ウイスキー保存の3つのポイント|保管庫は必要? 保存期限は? 腐る? 等の疑問を解消!

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家飲みの広がりと共にハイボールが人気を集めて久しいですね。レモンの持つビタミンCと炭酸の刺激プラス、ウイスキーの大人味。家でも簡単に作ることができる、パパママの夜の楽しみです。

ところで、毎日少しずつ飲むウイスキーの保存はどうしていますか? 最後まで香りを保つ保存方法についてご紹介しましょう。

ウイスキーには保存期限がない

アルコール度数が40℃前後あるウイスキーは、雑菌の繁殖の心配がなく、腐るようなことはありません。賞味期限がそもそもないので、ヴィンテージやオールドウイスキーといった40年以上前に蒸留されたものに出会うことも稀ではないのが、この世界です。もちろん開封前に限りますが、古いウイスキーでも問題なくおいしさが保たれています。

アルコールの特性と開封後の劣化

ウイスキーを含む酒類には気を使う点があります。それは液体のアルコールが常温で空気中に気体となって消えていく現象です。料理の際に日本酒やワインを使う場合、70℃〜80℃に熱することでわざとアルコール分を飛ばしてしまうことはよくありますが、一度開封してしまうと常温でもこの現象は続きます。

開封後、おおよそ3ヶ月から半年が過ぎると味や風味の変化として私たちにも感じられるようになります。

揮発

コロナ禍による新しい生活で、にわかに身近になったものの一つにアルコール消毒液があります。酒造メーカーが品薄の解消に一役買うニュースが、話題にもなりました。

これはアルコールの消毒効果によって清潔を保つことが目的ですが、アルコール度数が高ければ消毒・殺菌効果が高いのかというと、そうではありません。高いアルコール濃度は同時に揮発性も高まるので、ウイルスが死滅するより前に空気中に消えてしまうというジレンマがあります。ですから手指の消毒にはアルコール濃度が40%〜70%のものを推奨とされていました。

液面低下

保管状態が悪く、揮発してアルコールが減ったウイスキーは、よく観察するとわかります。未開封にも関わらず量が減って液面低下しているウイスキーは、隙間から成分が抜けた証拠です。古いウイスキーが飲めるのかどうか気になったら、まず未開封かどうかを確かめ、次に液面が下がっていないかを確認してみましょう。

開封後の劣化

「アルコールは飛んでしまう」これはウイスキーの保存時のポイントです。水を瓶に詰めてフタをしても消えていく成分はありませんが、開封したウイスキーや密閉度が下がった瓶はそのまま置いておくだけで大事な香りや風味がアルコールと共に消えている最中です。開封前の貴重なヴィンテージウイスキーも保存状態が悪ければ味が変化していることがあります。

アルコールが飛ばない方法については、後ほどご紹介します。

保存方法のポイント3つ

アルコールの他にも気をつけたい点を見ていきましょう。ポイントは3つです。

ポイント1:常温で保存

高濃度のアルコールによって清潔さを保たれているウイスキーは、冷やして保管する必要はありません。むしろ出し入れする度に起こる温度変化は劣化の原因になるので、冷蔵庫には入れず常温のままで保存しましょう。ただ真夏のムシムシした暑い空気はよくありませんので、空調の効く部屋や温度変化の少ない場所を選びましょう。

最近はご自宅にワインセラーをお持ちも方も増え、せっかくなのでウイスキーも、と考える事があると思います。ウイスキーよりもデリケートなワインの保管庫ですから良さそうに思いますが、問題は立てて収納ができない事。ウイスキーは寝かして保存することを想定していないので、古いコルク栓なら隙間から漏れることもあります。長期間の保存にはむしろ向いていません。

また保存方法ではありませんが、アルコール度数の高い飲料は凍りにくいことを生かし、冷凍庫に入れる楽しみ方もありますが一度冷凍庫に入れたウイスキーは早めに飲み切りましょう。

ポイント2:光を避ける

ワインと同様に、ウイスキーは紫外線を避けるために色の濃い瓶に詰められている商品も多くあります。蒸留された後、樽の中で熟成されたウイスキーは日の光に当たることなく瓶詰されています。

保存時にも直射日光はもちろん、明るい照明光も当てない気づかいが必要です。暗さを保てる扉付きの棚の中や、遮光できる紙箱・木箱に入れておくとなお良いでしょう。

ポイント3:香り

蒸留されてから樽で熟成された芳しいウイスキーの香りは味わい深い特徴ですね。周囲に強い匂いを放つものがあるとこの香りに悪い影響を与えます。たとえば冷蔵庫の中では食品の匂い、部屋ではアロマオイルの香り、柔軟剤の香りなど、生活空間には匂い移りの元となるものは多いです。でもこの問題も棚や箱の中に入れておくことで遮ることができます。

こうして見てくると、年配の方が書斎でコレクションを楽しむ姿が浮かんできますね。

劣化させない工夫

開封する前の味をそのまま保つためには、ほかにどんな工夫が必要なのでしょうか。容器について見てみましょう。

コルク栓

コルクは天然素材の温かみがありますが、残念ながら乾燥によって劣化してしまうことは前述したとおり。しっかり持ち上げたつもりがスッポリとコルク栓が抜けてしまったり、開封時にコルクが崩れてしまったりと、注意が必要です。すでにスカスカになってしまったコルク栓や、確実に長期保存をしたい時は後述のパラフィルムの使用をおすすめします。

小瓶に移す

瓶を開封して中身が減った分は新しい空気が満たすことになりますが、これも劣化が進む要因です。小さな瓶に移し替えることで空気に触れる面積が減り、劣化防止になります。酒類はデザインの優れたおしゃれな瓶も多いので残念ですが、開封済のウイスキーを最後までおいしく味わうためには良い対策です。

パラフィルムで覆う

隙間から消えていくアルコールの問題は、パラフィルムがあれば解決します。もともとは実験用でフラスコやビーカーにピチッと蓋をしたい時に使うテープです。このパラフィルムを適度な大きさに切り取って栓ごと覆ってしまえば、隙間から気体が漏れる心配もありません。開けるのも簡単ですし、封をし直す事もできます。少しずつウイスキーの味を楽しみたい方にはおすすめです。

ホットウイスキーの楽しみ方

ゆらゆらと湯気が立ち上る温かいホットウイスキーはお休み前にほっこりとリラックスできますよ。冷たい氷で冷やしたウイスキーやハイボールももちろん良いですが、寒い季節に試してみてください。

レシピ

温めた耐熱カップを用意します。ウイスキーを注ぎ、その2~3倍程度のお湯を足せばできあがり。体調に合わせて濃さを調節できるのも嬉しいところ。

樽で熟成されたウイスキーは、芳醇なスモーク香やフルーツ香など、森林にも似た香りを持つのが特徴です。温かいウイスキーはその香りがカップから立ち上り、心地よく包まれます。

アレンジ

 ホットワインと同じ感覚で柑橘やはちみつ、スパイスなどを合わせてみましょう。レモンやオレンジのスライスも良いし、お好みのジャムでも合います。スパイスはシナモンやクローブなど。お湯の代わりにハーブティーや紅茶を使うこともあります。

まろやかでコクのある味が欲しい時は、少量のバターを溶かしてみるのがオススメ。優しい温かさが増します。ホットウイスキーはシンプルにお湯で割っただけなので、アレンジをお好みで試すことが簡単です。

ウイスキーでリラックス

 お店の雰囲気と共に味わうお酒は良い気分転換になりますが、 お家でのんびりしながら飲むウイスキーも良いものですね。いつまでも良い香りを保てる保存方法をぜひマスターしてリラックスタイムを楽しんでくださいね。

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構成・文/もぱ(京都メディアライン)
撮影/京都メディアライン(一部を除く)

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