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生後3ヶ月の赤ちゃんの成長と発育
産まれたばかりの赤ちゃんはとても小さいのに、生後3ヶ月にもなると、みるみるうちに成長していきます。生後3ヶ月の赤ちゃんの身長や体重はどのくらいなのでしょうか?
平均身長と体重
厚生労働省の調査によると、新生児から生後3ヶ月の赤ちゃんの平均身長と体重は次のようになっています。生後3ヶ月の赤ちゃんの体重は、新生児の約2倍にもなります。
男の子の平均身長
- 新生児 48.7㎝
- 生後2~3ヶ月 59.0㎝
- 生後3~4ヶ月 61.9㎝
女の子の平均身長
- 新生児 48.3㎝
- 生後2~3ヶ月 57.8㎝
- 生後3~4ヶ月 60.6㎝
男の子の平均体重
- 新生児 2.98kg
- 生後2~3ヶ月 5.83kg
- 生後3~4ヶ月 6.63kg
女の子の平均体重
- 新生児 2.91kg
- 生後2~3ヶ月 5.42kg
- 生後3~4ヶ月 6.16kg
※参照:平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(厚生労働省)
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視力はどのくらい?
産まれたばかりの赤ちゃんは、ほとんどまわりのことが見えておらず、色についても白と黒を判別できる程度です。しかし生後少しずつ視力が発達していき、生後3ヶ月になれば周囲の動くものを目で追うこともできるようになり、視力はおよそ0.05程度になります。そして3歳になる頃に視力が1.0程度まで達します。
睡眠時間が14時間程度になる
赤ちゃんは一日の大半を寝て過ごすもので、産まれて間もないときは寝る時間も昼夜問わずバラバラ。しかし、生後3ヶ月頃になると少しずつまとまって眠れるようになっていき、1日の睡眠時間は13~14時間ほどになります。昼寝を朝、昼、夕方と1日3回行い、一日のリズムもとりやすくなっていきます。
※参照:未就学児の睡眠指針(厚生労働科学研究費補助金未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班)
首がすわる
生後3ヶ月頃の赤ちゃんの体で、大きな変化のひとつに首すわりがあるでしょう。それまでグラグラとしていた首がしっかりしてきて安定するのが、生後3~4ヶ月の頃。ただ赤ちゃんの首がすわったかどうか確認しようとするのは危険が伴います。縦抱きするときはいつも頭を支えられるようにしておきましょう。
寝返りがはじまる
3ヶ月頃になると、寝返りを始める赤ちゃんも出てきます。HugKumで行ったアンケートで赤ちゃんの寝返りが始まった時期について聞いてみたところ、寝返りの開始時期には全体的にバラツキが見られましたが、「生後3ヶ月~生後4ヶ月」という回答が27.9%ともっとも多い結果でした。
ただ遅い赤ちゃんの場合、生後8ヶ月以上たってから寝返りしたケースもあるので、生後3ヶ月で寝返りが見られなかったとしてもあまり焦る必要はありません。
寝返りが始まってもコツをつかむまでは、うつぶせになったときに顔を寝具にうずめて窒息することもありますし、近くのものを手でつかんで口に入れることも考えられます。また寝返りした赤ちゃんがベッドの隙間に挟まったりしないか、ママやパパは注意しましょう。
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生後3ヶ月の赤ちゃんの様子は?ママパパの体験談
HugKumでは、0~1歳の子がいるママやパパに、生後3ヶ月ごろの赤ちゃんの様子や、困ったり悩んだりしたことなど、アンケートで体験談を教えていただきました。
生後3ヶ月の赤ちゃんへの授乳について
出産後すぐから生後2ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、一度にたくさんの母乳を飲めないため、授乳間隔も2~3時間ほどと短いですが、生後3ヶ月くらいになると授乳についても少しずつ変化が出てきます。
授乳間隔はどれくらい?
生後3ヶ月までに赤ちゃんの体が大きく成長することをお話しましたが、それに伴って胃の容量も大きくなり、一度に飲める母乳の量も増えてきます。生後3ヶ月以降になれば授乳はだいたい3~4時間間隔くらいで、1日に5~6回ほどになるでしょう。
母乳やミルクの1回の量は? 1日トータルでどれくらい?
一度に飲む母乳やミルクの量は、160~200mlほど。この量を1日に5~6回あげるので、1日のトータルで考えると、800~1200mlほどになります。
母乳やミルクを吐く・拒否したときはどうする?
母乳やミルクを飲んだあと、口から母乳やミルクがダラダラと垂れてくる程度なら生理的な現象なので心配は必要ありません。赤ちゃんは母乳やミルクと一緒に空気も飲んでいるため、授乳後にゲップを出していないと吐き戻ししやすくなります。もし勢いよく大量に吐いてしまったら、生理的な現象以外の要因があることも考えられるため、医師に相談しましょう。
また赤ちゃんがおっぱいを拒否したら、体調不良やストレスなどの影響があるかもしれません。赤ちゃんが急におっぱいを嫌がるようになったら、母乳が勢いよく出すぎていることや、ママのおっぱいと哺乳瓶で「乳頭混乱」を起こしていることも考えられます。
完ミ・完母・混合で、授乳間隔や量は変わってくる?
ミルクのみ、母乳のみ、ミルクと母乳を混合など、ママの体やライフスタイルに合わせて育て方は色々。ミルクのみの場合と母乳のみの場合、また両方組み合わせた場合でも、授乳間隔は個人によって違うことがあります。ミルクのほうが腹持ちがいいともいわれているため、ミルクをあげるほうが授乳間隔が少なくてすむ場合もあるでしょう。赤ちゃんの様子を見ながら、母乳やミルクが足りないことのないように与えてあげてください。
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生後3ヶ月の赤ちゃんの外出、注意点は?
赤ちゃんが生後3ヶ月頃になり首がすわると、ママやパパと一緒に少しずつ外出する機会も増えてくるようになるでしょう。そんな外出時にはどんなことに注意するべきでしょうか?
長時間の外出は避ける
外の空気に触れることで赤ちゃんの抵抗力がついていき、またママやパパにとっても赤ちゃんとのお散歩はリフレッシュできるひとときとなるはずです。しかし、ベビーカーに乗っていたり抱っこされていても、長時間の外出は赤ちゃんにとって疲れるものです。陽射しの強い時間は避けて、朝夕の涼しい時間帯に外に出たり、長時間の外出は避けましょう。
服装・靴下は体温調整しやすいものを
赤ちゃんは大人とは違い体温の調整がうまくできません。太陽の光で暑く感じたり、風で寒さを感じたりしたときに備えて、脱ぎ着しやすい洋服で出かけるようにしましょう。また、赤ちゃんの皮膚はまだデリケートで、強い紫外線を浴びすぎると影響が出てしまいますから、薄手の長袖や帽子を着ることをおすすめします。
電車・車は赤ちゃんの寝るタイミングにあわせて
電車や車に乗って外出する場合は、赤ちゃんの昼寝のタイミングにあわせて出かけると安心。できるだけママ・パパと一緒に外出して、ママ一人の負担が大きくならないようにすると良いでしょう。
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生後3ヶ月の赤ちゃんの服の選び方
赤ちゃんは大人よりも体温が高く汗をよくかくので、生後3ヶ月の赤ちゃんには大人が着ている洋服より、一枚少ない程度がちょうどいいでしょう。「風邪をひかないように」と心配してたくさん着せてしまうと、汗をかいてよけいに風邪をひくことになってしまいます。薄着にして寒くないか心配なときなどは、赤ちゃんの表情を観察したり、背中に汗をかいていないか確認してみましょう。
服のサイズはどれくらい?
生後3ヶ月の赤ちゃんの平均身長はおよそ60㎝。ベビー服は、「50」「60」というようにサイズ表示されているので、「60」あたりを目安にしてみましょう。また「50~70」などと表示されているものは、比較的長く使用できるでしょう。
春夏の選び方
赤ちゃんは汗をよくかくため、中に肌着を着せて、その上からロンパースなどを着せると良いでしょう。汗をかいたら肌着をこまめに替えます。肌着は、吸湿性の高いメッシュ素材のノースリーブなどがおすすめです。
外出時は、肌寒くなったときに備えて、これにベストや帽子、靴下をプラスしましょう。
秋冬の選び方
寒い季節は、肌着の上に温かい素材のロンパースやカバーオール、ツーウェイオールを着せます。肌着は、保温性の高い厚手の素材の長袖がいいでしょう。
外出時ならベストや靴下、手袋などを着せてあげましょう。
生後3ヶ月の赤ちゃんの遊びの特徴
少しずつ自分の周囲のことに興味を示すようになるのが、生後3ヶ月頃。遊びの時間には赤ちゃんの興味や好奇心を刺激すると、その好奇心がさらに伸びていくでしょう。
生後3ヶ月の赤ちゃんができること
生後3ヶ月頃になると、手足を動かしてみたり、外部からの刺激に反応して笑ったり声をあげたりすることもでてきます。
生後3ヶ月の赤ちゃんにおすすめの遊び
ママと赤ちゃんが遊ぶときは、たくさん話しかけてあげながら赤ちゃんに触ったり、クーイングに応えてあげるといいでしょう。また、さまざまなものを見せるためにも、お散歩にでかけたり、月齢にフィットした知育玩具で遊ぶのもおすすめです。
生後3ヶ月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃ
生後3ヶ月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃは、五感を刺激するようなものが喜ばれます。
音が出たり、動きのあるおもちゃは赤ちゃんが興味を持ちますし、握る力も強くなってくる頃なのでふわふわしたりツルツルしたり触感の違いを楽しめるものもおすすめ。また赤ちゃんは手にしたものは口に持っていってなめるので、口に入れても安心な素材のものを選びましょう。
赤ちゃんの月齢別におすすめのおもちゃと、おもちゃの選び方や消毒方法についてはこちらを参考にしてください。
おもちゃの選び方、消毒方法はこちら
赤ちゃんの個人差を理解することも大切
産まれてすぐは毎日の育児に精一杯でも、赤ちゃんが3ヶ月頃になると身長や体重、できることとできないことをまわりの赤ちゃんと比べて気になってくる方も増えてくるかもしれません。
しかし、体格も性格も赤ちゃんによってそれぞれ。成長の違いにも個人差があるものですから、他の子と比べて心配することもありません。ぜひ赤ちゃんの健やかな成長を温かく見守っていきましょう。
記事監修
河井恵美
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部