生姜の保存、決め手は「乾燥」と「湿気」を防ぐこと!長期保存の漬け込みレシピもご紹介

一時期、生姜の大ブームがありましたね。生姜には、ショウガオール、ジンゲロール、ジンゲロンという3つの辛み成分があるのが最大の特徴。体を温める効果があることで注目が集まりました。

季節に限らず、体は意外に冷えているもの。正しい生姜の保存法で日々の健康食に、お役立てください。

生姜の常温保存は湿気を防いで

生姜の保存には、最適な温度帯があるのをご存じでしょうか?

生姜は、中途半端な低温が大の苦手。この“中途半端な”がキーワード。実は、「冷やすくらいなら冷凍しちゃって!」というのが生姜の気持ちなんです(笑)。そのため、常温でも保存できるのが嬉しい利点でもあります。

常温保存は、湿気防止が鍵

常温保存のポイントは、湿気を防止することが特に重要です。

生姜を新聞紙やペーパータオルなどで1つずつ包んでザルなどに並べ、風通しのよい冷暗所に置いてあげましょう。

 

常温保存の期間

新聞紙などで包んだ状態で、2週間程度は変色なく保存可能です。

生姜の冷蔵保存は乾燥にも注意!

生姜は乾燥や湿気に弱いため、新聞紙やペーパータオルを活用しましょう。常温保存と違う点は、ポリ袋を用意することです。

冷蔵保存は、乾燥と冷気をシャットアウト!

常温保存と同様に、生姜を1つずつ新聞紙などで包みます。次に、ポリ袋に入れて口を軽く閉じましょう。
これで、冷気と乾燥から生姜を守ることができます。

保存場所は、冷蔵庫の野菜室がおすすめです。この方法で、10日程度は、保存可能です。

アルミホイルを使って保存する方法

アルミホイルでの保存法は諸説あるようですが、光を遮断し、抗菌効果に優れているのがアルミ箔の特徴。

生姜をよく洗って水けを拭いてから保存準備オッケー。アルミ箔でそのまま包まずに、ペーパータオルに包んでからアルミ箔で覆う方法がベストです。理由は、生姜から発する水分がカビの原因になるためです。

冷蔵保存の期間

できれば3日に1度は、ペーパータオルを交換すること。この方法で冷蔵庫の野菜室で、1か月程度は保存できます。

生姜の冷凍保存は小分けにして

生姜は、丸ごと冷凍することができます。ただ、かなり水っぽくなるため冷凍保存するには、ちょっとしたコツがあります。賢い保存法で、無駄なく使い分けましょう。

生のまま、小分け冷凍がおすすめ

生姜は、生のまま冷凍保存が可能です。すりおろし、スライス、みじん切りなど使う料理によって小分けにして冷凍保存しておくと便利です。

冷凍法は、それぞれ使いやすく切り分けてラップなどに小分けします。あとは、通常通り冷凍保存用袋に入れて冷凍庫へ。

丸ごと冷凍することもできますが、解凍には要注意! 冷凍することで繊維質が壊れて水っぽくなるからです。使う場合は凍ったままで、すりおろして料理に使いましょう。

冷凍保存の期間

冷凍保存の場合は、1~2か月程度が目安です。冷凍焼けなどを確認しながら、なるべく早めに使い切りましょう。

生姜を乾燥させて保存する方法

もっと生姜を長く保存したい場合は、乾燥させてから保存するのがよいでしょう。
乾燥させるには、太陽のチカラを借りて天日干しが最良の方法です。生姜は、天日で乾燥させることで甘味が増すとも言われています

天日干しで、カラカラに乾燥を♪

乾燥方法は、生姜をまず薄切りにして水けをよく拭きとります。次に盆ザルなどに重ならないように並べ、天日で乾燥させるだけ! 裏表を返しながら23日、天日干しをすればカラカラになります。

半生状態ですと、カビの原因になるため、きちんと乾燥させるのが大切です。

乾燥した保存期間

しっかりと乾燥させた状態で清潔な瓶などに入れ、冷蔵庫へ。3か月程度は保存することができます。

生姜を漬け込んで保存する方法

生の生姜は保存状況によっては腐りやすいため、他の食材と合わせて保存食にしてしまうと便利です。ここでは、3つの「漬ける」方法をご紹介します。

はちみつに漬ける

生姜は、よく洗って水けを拭き薄切りにします。清潔な保存瓶などに入れてはちみつをかぶるくらいまで注ぐだけ。

我が家では、レモンの薄切りと一緒に入れた“ジンジャー&レモンのはちみつ漬け”を作ります。暑い日は、炭酸水で割ってもいいですし、紅茶に落としてもほっこりします。

冷蔵庫で3か月くらいは保存できるので、ぜひお試しください。

酢に漬ける

生姜は、好みにカットしてお酢に漬けても万能調味料になります。ここでは、おろし生姜で試してみました。

清潔な保存瓶に、おろした生姜を入れます。お酢をひたひたに浸かるくらいに注いで完成です。

味見をしてみて思ったのですが、これドレッシング作りに最適! ごま油と醤油で混ぜ合わせるだけで生姜風味のドレッシングになります♪ いろいろと使えそうなので作ってみる価値ありです。

冷蔵庫で4~5日程度保存可。

お酒に漬ける

生姜は、お酒に漬けておくという方法も。

薄切り、もしくはみじん切りにして水けをしっかりと拭いた生姜を、清潔な保存瓶に入れて、度数の高いジンやウオッカなどを注ぎます。2~3か月くらいで生姜エキスができ、6か月くらいは保存できるそうです。

もっと手軽に作ってみたいという方には、焼酎漬けはいかが? この時、使う焼酎は梅酒などに使うホワイトリカーなど35℃以上のものが失敗しません。
同じように薄切りやみじん切りにして、瓶に入れて焼酎を注いでおくだけです。アルコールは飛んでしまい、普段の生姜の味や香りも残るため様々な料理に使いやすいと評判です。

赤紫蘇エキスに漬ける

市販の紅生姜の袋の表示を見たことがありますか? 以外に添加物がいっぱい入っていて驚いたことがあります。それからは、紅生姜は手作りすることに。

手作りといっても本当に簡単なんです。
健康食品店などで、赤紫蘇のエキスが売られています。薄切りにした生姜に、赤紫蘇を和えるだけ!

ちなみに筆者は梅干を漬けた時に出る自家製の赤紫蘇エキスを使用しています。実は梅干しよりも赤紫蘇エキスの方が欲しくて梅干を漬けている感じ(笑)。

紅生姜は食べる分だけ作ることが多いですが、冷蔵庫で1週間くらいは保存可能です。

 

生姜は、生で保存できますし、漬けることで長期保存もできる万能な根菜類です。いろいろなバリエーションで楽しみながら活用してみてくださいね♪

 

撮影・文/川越光笑(たべごとライター・発酵食スペシャリスト)

保存した生姜で作るアレンジレシピ

【1】野菜のカレーピクルス

子供でも食べられる、ほんのりスパイシーなピクルス。色がキレイで、形もかわいく、これだけでたくさんの野菜が摂れるので、毎日の食卓のプラス1品としても使いやすい。

◆材料

(作りやすい分量)
大根 200g
にんじん 1本
カリフラワー 1/4個
パプリカ(赤) 1/2個
(野菜は合わせて400g)
しょうが 大1かけ

【A】
酢 3/4カップ
砂糖 3/4カップ
水 3/4カップ
塩 小さじ1
カレー粉 小さじ1

◆作り方

【1】大根、にんじんは皮をむいて4㎝長さの拍子木切りにする。カリフラワーは小房に分ける。パプリカはスティック状に切る。しょうがは薄切りにする。
【2】鍋に【A】を入れ、にんじん、カリフラワー、しょうがを入れて中火にかけ、煮立ったら大根とパプリカを加え、火を止める。
【3】耐熱容器に2を甘酢ごと入れ、ラップを甘酢に密着させて冷ます。

※にんじんやパプリカは、型抜きしてもよい。カレー粉は、入れなくてもよい。

◆ポイント

ラップを密着させると、上まで甘酢に浸って味がよくしみる。野菜は家にあるものでOK!

教えてくれたのは


ほりえさわこさん

祖母の故・堀江泰子先生、母のひろ子先生と3代にわたって料理研究家。明るいお人柄と、ラクしておいしく作るアイディア豊富なレシピが人気。幼い姪っ子から祖父まで、みんないっしょに食卓を囲んでいる。

『ベビーブック』2017年12月号

【2】甘酒ホットスムージー

アミノ酸や食物繊維、ビタミン類をバランス良く含む栄養の宝庫!

◆材料

(3人分)
みかん 中2個
れんこん 100g
甘酒(アルコールを含まないもの) 200ml
しょうが 1片
牛乳 100ml

◆作り方

【1】みかん、れんこんは皮をむく。
【2】【1】、甘酒、しょうが、牛乳をミキサーにかけてなめらかにし、鍋に移して中火で温め、器に注ぐ。

教えてくれたのは


牛尾理恵さん

うしおりえ/料理研究家。フードコーディネーター。栄養士の資格ももつ。病院での食事指導、料理研究家の助手、料理専門の制作会社を経て独立。おいしく、作りやすく、体にやさしい家庭料理が人気。

『めばえ』2018年2月号

【3】蒸し鶏のきのこ小松菜あんかけ

下ごしらえはレンジで簡単に。しょうがやごま油が食欲をそそる上、とろみのあるあんかけなので、野菜もどんどん食べられます。

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
鶏むね肉 1枚(300g)

【A】
しょうが(薄切り) 3~4枚
長ねぎの青い部分 適量
酒 大さじ1
塩 小さじ1/4

しめじ・しいたけ・えのきだけ 合わせて150g
小松菜 2~3株(100g)

【B】
だし汁 1カップ
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
塩 小さじ1/2

片栗粉 大さじ1
ごま油 小さじ1

◆作り方

【1】鶏肉は皮を除いて耐熱皿にのせ、【A】をふる。ラップをかけて電子レンジで3分加熱し、返してさらに2分加熱し、そのまま冷ます。手で食べやすく裂く。
【2】しめじとえのきは石突きを切り落としてほぐし、2cm長さに切る。しいたけも石突きを切り落とし、カサは横半分に切って薄切りにし、軸は細く裂く。
【3】小松菜は根元を切り落として2cm長さに切る。
【4】鍋に【B】を入れて煮立たせ、【2】と小松菜の軸を加えてやわらかく煮、葉も加えて煮、同量の水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつけ、ごま油を加える。
【5】器に【1】を盛って【4】をかける。

教えてくれたのは


中村陽子さん

料理研究家のアシスタントを経て独立。新著は『とっておきの日につくっ てあげたいキャラケーキ』(成美堂出版)。二児のママ。
『ベビーブック』2015年11月号

 

構成/HugKum編集部

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