バナナを上手に冷凍保存すると、栄養価がアップしたり時短デザートを常備できたりと、いいことばかり。ただし、冷凍前にちょっとした手間をくわえるコツがあります。上手なバナナの冷凍保存と利用法をご紹介します。
栄養満点のバナナは、冷凍保存が便利!
バナナは冷凍すると栄養がアップ!
バナナの栄養価は、果物の中でもトップクラス! 食物繊維やカリウムに富み、糖質も多いため即効性のあるエネルギー源として知られています。よくアスリートたちが運動前にバナナを食べる習慣があると聞きますが、これも優れた消化吸収の良さを表しています。
他にポリフェノールの含有量が多いのも特徴。バナナは、カットすると茶色に変色してしまいます。これがポリフェノールの正体です。それだけ多く含まれているのが見た目にも明らかなんです。しかも、このポリフェノールは冷凍しても壊れずに、逆に成分量が増すという実験結果もあるとか。
バナナの特徴をおさえて上手に冷凍
また、生のバナナは、エチレンガスを発生しており、成長が促されてどんどん追熟していきます。この働きをストップさせるためにも冷凍保存が断然おすすめ。凍らせることで長期保存ができ、同時に栄養価がアップするなんて一石二鳥ですね。
バナナは冷凍すると追熟がストップしてしまうため、きちんと完熟してから冷凍した方が美味しくいただけます。完熟の度合いは、皮に出てくる黒い斑点が目安。“シュガースポット”とも言われています。
バナナの冷凍保存のやり方
バナナをそのまま1本冷凍保存する場合
バナナは、1本丸ごと冷凍することができます。ただ、解凍後の使いやすさを考えるとちょっとした工夫が必要です。
冷凍するときは、皮をむくべし!
バナナを丸ごと冷凍する時には、皮をむいてからにしましょう。凍ったバナナの皮をむくのは、想像以上に至難の業です(笑)。皮をのぞいた後は、丸ごとでもよいですが潰しておくと便利です。
ラップで包むと◎
潰す場合は、バナナを横半分にし、次に縦半分にカット。ラップで包んで手の平で押し潰すだけです。こうすることで、使いたい分だけ折って使えるのでラクちんです!
ちなみに、下の画像は潰さずに丸ごと冷凍してみました。包丁で切ると折れてしまうため、用途に応じてカットしておいたほうがよさそうです…。
丸ごと冷凍する場合は、割り箸を刺して冷凍するのがおすすめ。添加物ナシのバナナキャンディーが作れますよ♪
カットしたバナナを冷凍保存する場合
バナナは、輪切りにしておくと、必要な分だけ使えるので重宝します。ラップを大きめに広げ、間を空けて置くのがコツです。ラップで全体を包んだ後は、冷凍用保存袋で二重にしましょう。
冷凍バナナの変色を防ぐポイント
バナナは、ポリフェノールの作用によりすぐに褐変してしまいます。切った断面はレモン汁をかけてから、冷凍保存を。変色防止に有効です。
バナナ&ヨーグルトの冷凍法
冷凍バナナは、そのままスムージーなどに使えます。スムージーには、ヨーグルトを入れることもあるため、どうせなら合わせてしまっては? と思ってやってみたら大成功!
冷凍法は、ポリ袋にバナナとプレーンヨーグルトを入れて手でもみもみ。薄く平らにして空気を抜いたら冷凍用保存袋へ。半分に折りたたんで冷凍庫へ。ヨーグルトと合わせたおかげで変色抑制にもなります。
使う時は、折ってブレンダーなどで攪拌するだけ。ひんやりデザートの完成です♪ ドリンクとして飲みたい場合は、豆乳などをプラスしても◎。
冷凍バナナの解凍方法と保存期間
冷凍バナナは、室温で戻すとどうしても食感が損なわれがち。できれば、凍ったまま前出のスムージーやデザートとして利用するのが賢い使い方。
冷凍バナナの保存期間は、約1か月程度が目安です。
冷凍バナナで作るおすすめの離乳食レシピ
冷凍バナナは、離乳食にも使うことができます。凍ったままではなく、加熱することが必須条件です。加熱することで甘味も増すため、より食べやすくなります(アレルギー確認のため、初めての場合は少しずつ試すことをおすすめします)。
詳しいレシピは、こちらからチェック!
栄養価満点のバナナは、冷凍保存しておけば何かと便利です。楽しみながら、あれこれ活用してみてくださいね♪
撮影・文/川越光笑(たべごとライター・発酵食スペシャリスト)
バナナで作るアレンジレシピ
【1】焼きバナナ
バナナは焼くと甘みも栄養の吸収もUP!朝食のパンに合わせても、デザートとしても!
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
バナナ 2本
バター 大さじ1
◆作り方
【1】バナナは皮をむいて、ひと口大に切る。
【2】フライパンにバターと【1】を入れて、中火で軽くこげ目がつくまで焼く。好みでミント(分量外)をのせる。
教えてくれたのは
ウー・ウェンさん
北京生まれ。1990年に来日。北京家庭料理が評判となり、料理家に。東京と北京でクッキングサロンを主宰。
『めばえ』2017年6月号
【2】バナナアイス
野菜がもつ自然な甘さでヘルシー味に。
◆材料
(作りやすい分量)
バナナ(充分に熟れたもの) 4本
生クリーム 200ml
砂糖 大さじ2
牛乳 100ml
◆作り方
【1】ボウルに生クリームと砂糖を入れ、泡立て器で8分立てにする。
【2】バナナはフォークでなめらかにつぶ す(ビニール袋に入れ、手でもみつぶ しても)。
【3】【1】に【2】と牛乳を加えて混ぜ、保存容器に入れて冷凍庫で冷やし固める。固まり始めたところで一度全体を混ぜ、空気を入れるとよりなめらかに仕上がる。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレス トランで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビで活躍。「育児の予習ゴハン会」を主宰するなど食育にも力を注ぐ。双子の男の子の母。
『ベビーブック』2016年5月号
【3】バナナヨーグルトアイス
生クリームとヨーグルトを固めるだけの簡単アイス。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
バナナ 1本
プレーンヨーグルト 100cc
【A】
生クリーム 100cc
砂糖 大さじ3
◆作り方
【1】バナナはフォークなどで軽くつぶす。
【2】ボウルに【A】を入れて泡立て器でとろりとするまで泡立て、ヨーグルトと【1】を加えて混ぜる。
【3】密閉容器に移し、冷凍庫で5~6時間冷やし固める(途中で一度、フォークなどでざっくり混ぜるとよい)。
【4】スプーンなどですくって器に盛り、好みでバナナチップやクッキーを飾る。
教えてくれたのは
鈴木薫さん
身近な食材で簡単に作れて、おいしくて、センスのいいレシピ が人気。双子の女の子と男の子のママ。
『ベビーブック』2015年7月号
【4】いちごバナナミルク
食の細い子にもぴったり!もう一品というときにも、砂糖を加えていないバナナといちごと牛乳のドリンクで朝の栄養補給はバッチりです。
◆材料
(子ども1人分)
いちご 3個
バナナ 1/3本
牛乳 1/2カップ
◆作り方
【1】いちごはへたを取り、半分に切る。バナナは皮をむき、2cm幅に切る。
【2】ポリ袋に【1】と牛乳を入れて口を閉じ、手で果物をつぶすようにもむ。
教えてくれたのは
松尾みゆきさん
管理栄養士・料理研究家・フードコーディネーターとして、テレビや雑誌、書籍等、幅広く活躍。自身も母として「食育」を実践している。
『めばえ』2016年5月号
構成/HugKum編集部