手作り唐揚げを冷凍保存すると時短!
鶏肉料理の中でも人気が高い唐揚げは、冷凍保存しておくと便利です。下処理をしてから冷凍しておくことで格段に調理時間が減ります。忙しいママ・パパには、気になるポイントですよね。
今回は鶏肉に下味をつけて冷凍した場合と、揚げてから冷凍した場合の2つについて解説します。果たして、どちらが美味しいのでしょうか…? 同じ条件で実験もしてみたので、最後まで読んでみてくださいね。
下味をつけて冷凍する方法
まずは、下味をつけた鶏肉を、揚げる前に冷凍保存しておく方法です。
下味の付け方
◆材料
鶏のもも肉、しょうが、にんにく、醤油、みりんなど。ご家庭の味つけでご準備ください。
◆作り方
冷凍用保存袋に、すべての材料を入れて鶏肉に味がつくようによく揉みます。少し手間ですが鶏肉は、フォークなどで全体を刺しておくといいです。
冷凍時のポイント
調味液が多すぎた場合は、余分な液のみ捨てましょう。袋に空気が入らないように口を閉じて冷凍すること。
解凍方法
使う日の前日に冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍。または、氷水をはったボウルに入れて、庫外との温度差を極力減らしながら解凍するとドリップが出にくくなります。
揚げ方
解凍後は、別のビニール袋に粉を入れて鶏肉を1個ずつまぶします。その後は、普通に揚げるだけです。
保存期間
冷凍庫での冷凍保存で、1か月以内には使い切りましょう。
揚げてから冷凍する方法
唐揚げは、揚げてから冷凍保存することもできます。唐揚げの冷凍食品があると思えば、確かに大丈夫そうですよね。
ただ、保存にはちょっとしたコツがあるんです。一度、覚えてしまえば簡単なので、よく確認してから試してみてください。
唐揚げの冷凍方法
唐揚げは、通常通り粉をまぶして揚げます(ここでは、片栗粉を使いました)。
冷凍保存する際の注意点は、しっかりと中まで火を通すことです。竹串などを1個ずつ刺してみて、赤い汁が出てきたら再び揚げます。透明の汁になれば中まで火が通っているサイン!
鶏肉は、カンピロバクターという食中毒が怖いので、よく火を通しましょう。
冷凍保存の際には、粗熱を十分にとってから冷凍用保存袋に入れて冷凍してください。
解凍の方法
揚げてから冷凍した唐揚げを解凍するには、ラップをふわりとかけて電子レンジへ。一度、600Wで2分半ほどかけてみて、まだ中が冷たいようなら裏返して追加加熱をしてください。
解凍した唐揚げの衣はべちゃっとしがち。そんなときは、レンジでの解凍後、魚焼きグリルであぶる方法も。
保存期間
下味冷凍と同様に冷凍庫での保存で、1か月以内には使い切りましょう。
その他のポイント
冷凍肉を揚げる場合は
例えば、安い時に大量に買って冷凍しておいた鶏肉を唐揚げにするとします。この場合は、凍ったまま揚げるのはNGです! 鶏肉に付着した氷の膜が油にはねて危険なのと同時に、表面だけ焦げて中まで火が通らないということもしばしば…。
冷凍肉は、事前に冷蔵庫へ移して解凍してから揚げ物に使うこと。下味をつける場合は、解凍時に肉から出たドリップをキッチンペーパーなどでしっかり拭いてからにしましょう。
自然解凍は危険?弁当に使うときの注意点
冒頭でも少しふれましたが、鶏肉には、食中毒の原因となるカンピロバクターという菌が多いため、常温での自然解凍は避けましょう。
お弁当に入れる場合にも、必ず火を通してから入れることが大切です。詳しい食中毒の話は、こちらからチェック!
下味つき冷凍VS冷凍唐揚げ 美味しいのはどっち?
ここまで読んでみて、下味をつけて冷凍した鶏肉を揚げるのと、揚げてから冷凍した唐揚げ、解凍後はどちらが美味しいのか…。気になりませんか? 同じ味付けをした鶏肉で実験をしてみたので、ご覧ください。
実際に食べ比べた結果をご報告いたします。
Aは、唐揚げ用に下味をつけた冷凍鶏肉を片栗粉をまぶして揚げたもの。
Bは、揚げたあとに冷凍した唐揚げを電子レンジで加熱したもの。
Cは、同じく揚げたあと冷凍した唐揚げを電子レンジで加熱後に、魚焼きグリルで焼いたものです。
写真から見ても「Aの揚げたての唐揚げ」がサクッとしてみえませんか? 実際にAの唐揚げがいちばん美味しかったです。
2番目は、「Cの魚焼きグリルで焼いたもの」。3番目は、「電子レンジで解凍しただけのもの」。という順位になりました。ただ、市販の冷凍唐揚げが好きな方のなかには、電子レンジで加熱した衣が柔らかい唐揚げが好き!という方がいるかもしれません。これは、もう好みの問題かも。
以上、実験結果のご報告でした(笑)。ご自身の生活に合った冷凍保存法を楽しんでみてくださいね♪
撮影・文/川越光笑(たべごとライター・栄養士)
唐揚げおすすめレシピ
ここからは、HugKum編集部厳選の唐揚げアレンジレシピをご紹介します。レンジやトースターでつくるお手軽な方法や、衣や味付け、盛り付けのアイデアなど、ぜひ参考にしてください。
【1】鶏のから揚げ
定番の唐揚げはレンジで作ればグッと簡単に!ポリ袋を使えば手も汚れないので、より手軽に調理できます。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
鶏もも肉 400g
【A】
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1
酒 大さじ1
おろしにんにく 小さじ1/2
強力粉 大さじ2
サラダ油 大さじ1
◆作り方
【1】鶏肉は一口大に切り、合わせておいた【A】をからませる。ポリ袋に強力粉とともに入れ、空気を入れて袋の口を閉じ、よく振って粉をまぶす。
【2】クッキングシートを敷いた耐熱皿に、【1】を皮を下にしてドーナッツ状に並べ、サラダ油を少しずつかけてスプーンの背でなでつける。
【3】小皿に【2】をのせ、ラップをせずに8分加熱する。
◆ポイント
■肉はドーナッツ状に並べる
円の中心は熱が当たりにくいので、外側から並べる。サラダ油はスプーンの背でなでつけて、なじませる。
教えてくれたのは
村上祥子さん
福岡在住。国内外を飛行機で飛びまわる「空飛ぶ料理研究家」。電子レンジ料理のエキスパートであっと驚く独自のワザを次々に開発中。
『ベビーブック』2011年7月号
【2】レンジdeカレーから揚げ
電子レンジで加熱するかんたんから揚げ。カレーの下味をしっかりつけるのが美味ポイント。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏もも肉 1枚(300g)
【A】
しょうゆ 大さじ1
しょうがのすりおろし 少々
砂糖 小さじ1/2
カレー粉 小さじ1/3
小麦粉 大さじ3
サラダ油 大さじ1
◆作り方
【1】鶏肉は8等分に切り、【A】をもみ込んで10分おく。
【2】バットに小麦粉を広げ、【1】の全面にまぶし、余分ははたく。
【3】耐熱皿(25cm)にオーブンシートを敷き、【2】を皮を上にして円周状に並べ、肉にサラダ油をかけてスプーンの背で塗り広げる。
【4】ラップはかけず、電子レンジで6~7分加熱する。取り出して、キッチンペーパーの上に移し、全体の脂をおさえる。
教えてくれたのは
青木恭子さん
小田真規子主宰のスタジオナッツ所属。2つの保育園に7年間、栄養士として勤務。0歳児の離乳食~5歳児の給食とおやつ作りを担当。現在は、雑誌やWEBなどで活躍。
『ベビーブック』2014年3月号
【3】トースターから揚げ
見た目も味も手抜き感なし!時間に余裕がなくても、トースターで作れば調理も後片付けも簡単です。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏もも肉 2枚
【A】
しょうゆ 大さじ1と1/2
酒 大さじ1/2
ごま油 大さじ1/2
すりおろししょうが 小さじ1
塩 小さじ1/4
こしょう 少々
片栗粉 大さじ6~8
◆作り方
【1】鶏肉をキッチンバサミで食べやすい大きさに切って、ビニール袋に入れ、【A】を加えてよくもむ。
【2】【1】に片栗粉を加え、袋を振って全体にまぶす。
【3】アルミホイルを一度丸めてから広げて天板にのせ、サラダ油(分量外)をうすくぬり【2】を並べてトースターで5分焼き、返して1?3分焼く。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネー ター、飾り巻き寿司インストラクター1級。男の子のママ。育児経験を生かした 簡単で栄養バランスのとれた料 理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2015年8月号
【4】スーパーから揚げ
さつまいもでカサ増しし、少ない油でドーンと作ります。つけ込みいらずで、すぐ揚げられるからラクチン!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏もも肉 2枚(540g)
【A】
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ1と1/2
おろしにんにく 小さじ2
おろししょうが 小さじ2
さつまいも 1本(250g)
片栗粉 大さじ7
サラダ油 大さじ6
鶏がらスープの素 小さじ1/4
◆作り方
【1】鶏肉は一口大に切って、【A】をもみ込む。さつまいもは1cm厚さの半月切りにする。
【2】バットに片栗粉を敷き、水けをきった鶏肉とさつまいもの半量を入れてまぶし、フライパンに並べ、サラダ油半量を回しかけて強火で焼く。パチパチ音がしてきたら弱めの中火にして5分焼き、返して5分焼く。
【3】キッチンペーパーに取り出し、熱いうちにさつまいもだけに鶏がらスープの素の半量をかけて味をつける。残りも同様にする。
教えてくれたのは
みきママさん
オリジナルの節約ごちそうレシピで人気の〝おうち料理研究家 〟。ブログ「藤原家の毎日家ごはん。」は1日平均120万PV以 上のアクセスを誇る。夫と三人の子どもの五人家族。
『ベビーブック』2015年10月号
【5】野菜の素揚げと鶏肉の唐揚げ
隠し味の粉チーズがおいしさを底上げ。片栗粉でさっくり揚がった鶏肉、にんじん、ズッキーニの素揚げは揚げたてを召し上がれ。
◆材料
(4人分)
鶏もも肉 2枚
【A】(合わせておく)
しょう油 大さじ3
日本酒 大さじ2
粉チーズ 大さじ2
片栗粉 大さじ5
ズッキーニ、にんじん 各1本
サラダ油 適量
◆作り方
【1】鶏もも肉は1枚を6等分位に切り、【A】に20分ほど漬け込んでおく(手でよく揉み込むと、漬け込み時間を短縮できる)。
【2】【1】の水分を軽く切り、粉チーズをまぶしたあと、片栗粉をつける。
【3】フライパンにサラダ油を高さ2cmほど入れて強火で加熱し、【2】を並べる。肉から泡がで出始めたら中火にし、ふたをして、揚げ色がついたら(目安3分)裏返す。裏面にも揚げ色がついたら(目安2分)ふたを外し、強火で30秒ほど揚げて水分を飛ばして取り出す。
【4】ズッキーニは厚さ2cmに、にんじんは皮つきのまま厚さ1cmの輪切りにする。
【5】【4】を【3】のフライパンに入れ、ズッキーニは表面に揚げ色がついたら引き上げ、にんじんは竹串がスッと通るまで揚げて取り出す。
◆ポイント
クッキングシートを敷いた紙袋で持ち運び、そのまま食卓に出してもおしゃれ!
教えてくれたのは
minokamo 長尾明子さん
料理家・写真家。出身地の岐阜県美濃加茂市から名前を取った「minokamo」は、料理提案・提供時の活動名。季節や土地の食材、素材を活かしたおいしい料理、写真家としてのセンスが光るおしゃれな料理が人気で、出張料理やメディアの撮影など幅広く活躍。
『めばえ』2018年4月号
構成・文/HugKum編集部