【お弁当作りの食中毒対策】基本の「三原則」、知っていますか!?

幼稚園に通うお子さんのお楽しみは、お弁当の時間!ママ達も毎日のお弁当作りに少しずつ慣れてきたところですね。

だんだん暖かくなる季節、心配なのは食中毒のこと。食中毒予防について基本のルールを服部栄養専門学校の古本美栄先生にお話をうかがいました。

 お弁当作り食中毒対策 基本の「三原則」

食中毒予防には、「三原則」があります。

菌を1.つけない(清潔、消毒)2.増やさない(迅速、冷却)3.やっつける(加熱)です。

この3つを守ることが、まずは第一優先になります。では、1つずつ解説していきますね。

1.つけない(清潔、消毒)

傷のある手には、食中毒菌がいっぱい

調理前はもちろん、調理中に生の肉・魚介類・卵をさわったとき、トイレに行った後は必ず手をきれいに洗いましょう。

また手や指に傷がある場合は、調理用の手袋などで手をきちんとおおう必要があります。実は、手指には食中毒菌の1つである黄色ブドウ球菌がついています。傷があるところには、さらにこの菌が多くついているといっても過言ではありません。そのため、食材料を汚染する恐れも。

おにぎりを握るときは素手ではなく使い捨ての手袋や、ラップを使用して握るようにしましょう。他にも人気のキャラ弁などは、細かい作業になりがち。直接手を触れず、菜箸やピンセットなどを使用することも大切です。

もし、傷のある手で直接おにぎりを握ってしまった場合…。ママが食中毒の要因になることも!? 子どもの食中毒の引き金になる可能性があるので十分に注意しましょう。

詳しいおにぎりの食中毒対策については、こちらをご覧ください。

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食材の二次汚染に注意しましょう

野菜や果実、魚介類は流水で良く洗いましょう。魚介類に付着していることの多い腸炎ビブリオは海水のような塩分を含む水でどんどん増殖しますが水道水(真水)には弱いので、調理前に流水で洗い流すことが予防となります。

肉は食中毒菌が飛び散るので洗ってはいけません。肉に付着していることの多いカンピロバクターなどがシンクに残り、そこで野菜などを洗ったりすることで食中毒を起こしたりするケースが頻繁にみられます。肉に菌が付着してもしっかり加熱を行えば殺菌することができるので、菌を広げないようにしましょう。

2.増やさない(迅速、冷却)

食中毒菌が増える要因は、主に3つあります。水分栄養温度管理です。

  • 水分… 水分は、お弁当の大敵!
  • 栄養… 食中毒菌の栄養は「食品」
  • 温度… 最も増殖するのは人の体温とほぼ同じ

 

この3つの条件がそろってしまうと食中毒の危険性が増します。詳しく説明していきますね。

水分は、お弁当の大敵!

水分が多いと細菌が増えやすくなりますので、おかずの汁気はよく切りましょう。

よく、お弁当に生のきゅうりを入れる方がいますが避けた方がよいですね。生野菜は、いたみやすく食中毒が増える要因です。

お弁当のおかずに野菜を使いたい時は、揚げ物や炒め物など水分を少なくする調理法がより安全です。砂糖や醤油でしっかり味付けした煮物やゆでた野菜の和え物は、水分を充分に切ってから詰めましょう。

食中毒菌の栄養は、「食品」

食中毒菌は、人間と同じように食品の成分であるたんぱく質、脂質、炭水化物などを栄養としています。そのため、食品から菌を繁殖させないのがコツ。

例えば、ごはんは酢飯にすることで殺菌効果があり、食中毒菌の繁殖を抑えることができますので、おすすめです。また、ミニトマトやいちごなどヘタのあるものは必ずとること。くぼみ等に洗い残しがあると、菌の繁殖の原因となるためしっかり洗浄しましょう。

最も増殖するのは人の体温とほぼ同じ

食中毒菌が最もよく増殖するのは人の体温と同じくらいの37℃前後の温度です。この温度帯にしないことが食中毒菌を増やさないコツです。他にも、ごはんやおかずが温かいうちにお弁当箱に詰めてしまうと蒸気がこもって水分となり、傷みの原因に。食中毒菌を増やしてしまうことになるため注意しましょう。

お弁当には保冷剤を

温かいところに置いておくと、細菌が増えてしまいます。先ほど、食中毒菌は人の体温程度で最も増殖するとお伝えしましたが、10℃以上あると菌は増殖を増してきます。冷蔵庫へ保管して、早めに食べるようにしましょう。長時間持ち歩くときは、保冷剤や保冷バッグを必ず利用しましょう。

3.やっつける(加熱)

調理は「しっかり加熱」が重要ポイント

おかずは、中心まで十分に加熱することが大事です。清潔な調理用温度計を用いて確認することをおすすめします(中心温度75℃以上1分以上が基本)。

卵焼きやゆで卵などの卵料理は、半熟ではなく、完全に固まるまでしっかり加熱するようにしましょう。火を通さなくても食べられるハムやかまぼこなどの加工品も、できるだけ加熱調理をするようにしましょう。

唐揚げ、ハンバーグ、卵焼きも食中毒菌にご用心

高温の油で揚げた食材は菌の死滅が早そうですが、実は注意が必要な調理法です。特に唐揚げなどは、意外に中まで火が通っていない場合も。

鶏肉は、カンピロバクターという食中毒菌がいる場合が多いため、しっかり中心部まで加熱することが重要です。

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また、肉類の中でもミンチにした肉は塊肉よりいたみやすくなります。挽肉を使用したハンバーグは表面が焼けていても、中まで火が通っていない可能性もあるので菜箸などを刺して、中まで火が通っているか確認をしましょう。

箸などを刺してみて赤い汁が出てこないか、きちんとチェックしましょう!赤い汁が出てきた場合は、まだ十分に中まで火が通っていないサインです。

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作りおきのおかずは再加熱を!

お弁当は、当日調理が安心ですが、朝は忙しく難しい日もありますね。

もし、前日に調理するときや昨晩の残り物を詰めるときは、お弁当箱に詰める直前に必ず十分に再加熱し、冷ましてから詰めることをおすすめします。楽しいお弁当の時間を食中毒につながらないように日ごろから万全な対策を心がけましょう。

お弁当箱と調理器具も衛生的に

お弁当箱はもちろん、調理器具も清潔なものを使用するのが大前提です。

お弁当箱

まず、お弁当箱は毎回、蓋のパッキンを外して洗うこと。外した蓋の細かい部分は、泡スプレータイプの洗剤やブラシ等を利用して、すみずみまで洗うといいですね。洗った後は、十分乾かすこと。どうしても洗った直後に詰める必要があるときは、清潔なふきんで水分をしっかりと拭き取ることも大切です。

調理器具

調理器具は、きれいに中性洗剤で洗ってから十分に乾燥させたものを使いましょう。お弁当を詰めるときに直接手が触れないように盛りつけるための清潔な菜箸や使い捨て手袋もあると便利です。

盛り付けるカップ

副菜を入れるシリコン製のカップなどは、お弁当箱と同様にしっかり洗いましょう。特に梅雨時期や夏場は、使い捨てカップを利用して1回ごとに捨てる方が衛生的です。

ドレッシングは別容器で

サラダにドレッシングが必要なときは別容器にすること。直接かけずに持たせる方が安全です。ドレッシングなどの調味料は、いたみの要因につながります。小分けのパックなどで持ち運び、食べる直前にかけるようにすると、食感も保てますね。

参考資料:農林水産省

次回は、「お弁当づくり実践編」です。お弁当の時間を楽しく、子どもがワクワクするようなアイデアおかずが満載です。お弁当箱を持ち運んでも中身が動かず、食べるときまで美味しさをキープする技などをご紹介します。

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記事監修

管理栄養士、調理師、フードコーディネーター
古本美栄(Mie Komoto

管理栄養士資格取得後、大手企業社員給食勤務を経て、食品メーカー、大学における高等教育等に携わる。現在は、服部栄養専門学校の教員。給食から家庭の食卓へつながる食育を行う他、食文化・持続可能な食品の再利用などの研究活動など幅広く活躍している。

構成・取材/川越光笑(たべごとライター) 撮影藤岡雅樹

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