バナナは、追熟しながら保存するべし|おいしく長持ちするバナナ保存法を検証

一年中、手に入りやすく、おやつにも軽食にも利用できるバナナ。ただなんとなく買ってきて置きっぱなしにしていませんか? バナナを上手に追熟して、おいしく保存する方法をまとめました。

バナナの特筆すべき栄養素は、何といっても「カリウム」の多さです。生の果物の中でも、バナナの含有量はつねに上位!  可食部100g当たりでいうと、360㎎も含まれています(日本食品成分表2019版 調べ)。カリウムの重要な特徴は、体内での浸透圧の調整に役立つこと。ナトリウムとのバランスを保ち、摂り過ぎた塩分を排泄する効果が期待できます。むくみ予防にも上手に摂ることをおすすめします。

保存方法次第でバナナの保存期間はぐっとアップする!

熱帯地方で育つバナナは、寒さが大の苦手!  冷蔵庫にむき出しで入れたままでは低温障害を起こすことも。温度や湿度によって保存期間が異なるため、涼しい場所で吊るすか、またはザルなど通気性のよいもので常温保存するのがおすすめ。まだ硬いバナナを買ってきて、自分好みに追熟させていくのも、長く楽しむコツです。

バナナの適正保存温度

バナナのブランド「スミフル」では、バナナの最適保存温度を15~20℃としています。

冷蔵庫の野菜室は、3~8℃程度(メーカーによって異なる)。やはり冷蔵庫では、バナナにはちょっと寒すぎるのが分かりますよね。ただ、夏場の室内では、20℃を超えることも…。食べごろを見極めるのも重要です。

参考:スミフル公式サイト

皮に茶色い点が出てきたら食べごろのサイン

食べごろは、黒い斑点が出てて甘い香りがしてきたらオッケー! “シュガースポット”とも呼ばれ、美味しさの目安になっています。

長持ちするバナナの保存方法

適温があるバナナは、温度管理が最も大切です。バナナは、常温保存できるのもいいところ。より長持ちさせるには、「常温+冷蔵」を組み合わせるというテクニックも◎。

まだ硬い状態のバナナを追熟させ、シュガースポットが出てきたら、冷蔵庫へ移します。低温障害を防ぐため、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

その場合、バナナはエチレンガスを発生するため1本ずつ保存すること。シュガースポットが出る前に冷蔵庫に入れてしまうと、甘くならないため、「常温」で追熟させてから、新聞紙で包んで「冷蔵」保存がポイントです!

バナナスタンドに吊るす

みなさんは、バナナスタンドを使っていますか?

上の写真は、夏場に常温で保存して5日後の状態です。購入時の追熟度にもよりますが、左のバナナはシュガースポットを超えて茶色になっています。それにつられるように、右側のバナナにシュガースポットが一気に増え始めました。エチレンガスを発生させ、隣り合うバナナを一緒に追熟させていく様子がよく分かる実験結果です。

1本でもシュガースポットが出てきたら房から外して先に食べるか、冷蔵庫や冷凍庫で保存するのが他のバナナを長持ちさせる方法です。

春~夏の温かい時期

下の写真は、前出のバナナスタンドのバナナと同じ房だったもの。1本だけ外してザルに置いて保存してみました。同じく、夏場で5日後の状態です。

表面上は、シュガースポットが少し出てきた程度でしたが、裏返すと追熟がかなり進んだ状態に。通気性の良いザルではありますが、両面をよく確認して食べごろを見逃さないのも美味しく食べるポイントですね。

秋~冬の寒い時期

最適保存温度が15~20℃のバナナにとって、日本の秋冬の温度帯は過ごしやすい環境といえるかもしれません(室内の温度による)。ただ夏場同様、シュガースポットが出たことを確認するのが失敗のない保存法です。新聞紙に1本ずつ包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

バナナを冷凍保存

室内の温度を一定に保つのは、なかなか難しいもの。より長持ちさせたい場合は、冷凍保存が一番です!

バナナの冷凍法は、いろいろありますが「はちみつ」を使う方法も◎。輪切りにしたバナナを冷凍用保存袋に入れて、はちみつ適量を加えます。はちみつの保湿効果で、バナナの酸化を防ぐことができます。

輪切りにしたバナナは、はちみつを全体にまぶして冷凍保存しましょう。冷凍中に空気にふれるのをセーブする効果があります。

※はちみつはポツリヌス菌の危険があるため、満1歳未満のお子さんには使用不可。

切ったバナナの保存方法

次に、切ったけれど食べきれなかったバナナの保存法です。皮がついているものは、皮ごと冷蔵保存するほうが酸化を防ぐことができます。

ラップにぴっちりと包んでから保存袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。保存期間は、1~2日です。

皮を外してしまったバナナは、冷凍庫で保存を!  ラップに包んで冷凍用保存袋に入れましょう。
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バナナの保存期間

常温保存の実験結果から、だいたいの目安を割り出しました。購入時の追熟度合いや室内の温度環境にもよりますので、あくまでも参考にしてみてください。

バナナスタンドに吊るす

シュガースポットがまったくない状態から、黒い斑点が出てきたタイミングは、3~4日(夏場)。

春~夏の温かい時期

ザルで常温保存した場合で、3~4日程度。

秋~冬の寒い時期

バナナの適正温度を考慮した場合で、5~6日程度。

「常温」+「冷蔵」保存方法

常温で追熟させ、シュガースポットを出してから冷蔵庫で保存した場合は、プラス1~2日ほど保存期間が延びます。どの保存法でもシュガースポットを見逃さずに、ふわりと甘い香りがしてきたら早めに食べるようにしましょう。

冷凍保存した場合

他にも冷凍庫での保存法はいくつかあります。スイーツにもなる楽しい保存法もご紹介していますので、チェックしてみてくださいね!

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撮影・文/川越光笑(たべごとライター・栄養士)
参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)

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頁頁からは、賢く保存したバナナを使ったHugKumおすすめのレシピをご紹介します。

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