銀行員がすばやく正確にお札を数えている姿を見たことはありませんか。あのお札の数え方を「札勘(さつかん)」といいます。練習すれば誰でもできるようになる技術です。
本記事では、お金の数え方の単位、お札を速く正確に数える技術である「札勘(さつかん)」の方法を解説。また、札勘ができたらかっこいい業種、札勘の練習方法をご紹介します。
お金の数え方の単位はある?
まずは、お金の数え方の単位を見ていきます。
札も硬貨も「枚」で数える
お金は札も硬貨も「枚(まい)」で数えます。
なお、硬貨は「枚」のほかに「個」でも数えます。「枚」で数えるときは、500円玉程度の大きさのもの、「個」で数えるときは、100円玉や50円玉以下の大きさのものが適しています。
「枚」と「個」を使い分けてもよいでしょう。
商品券も「枚」で数える
商品券も「枚」で数えます。ただし、綴りになっているものは「ひとつづり」「ふたつづり」などと数えることもあります。
パチンと鳴らす数え方もある「札勘(さつかん)」の方法
お札を数える「札勘(さつかん)」には2種類の方法、「縦読み」と「横読み」があります。それぞれご紹介します。
札勘とは?
「札勘」とは「札勘定」の略で、紙幣の枚数を数えることをいいます。そこから、お札を素早く、正確に数える方法を指すようになりました。札勘は、誰でも練習すれば、できるようになります。
札勘には、紙幣を縦に持って数える「縦読み」と、紙幣を扇形に広げて数える「横読み」の2種類があります。
縦読みは、ほかの種類のお札が紛れているときに見つけやすい、横読みは、縦読みに比べて早くお札を数えることができるというメリットがあります。銀行では、縦読み、横読みの両方を必ず行い、間違いがないようにダブルチェックしています。
また、縦読みで特徴的なことは、最後の1枚を数えるときに「パチン」と音を鳴らすことです。これはかっこをつけて鳴らしているわけではありません。
最後の1枚は、2枚重なってしまうことが多いため、パチンと音を鳴らして、2枚重なっていないかを確認しているのです。もし、2枚重なっていると良い音がしません。音を鳴らすことでお札の数え間違えを防いでいるのです。
縦読みのやり方
お札を縦に持って数える「縦読み」。ポイントは、お札を前後に動かしながら少し広げること、そして、お札をめくるときに、親指を上から下に動かすことです。指が乾燥してお札をめくりにくいときは、紙めくりクリームを指先につけておくとよいでしょう。
具体的は方法は以下のとおりです。
1 お札を重ねて整え、縦に持つ。
2 左手の中指と薬指の間に紙幣を挟む。このとき中指を折り曲げると持ちやすい。
3 お札を折り曲げて、左手の人差し指と親指で挟む。
4 お札の右上を右手で持ち、前後に動かしながらお札を少し広げる。
5 右手の人差し指と中指を固定し、親指を上から下へ動かして1枚ずつめくる。最後の1枚は、中指をお札に向けてはじいて「パチン」と音をさせる。
詳しくは、りそなグループが提供している札勘の動画をチェックしてみてください。
横読みのやり方
お札を扇状に広げて数枚ずつ数える方法が「横読み」です。横読みは、お札を数えやすいように、いかにきれいに広げるかがポイントになります。
お札を扇状に広げるコツは、左手の親指の先に力を入れてお札を支え、右手を添えて、お札の右上を斜めに倒し、くるりと左周りに円を描くようにすることです。このとき、右手のスナップを効かせると、きれいな扇状に広げることができます。
具体的は方法は以下のとおりです。
1 お札を束ねて整え、縦に持つ。
2 左手でお札の下を持ち、親指を支点として、添えた右手首に均等に力を加えながら円を描くように動かす。これを繰り返し、お札を扇状に広げる。
3 右から、4枚が何束あるか数える。
こちらも詳しくは、りそなグループが提供している動画をチェックしてみてください。
左利き・右利きは関係ある?
左利きであっても、札勘はできます。左利きの人は、縦読みも横読みも左右を反対にして行ってみてください。
札勘ができたらかっこいい業種
お金を扱う職業の人は、札勘ができたらかっこいいですね。ここでは、札勘をする機会が多い業種を紹介します。
銀行員
お金を扱う職業で、すぐに思いつくのはなんと言っても銀行員でしょう。銀行員は、お客さまから預かった大事なお金を扱う仕事で、お札を数える機会も多くなります。お金の数え間違いがないように、入行当初から札勘の訓練をするそうです。
経理事務員
どの会社もお金を扱う業務が発生します。たとえば、給与計算や伝票計算、会計などです。会社の中で、こうしたお金にまつわる業務を担当し、お金を管理して、帳簿記入などを行うのが経理事務員です。経理事務も札勘をする機会が多くあります。
レジ業務係
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのレジ業務係も札勘の技術があると役に立ちます。お客さまにお札のおつりを渡すとき、1日の売り上げを計上するときに札勘します。
家計の管理にも
家計の管理も札勘できれば便利です。すばやく、そして間違えなくお札を数えられると効率的で、無駄がありません。
札勘の練習方法
札勘を習得するには、練習あるのみ!
縦読み、横読みどちらも練習次第で、素早く、正確にお札を数えられるようになります。
模造紙幣を使う
「模造紙幣」という札勘を練習する紙があります。これは、1万円札に近い大きさと質感なので、実際の紙幣のような感覚で練習できます。
まずは枚数を減らして練習する
まずは10枚で練習し、次に10枚単位で枚数を増やして札勘の練習を繰り返していきましょう。最初は札勘に慣れること。そして一定の枚数を数えられるようになったら、スピードと正確さを高めていきましょう。
「パチン」と音を出す練習
縦読みの最後で行う「パチン」は、最初はなかなかうまくできないようです。「パチン」だけ、繰り返し練習しましょう。
「パチン」の練習方法は、次のとおりです。
1 中指を右手人差し指の爪の上にのせる。
2 中指と親指と人差し指を押さえるようにしながら、中指を下方向に滑らせる。
お札なしの状態でも練習できますので、ぜひやってみてください。
札勘をマスターしよう!
お札を正確に数えるための技術「札勘」。マスターすると、仕事や家計管理などいろんな場面で使えそうです。縦読みの最後の「パチン」をすると、子どもからかっこいい!!と思ってもらえるかも。最近は、お札に触れる機会も少ないですが、チャンスがあればトライしてみてください。
文・構成/HugKum編集部