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授乳中、はちみつは食べても大丈夫?
1歳未満の赤ちゃんに、はちみつをあげてはいけないといわれていますが、授乳中のママがはちみつを食べても問題ないのでしょうか。これから説明していきます。
はちみつは母乳を通して赤ちゃんに届く?
ママがはちみつを食べても、はちみつが母乳を通して赤ちゃんに届くことはありません。
というのも、大人は消化器官が発達していて、体内に入ったものを消化する機能をもっているからです。またママの体には、何を食べても母乳の成分や量を一定に保つ機能が備わっています。つまり、母乳のために食べてはいけない食べ物はありませんし、母乳にいい特別な食べ物もないといわれています。
母乳にいい食べ物や飲み物、食べてはいけないものはあるのか。また、授乳中のママの必要カロリーや、バランスのいい食事などについては下記の記事で詳しく解説しています。チェックしてみてください。
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※授乳中のママがはちみつを食べても問題ありませんが、1歳未満の赤ちゃんには絶対に、はちみつを与えてはいけません。
1歳未満の赤ちゃんに、はちみつをあげてはいけない理由
はちみつには、空気のない環境で生育・増殖する「ボツリヌス菌」が含まれています。このボツリヌス菌は毒素を生み出すため、1歳未満の赤ちゃんに与えると、「乳児ボツリヌス症」にかかってしまう可能性があるのです。
乳児ボツリヌス症とは、腸の機能が未成熟の1歳未満の乳児に特有の病気です。ボツリヌス菌が腸に定着し、増殖した後、毒素を生み出します。そうすると、便秘や脱力状態、おっぱいやミルクを吸う力が弱くなる、無表情になるなどの症状が出ます。
多くの場合は適切な治療によって治りますが、最悪のケースになることもあります。ですので、1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを絶対に与えないでください。はちみつを含む食品も避けるようにしましょう。
メープルシロップは、生後10か月を過ぎた赤ちゃんにはOK
はちみつの代わりになるものでおすすめの製品はメープルシロップです。
メープルシロップはサトウカエデなどの樹液を煮詰めたもので、製造過程で高温殺菌されているため、生後10ヶ月くらいを過ぎた赤ちゃんなら与えても問題ありません。ただし、与えるときには少量ずつがポイント。赤ちゃんには、食物アレルギーの反応が出る場合があります。またメープルシロップは甘みが強く、赤ちゃんには刺激が強すぎることもあります。少しずつ取り入れてみてください。
下記の記事では、はちみつを赤ちゃんに与えてはいけない理由、1歳を過ぎた赤ちゃんへの正しいはちみつのあげ方、メープルシロップのあげ方の注意点などを紹介しています。参考にしてください。
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授乳中のママでも安心? はちみつ製品や食品
マヌカハニーやプロポリス、メープルシロップなど、はちみつ製品や食品、はちみつと似た甘味料は授乳中に摂取してもよいのでしょうか。授乳中のママへのおすすめポイントや気をつけたい点を合わせて紹介していきます。
マヌカハニー
マヌカハニーの「マヌカ」とは、ニュージーランドのみに自生するフトモモ科の木のこと。その花から採れたはちみつがマヌカハニーです。
マヌカハニーは通常のはちみつと比べて、抗菌作用が強いのが特徴。そのため、インフルエンザや風邪などのウイルス対策や免疫力アップが期待できるとされています。また、ミネラルや鉄分、カルシウムも豊富にふくまれているので、産後や授乳中の体力回復にも最適です。
「マヌカヘルス マヌカハニー MGO115+ / UMF6+ 250g [ 正規品 ニュージーランド産 ]」
ニュージーランド産のマヌカハニーです。濃厚でクリーミーな味わいが特徴。ヨーグルトに混ぜたり、コーヒーやお茶、ミルクに入れて飲むのがおすすめです。
プロポリス
プロポリスとは、ミツバチが集めたハーブや樹木の新芽と、ミツバチ自らの分泌物が混ぜあわさった固形の物質で、ミツバチの巣箱の入り口や隙間についています。ミツバチはこのプロポリスによって、巣の中を殺菌したり、外部からの細菌汚染を防いでいて、「天然の抗菌物質」と呼ばれています。
プロポリスには、フラボノイド類、桂皮酸誘導体、フェノール酸類、各種ビタミン類やミネラル類など、300種類以上の成分が含まれています。なかでもフラボノイドと桂皮酸誘導体は、高い抗菌作用や抗酸化作用を持つ有効成分です。風邪やインフルエンザの予防やアンチエイジング効果、花粉症の軽減などの効果があるといわれています。
ただし、妊娠中や授乳中にプロポリスを使用することについての安全性は情報が不十分であるため、使用する場合は、かかりつけの医師に相談してからにしましょう。
「プロポリス300 袋入 100球入」
「プロポリス300」は、プロポリス独特の味が苦手という人も気にせず飲めるソフトカプセルタイプ。ブラジル産の「バッカリス」という南米固有の植物由来のプロポリスです。桂皮酸誘導体(アルテピリンC、p-クマル酸など)、フラボノイドをはじめ、各種ビタミン類、ミネラルなどの有用成分を含んでいます。
メープルシロップ
はちみつと似た甘味料にメープルシロップがあります。しかし、メープルシロップとはちみつはまったく違うものです。メープルシロップは、サトウカエデなどの樹液を煮詰めて作られています。
メープルシロップの良い点は、砂糖やはちみつにくらべてカロリーが低いこと。それに加えて、授乳中に不足しがちな、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれていることも大きなメリットです。また、生後10ヶ月からのお子さんにも与えることができますので、はちみつの代わりに使うとよいでしょう。
「ミトク アレガニ 有機 メープルシロップ(ダークロバストテイスト)330g」
カナダ・ケベック州産の100%ピュアメープルシロップ。柑橘系のようなフルーティーな風味があります。ホットケーキやヨーグルトにかけて食べるのはもちろん、紅茶やハーブティーなどに入れて楽しむのもおすすめです。
はちみつのど飴
はちみつのど飴は、のどの不調やのどのケアにぴったりのお菓子です。また、はちみつの糖分は、おもに果糖とブドウ糖ですので、消化吸収されやすく、すぐにエネルギーに代わります。授乳中のエネルギー補給にも最適です。
「扇雀飴 はちみつ100%のキャンデー 51g×5袋」
砂糖・水飴・香料・着色料・その他の添加物を一切使用していない、はちみつだけでつくられたキャンディーです。純粋なはちみつだけを使用しているため、自然な甘味と香りが楽しめます。
はちみつ大根
「はちみつ大根」は、大根をはちみつに漬けたものです。このシロップをお湯や紅茶に溶かして飲むと、のどの痛みや咳止めに効果があるといわれています。風邪のひきはじめや、風邪予防、授乳中で風邪薬が飲めないときにおすすめです。
「蜂蜜大根のど飴」
熊本県阿蘇郡小国町で採れた大根を使用し、独自の製法で国産蜂蜜とブレンド。まろやかな味わいののど飴です。
授乳中にほっと一息。はちみつを使ったおやつレシピ
授乳中にはお腹が空くことがよくあります。そんなときには、はちみつを使ったおやつでホッとひと息つきませんか。簡単に作れるはちみつおやつレシピをご紹介します。
「かぼちゃパイ」
栄養価の高いかぼちゃに、はちみつでコクと甘みをプラス。冷凍パイシートを使えば手軽に作れます。
◆材料
(5~6cm×5~6個分)
冷凍パイシート(18cm×18cm) 2枚
かぼちゃ 100g
【A】
塩 少々
はちみつ 大さじ1/2~1
【B】
卵黄 1個分
牛乳 小さじ1
◆作り方
【1】かぼちゃは1.5cm角に切り、やわらかくゆでる。熱いうちに皮ごとつぶし、【A】を加えて混ぜて、冷ます。
【2】冷凍パイシートは半解凍にし、2枚一組で好みの型で抜く。
【3】【2】の半量に【1】を丸めてのせる。縁に混ぜ合わせた【B】を塗り、上から生地をかぶせ、縁をフォークで押さえつける。上にも【B】を塗る。
【4】210℃に予熱したオーブンで10分焼く。190℃に下げてさらに15~20分焼く。
教えてくれたのは…
阪下千恵さん
料理研究家、栄養士。おいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。
『めばえ』2014年7月号より
「いちごのはちみつ煮」
甘酸っぱいいちごに、リコッタチーズがマッチ!煮るだけで簡単に作れるおやつです。
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
いちご 1パック
水 100ml
はちみつ 大さじ2
リコッタチーズ 大さじ2
※リコッタチーズは、水切りしたヨーグルトでも代用可。
◆作り方
【1】いちごはヘタを取り、半分に切る。
【2】鍋に水、【1】、はちみつを入れて中火にかける。煮立ったら弱火にしてフタをし、10分煮る。器に盛り、リコッタチーズをのせる。
教えてくれたのは…
ウー・ウェンさん
北京生まれ。1990年に来日。北京家庭料理が評判となり、料理家に。東京と北京でクッキングサロンを主宰。
『めばえ』2017年6月号より
「ハニーヨーグルトゼリー」
ぷるんとした食感と甘酸っぱさがさわやかなゼリー。おやつはもちろん、朝食にもおすすめです。
◆材料
(90mlのゼリー型×6個分)
粉ゼラチン 8g
水 40ml
牛乳 200ml
生クリーム 50g
ハチミツ 60g
プレーンヨーグルト 150g
レモン果汁 大さじ1
◆作り方
【1】水に粉ゼラチンを入れ、ふやかす。
【2】小鍋に牛乳と生クリームを入れて火にかけ、沸騰直前まで温めて火を止める。【1】を加えて余熱で混ぜ溶かし、ハチミツを加えてさらに混ぜ、ボウルに移す。
【3】【2】のボウルに、ヨーグルトとレモン果汁を加えて混ぜ合わる。氷水の入ったボウルに重ねてとろみがつくまで冷やす。
【4】【3】を型に流し、冷蔵庫で固くなるまで冷やす。皿に出し、ミント(分量外)を飾る。
教えてくれたのは…
柳瀬久美子さん
フードコーディネーター。1988年から4年間フランスで修業し、エコール・リッツ・エスコフィエ・ディプロマを取得。帰国後、広告や雑誌のフードコーディネート、レシピ提案、企業のメニュー開発、お菓子教室講師など幅広く活躍。おしゃれでおいしいスイーツレシピに定評あり。
『めばえ』2016年9月号より
はちみつは授乳中のママにメリットがいっぱい
授乳中に、はちみつを食べても問題ありません。はちみつには、疲労回復効果や殺菌作用があり、授乳中に不足しがちな栄養素をバランス良く含んでいるので、健康管理が大切な時期の妊婦さんや授乳中のママにおすすめです。ただし、赤ちゃんがなめないように気をつけてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部