パクチーは保存方法次第で風味も香りも長持ち! 常温・冷蔵・冷凍テクからオイル漬けレシピまで

タイのトムヤムクンや、ベトナムの生春巻きには欠かせないパクチー。皆さんはお好きですか? トムヤムクンにパクチーがなかったら、どんなに寂しいでしょうか。一時期はブームとなり、山盛りに盛られた生の葉をよく見かけました。今回はそんなパクチーの保存方法について見ていきましょう。

パクチーの上手な保存方法とは?

別名「コリアンダー」や、「シャンツァイ」とも呼ばれ、エスニック料理やアジア料理でスパイシーな強い香りを印象に残す食材です。唐辛子、にんにくと相性がよく、幅広い料理に使われています。

葉はサラダや薬味として使われる他、炒め物、スープなどにも幅広く使われます。根がもっとも強い香りを持ち、煮出したりつぶしたりして使うばかりでなく、種(コリアンダーシード)も香辛料として用いられ、食べ残すところが見当たりません。

プランター栽培でもよく育ち、春から夏にかけてやわらかい葉が特に香りも良く、その後小さな白い花を咲かせて実をつけます。収穫時期は春と秋ですが、冬は温かい地域でのみ栽培され、スーパーで見かけることも少なくなります。

あの独特な香りを上手に保つには、どんな保存方法が良いのでしょうか。

常温保存の方法

まずは基本的な、常温での保存について見ていきましょう。

パクチーの洗い方

洗うときは、必要なぶんを抜き取り、そのつど洗いながら使う方法がおすすめです。水を張ったボウルの中にパクチーをつけ、振り洗いしてください。軽く水をきった後は、キッチンペーパーで包み、水気をふき取ります。

根元を水に挿して保存する

生花のように水に挿しておく方法は、4~5日の保存期限です。3日ほどで香りが弱まりはじめ、葉の色も黄色くしなびてしまうので、新鮮なうちにいただきます。根つきでも、根を切ったあとでも同じく、根元がしっかりと水に浸かっていることがポイント。

エスニック料理というと難しい調味料や、凝った料理を思い浮かべますが、刻んだパクチーを塩、ごま油、レモンで和えるだけでおひたしになります。シナシナになる前においしくいただきましょう。

食卓にそのまま出して、自由に使うスタイルも楽しいです。

冷蔵保存の方法

水に挿して置くのもかわいらしいですが、冷蔵すると日持ちが長くなります。

根元を水に挿して冷蔵する

保存用袋に少量の水を入れて、パクチーを水に挿します。袋のチャックを閉め、立てたままで保存します。短いほうが先端まで水を吸い上げやすいため、切ってもOKです。

冷蔵庫の中でも、常に切り口を水に漬けておくことが大切です。葉だけちぎったり、刻んだりしたパクチーでも、水を張ったタッパーに入れておくとパリパリのまま長持ちします。

冷蔵庫に入れる時は、ななめに立て、根元が浸かるようにすると、長持ちします。

冷蔵保存の期限

冷蔵庫に保存すると、10日程度までパリパリの張りを保ちます。

パクチーは味よりも香りを楽しむ野菜です。香りが弱まらないうちに、楽しんでください。

パクチーの根を使ってアジアン ミルクティー

パクチーの根は、セロリのようにスープの香りづけに使ったり、しょうがのように刻んで使ったりすると、さわやかな香りを楽しめます。

ここでは牛乳に漬けて、ドリンクとして楽しむ方法をご紹介します。

◆材料

500mlのパック入り牛乳、紅茶のティーパック(1〜2個)、パクチーの根(1~2本)、コンデンスミルク(お好みの量)

◆作り方

パクチーの根はハサミで切れ目を入れておきます。牛乳パックの中にティーパックとパクチーの根を入れ、一晩冷蔵庫で冷やします。飲む時にコンデンスミルクを足してください。

ホットでもアイスでもおいしく、タピオカを入れても。

冷凍保存の方法

パクチーは、ほんの少し添えるだけで足りる事も多く、残りがしおれてしまうこともありますよね。そんな時は冷凍保存ができると便利です。

刻んでから保存袋へ

みじん切りやざく切りなど、使いやすい大きさに葉と茎を刻みます。冷凍用保存袋へ入れて冷凍庫へ入れてください。

根の部分は葉と調理方法が異なるので別に切り分け、ラップやお茶パックに包んで冷凍用保存袋で冷凍します。

根はお茶パックで冷凍すると便利です。このままカレーに入れて煮込むのも◎

解凍のコツ

冷凍したパクチーは残念ながら生食には向きませんが、加熱料理に使うと香りを楽しむことができます。

葉が薄いので、少量なら手のひらで挟むだけで解凍できます。使うときは調理の最後に、凍ったまま加えます。予熱程度の温度で、冷たさを他となじませる感覚で温めます。

冷凍保存の期限

パクチーの冷凍は、香りがそのまま残りますが、冷凍期間が長引くほど弱まるので、3週間のうちには使いきってください。

冷凍パクチーを使った「鮭のスパイシーホイル焼き」

◆材料

鮭の切り身(2切れ)、オリーブオイル(大さじ2)、にんにく(2切れ)、レモン汁(大さじ1/4)、塩(小さじ1/2)、カイエンペッパー(少々)、ライム(2/6切れ)ざく切りの冷凍パクチー(大さじ1)

◆作り方

ボウルにオリーブオイル、みじん切りにしたにんにく、レモン汁、塩、カイエンペッパーを入れて混ぜ合わせます。これに鮭の切り身を15分ほど漬けた後、ホイルに包み、グリルで8分~10分焼きます。焼きあがった後、一度ホイルを開けて冷凍パクチーを加えます。頂く直前にはライムを絞り、さらに生の葉を足してもおいしいですよ。

湯気に当たるだけで溶けてきました。たっぷり入れてから、もう一度包んで温めます。

長期保存する方法

パクチーは調味料として漬け込む方法や、乾燥させる方法もおすすめです。エスニック料理やアジア料理がもっと手軽になります。

パクチーのオイル漬け

◆材料

オリーブオイル(100ml)、パクチー(5株)、岩塩(ひとつまみ)、清潔な保存瓶

◆作り方

洗って水気をとったパクチーをみじん切りにします。保存瓶にオリーブオイルを半量とパクチーを入れ、スプーンなどでなじませてから、残りのオイルを足してください。一晩ねかせれば完成。賞味期限は冷蔵庫で10日ほどです。

蒸し鶏やアボカド、サラダにかけていただきます。

パクチーの醤油漬け

◆材料

醤油(100ml)、パクチー(5株)、保存瓶

◆作り方

洗って水気をとったパクチーをみじん切りにし、醤油と一緒に保存瓶へ入れます。一晩ねかせればさわやかな香りのお醤油が完成。賞味期限は冷蔵で1週間です。

ごま油をほんの少し垂らしたお豆腐などに、かけてください。

パクチーの酢漬け

◆材料

ナンプラー(大さじ2)、レモン汁(大さじ1)、酢(大さじ1)、砂糖(大さじ1)、パクチー(1株)

◆作り方

材料を混ぜ合わせてスライスしたきゅうりを漬けます。2時間ほど置くと味がなじみ、大根やカブ、にんじんでも合います。賞味期限は冷蔵で10日ほどです。

手前から右上へ、酢漬け、しょうゆ漬け、オイル漬け。にんにくと鷹の爪は、お好みで入れてください。

ドライパクチー

乾燥させると、寒い季節にもストックしておけるメリットがあります。保存期限は6ヵ月程度です。

パクチーの葉は、他のハーブのように束ねてつるしておくと、香りが一晩でなくなってしまいますが、根は、風通しの良い日陰で2〜3日干すと、香りを残したままドライになります。

葉をドライにする時は、電子レンジを使います。洗って水気をふきとったパクチーの葉を、さらに新しいキッチンペーパーで絞ります。水分が残っていると加熱にムラが出るので、多少傷がついてもしっかりと水気をなくしておきます。耐熱のお皿にキッチンペーパーを敷き、パクチーの葉を広げて、電子レンジ500Wで2分ほど加熱すると、きれいな色のままパリパリに。香りは生葉よりは薄まりますが、同じ香りがします。

使い方は、フライドポテトや浅漬けにまぶすのも良いし、なんでも手軽に振りかけてエスニック風味を楽しんでください。

ドライパクチーポテトチップ。パクチーには整腸・健胃作用があり、食べるとますます食欲がわきます。

保存期限が過ぎても手指の消毒液に

カニやエビを食べた後、指を洗うために使うフィンガーボールにパクチーの葉が入っていることがあります。これはパクチーが匂い消しとして使われる一例です。

◆材料

消毒用アルコール(1カップ)
コリアンダーシード(1/2カップほど)
精油(サイプレス、ユーカリ、ラベンダーなど)20滴
コーヒーフィルターかガーゼ
スプレー容器

◆作り方

ガラス瓶に消毒用アルコールと、乾燥したコリアンダーシードを入れ、暗所で3‐4週間程度置きます。時々天地返しをしていると抽出成分がアルコールに移ります。コーヒーフィルターやガーゼで濾し、さらに、お好みの精油を足してください。スプレー容器に入れると、手指に使えるデオドラント消毒剤です。

お好きな香りの消毒液を鞄に入れて持ち歩くと、感染対策も楽しくなります。グリセリン配合の消毒液を使用するのもおすすめです。

強い香りのまま保存する

思いがけず暑い日に、タイ料理を食べたくなる事がありますが、そんな時にパクチーが少量あると嬉しいですよね。またパクチーは寒くなると、欲しくても手に入りにくくなりますが、乾燥パクチーがあれば冬でも楽しむことができます。刺激的な香りを上手に保ったまま保存して、楽しんでくださいね。

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構成・文・撮影(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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