子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴47年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。
クラスの男の子に大事なところを触られても、娘が「イヤ!」と怒りません
娘は年少のとき、同じクラスの男の子に大事なところを2ヵ月ぐらい触り続けられていました。最初のうちは「やめて!」と拒否していたそうですが、やめてもらえず怖かったと言っています。先生に相談したところ、男の子の親が謝りに来ました。しかし男の子は「やっていない!」の一点張りでした。
年長になり、ほかの男の子が遊び感覚で、娘の大事なところを触っているのをたまたま目撃しました。私が娘に「ちゃんと“イヤ!”と言わないとダメよ」と叱ったのですが、娘はヘラヘラ笑っています。
「大事なところだから、男の子に触られたりしたらダメ! 触られたら先生にすぐ言いなさい!」と言ったら、「ほかの男の子にも触られる」と言い出しました。娘はクラスの中で体が一番大きくて、少しぽっちゃり体型です。性格もおとなしいです。小学校に入学したら、親の目が行き届きにくくなるので心配です。(年長の女の子のママ)
自分の身を守るためにも、なぜ人に触らせてはいけないのか、をしっかり伝えて
年中、年長になると性に目覚める男の子もいます
子どもでも、こうした性の問題はときどき起きます。年中、年長になるとスカートめくりをしたり、カンチョウなどと言いながら女の子の股間を触ったりする男の子もいます。トイレの中で二人でこもって見せ合ったりしていることもあります。
以前「りんごの木」でも同じような問題が起きました。スカートめくりをする男の子に「女の子のスカートをめくるって、どんな気持ちなの?」と聞いたら「ゾクゾクする」と言うのです。子どもでも性への興奮はあるんです! 女の子の方は何をされているのか実感が持てずにされるままになっている子が多いような気がします。もちろん、何かわからないけど、怖さを感じている子もいます。
おふろに入ったときなどに、なぜ触らせてはいけないのか説明を
娘さんは、もうすぐ1年生。自分の身を守るためにも、なぜ人に触らせてはいけないのか、お母さんとお風呂に入ったときなどに女性の身体についてきちんと話しましょう。性の話をするのが恥ずかしいと思うなら、性教育をテーマにした絵本を読んであげてもいいでしょう。いろんな本が出ていますので、事実をきちんと伝えている本を選んでください。


教えてくれたのは

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて36年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。
イラスト/海谷泰水