5歳の息子の「おちんちん」いじりが気になってます。どうして大きくなるのとも聞かれ…【アクロストン式おうち性教育Q&A】

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ネット社会の現代では、子どもたちは簡単に性情報にアクセスできます。子どもたちが間違えた情報をうのみにしないために、家での性教育は必要不可欠です。とは言っても、いったいいつごろから、どんな話をすればいいのか困惑しますよね。2018年から公立小学校や企業主宰のイベントで、性教育の授業やワークショップを展開している医師夫婦のユニット「アクロストン」が、ママ&パパのお悩みに応えます。

今回のテーマは「性器」。性器をいじる子どもに、親はどう対応したらよいのか、その方法についてアクロストンさんに聞きました。

「おちんちん」をよくさわっていて気になります。「なんで大きくなるの?」と聞かれたら、どう答えたらいいの?

朝、起きるなり息子から「おちんちんが大きくなっているけれど、なんで?」と聞かれましたが、答えに困って、うやむやにしてしまいました。また息子は気がつくと、よくおちんちんをさわっています。外でもさわることがあるので、やめてほしいです。息子のおちんちん問題、正直母はどうしたらよいかわかりません……。(5歳息子の母)

おちんちんが大きくなるのは、眠りが浅いとき

朝起きるとおちんちんが大きくなっている……、いわゆる“朝勃ち”は、エッチなことを考えると起きると思われがちですが、実はそうではありません。

 

そもそも人は夜寝るとき、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返しています。その眠りが浅いときに、おちんちんは筋肉がゆるみ、そこに血流が集まります。そして、やがて大きくかたくなるのです。これは「夜間勃起現象」と言われる、寝ている間じゅうに何度も起きる生理現象です。

 

勃起の起きるしくみは、次の通りです。

1 おちんちんの中の血管が広がり、そこに血がたまる

2 おちんちんが太く、かたくなる。これが勃起している状態

3 血管がもと通りになると、おちんちんもいつもの状態に戻る

 

そう考えると、朝起きる瞬間は眠りが浅いので、おちんちんが大きくなる確率は高いです。

朝だから大きくなっているわけでなく、朝大きくなっていることに本人がたまたま気づいたというだけのことなのです。

 

ですから、子どもに「朝、大きくなっているのはなんで?」と聞かれたら、「眠りが浅いときに大きくなるらしいよ。だから寝ている間も実は大きくなっているみたいだよ」と言えばよいでしょう。そうすれば「へ~、そうなんだ~」と子どもは納得するでしょうね。

 

「さわること」を無理に辞めさせようとするのは禁物。言うべきは「物にこすりつけない」「人前でしない」

「子どもがおちんちんをさわって困る」ということですが、子どもは赤ちゃんの頃から、性別を問わず、よく性器をいじります。気持ちがいいからさわっていることもあれば、なんとなくさわっていることもあります。どちらの場合でも、何歳でも、やめさせる必要はありません。

 

子どもがさわっているのを見ると、親はつい注意して、やめさせたくなりますが、無理にやめさせようとすると、子ども自身が罪悪感を強く持つことがあります。注意されても気持ちいいから、ついやってしまう、そんな自分はダメなんだ、そう考えてしまうのです。

性器をいじることで性的な成熟が早まることがありません。ただし、注意してほしいことが2点ほどあります。

 

1 物にこすりつけない

2 人前でしない

 

1については、階段の手すりやのぼり棒など物にこすりつけるのは、単純に気持ちよくなるからやっている場合が多いですが、それに慣れてしまうと、強く刺激がないと射精できなくなってしまいます。ですから物にこすりつけるのはNGです。

小さい頃の強い刺激が癖になっていると、思春期以降に日常生活に支障をきたすことも

もちろん思春期前の男の子は、精巣が成熟していないので、射精せずにおちんちんが大きくなるだけですが、精通以降は、精子(精液)が出るようになります。そこで小さい頃の強い刺激が癖になっていると、床にペニスをこすりつけてマスターベーションする、いわゆる“床オナ”に発展することも。そうなると、いざセックスのときに射精できないだけでなく、依存症で日常生活に支障をきたす恐れもあります。

 

一度ついた癖や習慣を治すのは大変なこと。小さい頃から、おちんちんをさわるのが気持ちいいなら、物にこすりつけないで、手でさわること、また、汚い手でいじったり、いじりすぎ皮膚がむけると、そこから菌が入って腫れてしまうことがあるので気をつけることも伝えましょう。

 

2については、子どもが人前でさわって「おちんちんが大きくなった」と報告して、ママに困らせる場合がありますから、人がいるときでなく、一人のときにお部屋でさわろうね、と言うということです。

 

女の子がすることも珍しくありません

女の子も小さい頃から、おまたをさわる子はたくさんいます。女の子の場合、男の子のように刺激が強すぎるということはありませんが、粘膜にタッチするので、つめが伸びていると傷ついてしまうことがあります。

ですから、男の子の場合と同じように「人のいないところでさわろうね」という約束と共に、さわるなら、つめを短く切って、手をきれいにしてからさわろうね、と伝えましょう。。

その子にとっては、自然な成長の過程のひとつと捉えて見守ってあげられるといいですね。

 

教えてくれたのは

アクロストン|性教育 医師夫婦ユニット

妻のみさとは産業医、夫のたかおは病理医をしながら、2018年に「アクロストン」としての活動をスタート。公立の小学校の授業や企業主催のイベントなど、日本各地で性にまつわるワークショップを行う。『3~9歳ではじめるアクロストン式「赤ちゃんってどうやってできるの?」いま、子どもに伝えたい性のQ&A』(主婦の友社)、『思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになっているなんて!』(主婦の友社)、『10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック(ほるぷ出版)』が発売中。

いま、子どもに伝えたい性のQ&A』主婦の友社/刊

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構成/池田純子

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