春は入園準備に向けて慌ただしいものです。さらに、今年はコロナ禍ということもあり、お弁当づくりはママたちも神経をつかいますよね。例年より衛生面において頭を悩ませる親御さんが多いと耳にします。
今回は、HugKum愛読者の方からお聞きしたリアルな悩みに答えつつ、子どもたちに安心でおいしいお弁当づくりのコツをご紹介!服部栄養専門学校の古本美栄先生にお弁当づくりの基礎知識をお聞きしました。
はじめてのお弁当づくりで悩むママたちの生の声。きっと、気になる質問が飛び交っているはずです。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
Q.お弁当の色みがワンパターンになりがち…
Q:お弁当の色みを気にしていますがワンパターンになりがち。赤はミニトマト、黄色は卵、緑はブロッコリーといつも同じ顔触れで困っています。
A.赤は桜エビ緑ならスナップエンドウなどの季節のお野菜など、バリエーションを増やしましょう。
最近、園ではお弁当を温めてくれる保温期間(11月~3月までが一般的)があります。ミニトマトは温めると破裂することもあるため、控えるようにという通達がある場合も。
例えば、これからのシーズンで赤みを足したい時は、桜海老なども春らしくて映えます。
パプリカやピーマンも赤やオレンジ、黄色とカラーが豊富なので使いやすい食材です。他に緑ならスナップエンドウや枝豆のむき身、いんげん。黄色は、コーンやチーズなどの乳製品を使うのもよいですね。野菜は、カラフルなものが多いので積極的に使いましょう。特に季節の野菜は色彩が豊かで栄養価も高くおすすめです。
左から)ほうれん草に桜海老を加えたナムル、ミニハンバーグの赤ピーマンのせ、飾り切りウインナーにコーンを詰めたもの。カラフルな食材を使えば、お弁当のワンポイントになります。
Q.ピックなしで手を使わずに食べられる工夫は?
Q:園では、誤飲の心配からピックなどは使用禁止です。ピックなしで手を使わずに食べられる工夫があれば知りたいです。
A.芋けんぴはいかがでしょうか。
ピックの代わりに乾燥パスタを楊枝のように刺している方も多いようですね。ただ味のない乾燥パスタは、固いだけで苦手なお子さんもいます。
手軽な市販品を使いたいなら、芋けんぴはいかがでしょうか。適度な塩味もついていますし、サツマイモを揚げたものなので安心して丸ごと食べられるのがいいところ。カリッとした食感が楽しいので、子どもも喜んでくれます。
芋けんぴは、サツマイモの皮を揚げるだけで簡単につくれます。市販品を買う場合は、なるべく細めを選ぶと食材に刺しやすいです。
Q.魚のおかずを入れたいのですが、思いつきません…
Q:魚のおかずを入れたいのですが、子どもが好む魚おかずのバリエーションが思いつきません…
A.お弁当に入れる魚は、匂いが出ないよう工夫して。
お弁当には、焼いただけの魚のおかずは生臭さが増してしまうため不向きです。お弁当に入れる場合は揚げるか、もしくは臭みを抑えてくれるスパイスやハーブ使いがベストです。具体的には、白身魚をカレー粉で味つけした唐揚げや、バジルなどの乾燥ハーブを使用してオリーブオイルとニンニクで白身魚をソテーしてもいいですね。
大人用のおかずのようですが、割と子どもも好んで食べてくれます。例えば、シリコンカップの代わりにカラフルピーマンを半分にカットし、種を除いたものを器にしてもいいですね。一口サイズの白身魚と溶き卵、パルメザンチーズを合わせたものをトースターや魚焼きグリルなどで焼くと栄養バランスの良いおかずになります。
<グラタン風 魚のチーズ焼き>
オーブンで焼いたグラタン風の魚おかずです。黄色いピーマンは、苦みが少ないのが特徴。器にしたピーマンごと食べられて子どもに大人気です。色味もよく、お弁当にも最適!
魚の生臭さは、下処理が決め手!
事前に魚が生臭くなる原因を除くには、下処理も重要なポイントです。魚に塩をふって、しっかり水けを拭きとること。調理の基礎として知られたことではありますが、このちょっとした手間が美味しさをキープしてくれます。お子さんの魚嫌いを防ぐことへもつながりますので、気をつけたいポイントですね。
お弁当Q&Aシリーズはまだまだ続きます。次回もお楽しみに♪
記事監修
古本美栄(Mie Komoto)
管理栄養士資格取得後、大手企業社員給食勤務を経て、食品メーカー、大学における高等教育等に携わる。現在は、服部栄養専門学校の教員。給食から家庭の食卓へつながる食育を行う他、食文化・持続可能な食品の再利用などの研究活動など幅広く活躍している。
構成・取材/川越光笑(たべごとライター) 撮影/藤岡雅樹、古本美栄