その実現のために必要なスキルや知識を双方向で学習します。  

開催期日は8月1日(土)、8月8日(土)の計2日間。中学年コース(小学3・4年生)と、高学年コース(小学5・6年生)の2クラス(各クラス20名限定・毎回約2時間を予定)を開催します。   サマーキャンプへの参加は無料です。キャンプの詳細や申し込みについては、セサミストリートジャパンのホームページをご覧ください。

セサミストリートジャパン  

 

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構成/山津京子    

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