夏休みの学童保育は何が違うの?
「学童保育」は、共働きで日中に子どもの面倒が見られない家庭にとって、とても強い味方です。
特に、学校の授業がない夏休みの学童保育は、子どもを安心して預けられる上に、子どもが充実した時間を過ごせる貴重な場といえるでしょう。
夏休み中の学童保育利用を検討している人は、まず通常の学童保育と夏休みの学童保育の違いを確認しておきましょう。
1日の過ごし方
通常スケジュールの学童保育は、学校が終わってから始まります。しかし、夏休みは学校の授業がないため、朝から受け入れを行っています。
子どもたちは、それぞれ午前中に夏休みの宿題や自主勉強をしたり、静かに読書をしたりして過ごします。余裕があれば、施設の掃除や学校でプール授業をするところもあるでしょう。
その後、自宅から持参したお弁当を食べ、午後は自由時間です。施設によっては、昼寝の時間をとっていたり、3時のおやつがあったりするケースもあります。
ほかにも、夏らしく流しそうめんや夏祭りなど、みんなで楽しむイベントを行う施設もあります。
時間と料金
通常期と夏休みでは、学童保育で預かる時間が大きく異なります。夏休みの預かり時間は8時ごろ~18時ごろまでとしている施設が多くなります。
また、施設の利用人数などによっては「夏休み限定」で学童保育への入所希望を受け付けている場合があります。
その場合の料金に関しては、通常期と変わらない料金設定のところもあれば、預かり時間が異なる分、夏休みの特別料金を設定しているところもあります。
これらは、運営団体や自治体によって異なるため、きちんと確認しておきましょう。
出典:
学童保育クラブ・夏休み短期利用:目黒区公式ホームページ
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夏休みに学童保育を利用するメリット
学童保育を夏休みに利用するメリットについて解説します。どれも子どもの健やかな成長に大きく貢献するものばかりです。
規則正しい生活が維持できる
夏休みの学童保育は、子どもたちに「規則正しい生活」をさせるためにも役立ちます。夏休みは、毎日あった学校の授業が休みになることで、生活のリズムが崩れてしまう子どもは多いものです。
しかし、学童保育に通うことで、子どもたちは毎朝決まった時間に目覚め、決まった時間勉強に励むことになります。
学童保育が8時台~18時台までと、ほぼ通常期に近いスケジュールであることも、子どもたちの生活リズムを保つことにつながります。
新しい友達ができる
夏休み中の学童保育は預かり時間が長いため、子どもは普段よりも友達と交流する時間が増えます。同年代の子ども同士はもちろん、異なる学年の生徒や他校の生徒など、子ども同士でじっくりと仲を深めることができるでしょう。
また、いつもは学童保育に行っていない子どもの場合、夏休みの間だけ学童保育に通うことで、新しい友達をつくることもできます。
夏休み限定の子どもを受け入れている学童であれば、いつも通っている子どもにとっても、新しい友達ができるよいきっかけとなるでしょう。
いろいろなイベントに参加できる
夏休みに入って自由な時間が増えると、何も予定がない子どもたちは時間を持て余してしまいます。しかし、学童保育は同年代の子ども同士でいろいろなイベントに参加できるところが魅力です。
普段であれば自由時間に鬼ごっこやかくれんぼで遊んだり、読書やお絵かきをしたりして過ごしますが、夏休みとなれば夏祭りや花火大会、キャンプなどさまざまな行事がある学童保育もあります。
夏休みに学童保育を利用するデメリット
夏休みの学童保育に通わせることは、よいことばかりではありません。夏休みに学童保育を利用することによって生まれるデメリットを解説します。学童保育の利用を検討している人はあらかじめ理解しておきましょう。
毎日のお弁当作りが大変
ほとんどの学童保育では昼食が用意されないため、自宅からお弁当を持参する必要があります。親にとっては、学校給食があった夏休み前と比べると、早起きしてお弁当作りをしなければならないため負担は増えてしまうでしょう。
どうしても忙しい場合には、市販のお弁当を購入して持たせるという方法もありますが、なるべくなら作ってあげたいと思いプレッシャーに感じる人も多いものです。
施設によっては、お弁当の宅配サービスを利用していたり、配達を許可している場合もあるので、一度確認してみるとよいでしょう。
出典:
FCNのお弁当-FCN株式会社
放課後児童クラブのお弁当発注システム 「バンビーランチ」が夏休みからスタート! – 奈良市
習い事に通わせにくい
習い事によっては、夏休みの間は日中にレッスンを行うなど、いつもとは違ったスケジュールを組んでいることもあるでしょう。学童保育に通っていると、このような習い事への通学がしにくくなることが考えられます。
親が仕事を休んだり、早退するなどして調整することも可能ですが、むずかしいこともあるでしょう。
その場合、学童保育が終わってから習い事に行かせるというスケジュールになりますが、子どもの帰宅時間や夕食時間が遅くなってしまいます。
さらには就寝時間も遅くなるようでは、夏休み中の生活リズムが崩れてしまうことも考えられます。
行くのを嫌がる子も
夏休み中、学童保育に行くのを嫌がる子どももいるでしょう。
特に、普段は学童保育に行っていない子どもの場合、仲のよい学校の友達とは会えず、新しい友達を一からつくらなければならない状況は、子どもにとってストレスです。新しい環境や学校とは違った雰囲気に、怖がる子どももいるでしょう。
また、夏休みにもかかわらず決められたスケジュールで生活しなければならないことや、常に指導員に見られていることに息苦しさを感じる子どももいます。
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夏休みの学童利用の注意点
学童利用の条件は、運営団体や自治体によって異なります。夏休みなどのイレギュラーな時期の利用は特に、あらかじめ運営本部に利用の条件や可否を確かめる必要があります。具体的には以下のような点です。
夏休みだけ預けることはできる?
学童保育の多くが夏休みのみの利用も受け付けているようです。ただし,夏休みのみの預かりが不可だったり、定員の関係で受け入れていない施設もあるようなので、お住まいの地域の学童に事前の確認をしてください。
学童利用の条件はある?
そもそも学童保育は、公立の場合、日中に親が不在である児童のための預かり先として機能しています。そのため利用には一定の条件を設けています。なかでも以下の条件の児童は優先されます。
・シングルマザーおよびシングルファザーの家庭
・両親が共にフルタイム勤務
・子ともが低学年(10歳未満)
逆を言えば、それ以外の児童は優先度が低いとも言えますので、定員の問題とともに、受け入れの審査に通るかどうかの問題もあります。
一方、民間の学童の場合は受け入れ条件がないので、夏休みだけの利用の場合、民間学童を検討してもよいでしょう。
預かり時間は延長できる?
公立の学童の場合、18時までの預かりとしているところが多いですが、最近は都市部を中心に、20時までの延長が可能な学童も増えてきています。
民間の場合では延長できるところも多く、バスでの送迎などのサービスを行っているところもあるので、両親ともにフルタイム勤務の家庭には便利かもしれません。
費用はかかる?
通常の学童利用の場合でも、公立で月額4000~8000円(あるいは基本無料でおやつ代のみの自治体も)、民間で月額30000~50000円といった料金相場ですが、預かり時間が長くなる夏休みは、追加料金が発生する場合も。
公立の場合、料金が通常月に変わらない市区町村もありますが、プラス1,500円~2,000円前後が別途必要となる場合があります。民間学童も同様に、夏休みは特別料金を設定しているところもありますので、事前に確認してください。
18時以降の延長についても同様に、公立・民間にかかわらず追加料金が発生する場合がありますので、個々の学童運営本部に問い合わせてください。
学童保育以外の選択も
夏休み中に子どもの面倒を見てもらう方法は、学童保育だけではありません。選択肢をいくつか知っておきましょう。
祖父母に預ける
可能であれば、祖父母の家に預けることも検討してみましょう。食事の面倒のほか、勉強や友達と遊びに行くこともしっかりと把握していてもらえるため、安心して預けられるでしょう。
近くに住んでいる場合は、両親の仕事の間だけお願いすればよいので、頼りやすいのもメリットです。遠方に住んでいる場合も、祖父母と子どもが共に大丈夫であれば、夏休みの間は泊りがけで見ていてもらう方法もあります。
ママ友・パパ友にお願いする
信頼のおけるママ友・パパ友がいれば、子どもを預かってもらえるようにお願いしてもよいでしょう。同じく小さな子どもがいる家庭であるため、子ども同士で楽しく遊んで過ごすこともできます。
ただし、あまりに頻繁に預けすぎたり、一方的に頼ったりしては人間関係のトラブルを招くことにもなりかねません。
お礼の品を渡したり、逆に自分が先方の子どもを預かる機会を作ったりして、持ちつ持たれつのよい関係を心がけましょう。
「放課後子ども教室」って?
親が働いていなくても利用できる「放課後子ども教室」もあります。これは文部科学省管轄で、各地方自治体が小学校の余裕教室等を活用して、地域の協力とともに、子どもたちの放課後の学習・スポーツ・文化活動等の活動を支援する取り組みです。
こちらは無料や低料金のものがほとんどですが、すべての自治体で実施されているわけではなかったり、16~17時までだったり、土曜は実施がないなど、通常の学童と同じではないので注意が必要です。
お住まいの自治体に「放課後子ども教室」があるかどうか、夏休み中の実施はあるか、学校や市町村に問い合わせてみましょう。
ファミリーサポートを利用する
短期間や急な預け入れが必要になった場合は、「ファミリーサポート」を利用するという方法もあります。
ファミリーサポートは市町村やNPOが運営しており、育児のサポートを受けたい人と、サポートを提供したい人が助け合うサービスです。
利用料金は運営する組織によって幅がありますが、自治体が運営するファミリーサポートの平均は1時間につき600~1000円程度の料金設定が多く見られます。予算と相談しながら計画的に利用しましょう。
周りの協力を得ながら夏休みを乗り切ろう
夏休みに入ると、毎日の生活スケジュールは大きく変わります。学童保育をうまく活用すれば、子どもにとって夏のよい思い出づくりに役立つでしょう。
子どもに充実した夏休みを過ごしてもらうためにも、夏休みの学童保育のメリット・デメリットを知り、利用するときの参考にしましょう。
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文・構成/HugKum編集部